《悪心》の正しい読み方
「悪心」の正しい読み方
「悪心」は「あくしん」、あるいは「おしん」と読む。読み方は言葉の意味によって異なる。「悪心」の意味解説
「悪心」を「あくしん」と読む場合、人に危害を加えるなど何らかの悪事を考えている様を意味する。「おしん」と読む時は医学用語の一種であり、意味は体の具合が悪い状態、特に吐き気を感じている状態となる。なぜ「悪心」と読むのか・理由
「悪心」と書いて「おしん」と読むのは本来の読み方である「あくしん」が変化したためである。悪事を考えている心は汚れているという考えがあり、そこから転じて心の具合が悪いから体の調子も悪くなったと解釈された。吐き気を「悪心」と称するのは心の汚れによる体への悪影響の結果であり、心が悪いから体も悪くなるという考え方が根底にある。当初は「あくしん」と読んでいたが、次第に「あしん」に変化し、さらに「おしん」となった。また、吐き気は古い言葉で「嘔気」と書いて「おうき」と読むが、この「おうき」が変化して「おしん」になった説もある。「悪心」の類語・用例・例文
医学用語としての「悪心」の類語は「吐き気」「胸のむかつき」「嘔吐」などがある。「嘔吐」は胃の内容物を吐き出す行為を意味する言葉なので厳密に言えば悪心の類語ではないが、嘔吐の前には吐き気を感じるのが普通なのでほぼ同じ意味で扱われる。例文としては「悪心をずっと感じている」「吐き気は誰でも辛い」「昨日から胸のむかつきを感じる」「嘔吐による窒息は危険だ」などがある。悪いことを考えている状態を意味する「悪心」の類語は「邪心」「悪気」「下心」などがあり、それぞれ「じゃしん」「わるぎ」「したごころ」と読む。いずれも相手を貶めたり、不利益をもたらそうと企んでいる状態を意味する言葉だ。それぞれ固有の意味として「邪心」は善悪よりも価値観の歪みを示す意味が強い。「悪気」は悪いとされている事柄を強く考えている状態であり、「下心」は不正な方法で利益を得ようとする考え方を示すことが多い。「人を傷つけようとする考えは悪心である」「邪心に濁った目をしている」「悪気のある行動ではない」「下心がみえみえだ」などの例文がある。
「悪心」の英語用例・例文
吐き気を意味する「悪心」は英語で書くと「nausea」になる。「nausea」は胸のむかつきやめまいなど明確な異常が確認できない体調不良を意味する医学用語であり、吐き気も該当する。例文としては「強い悪心を感じる」を英訳した「feel strong nausea」が挙げられる。悪だくみなどの悪い心を意味する「悪心」の場合は「evil thought」と表記するのが一般的だ。「evil」には「悪」「災い」などの意味があり、「thought」は「思考」や「思惑」などと訳される。直訳すると「邪な考え」「悪い思考」となる。「彼は悪心を抱いた」の例文は「He had a evil thought.」と英訳できる。
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