「キー装置」の発明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/09 15:21 UTC 版)
しかし、孔が小さく、理論上の位置と実際の位置のずれが大きくなると、音量が小さくなってしまう。これは、和声音楽に必要な大型・低音の管楽器で特に深刻な問題である。また、そのような大型の管楽器では指の太さ(孔の大きさを制約する)や長さ(位置を制約する)による「楽器の大きさ」、「音孔の大きさと配列」の制約もまた深刻であった。そこで、西洋の管楽器では、「なるべく大きな音孔」を「理想的な位置」に開け、その、「指ではふさぎきれないほど大きな孔」を、指の代わりに機械仕掛けの「ふた」で開閉する「キー装置」が考案された。演奏者はキー装置を手元のレバーで遠隔操作すれば良いので、「楽器の大きさ」「音孔の大きさと配列」を自由に設計できるようになったのである。木管楽器の歴史において、革命的ともいえる発明なのであるが、当初の段階では「最低音を出すための音孔が遠くて指が届かない場合の補助器具」としか見なされていなかったので、進歩は遅かった。(テナー、バス・リコーダーやフラウト・トラヴェルソの「右手小指のキー」が、この時代の「キー装置」の代表例である。)
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