「出雲」の名称と由来
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 23:10 UTC 版)
「出雲」という国名は歴史的仮名遣では「いづも」である。古事記(712年)や日本書紀(720年)に「出雲」の表記が見えるほか、須佐之男命が歌を詠む場面では「伊豆毛」(古事記)、「伊弩毛」(日本書紀)といった表記も使用されている。 文字の初見は鰐淵寺が所有する『銅造観世音菩薩立像』の台座に見える「壬辰年(692年)五月出雲国若倭部」の銘文である。また、天平5年(733年)に編纂された『出雲国風土記』の冒頭部分に出雲と名付けられた由来が語られており、これが出雲の由来を記した最古の文献とされている。しかし、風土記では八束水臣津野命(やつかみずおみつぬのみこと)が「八雲立つ」と発したことを出雲と名付けた根拠として記すのみで、出雲と名付けるに至った歴史的経緯については一切の記載が無い。このことから定説となるには至っておらず、現在も様々な説が議論されている。 <原文>所以号出雲者、八束水臣津野命、詔八雲立詔之。故云、八雲立出雲。 <訓み下し文>出雲(いづも)と号(なづ)くる所以(ゆゑ)は、八束水臣津野命(やつかみづおみづののみこと)、詔(の)りたまひしく「八雲立(やくもた)つ」と詔(の)りたまひき。故(かれ)、八雲立(やくもた)つ出雲(いづも)と云(い)ふ。 <現代語訳>出雲と名付けるわけは、八束水臣津野命がおっしゃったことには、「八雲立つ」とおっしゃった。 だから、「八雲立つ出雲」という。
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