種数
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/29 03:31 UTC 版)
 種数( genus)は、次の式の特性べき級数(characteristic power series)に関連する種数である。 Q ( z ) = z / 2 sinh ( z / 2 ) = 1 − z / 24 + 7 z 2 / 5760 − ⋯ . {\displaystyle Q(z)={{\sqrt {z}}/2 \over \sinh({\sqrt {z}}/2)}=1-z/24+7z^{2}/5760-\cdots .} (特性級数 Q(16z) に関連する  種数もあるが、あまり使われない。)最初の数項の値は、 A ^ 0 = 1 {\displaystyle {\hat {A}}_{0}=1} A ^ 1 = − p 1 / 24 {\displaystyle {\hat {A}}_{1}=-p_{1}/24} A ^ 2 = ( − 4 p 2 + 7 p 1 2 ) / 5760. {\displaystyle {\hat {A}}_{2}=(-4p_{2}+7p_{1}^{2})/5760.} である。スピン多様体の  種数は整数であり、次元が 4 mod 8 であれば、偶数である(このことは次元 4 の場合のロホリンの定理を含んでいる。一般の多様体に対しては、 種数はいつも整数とは限らない。このことはヒルツェブルフとボレル(Armand Borel)により証明された。この双方の結果を動機として、後日のアティヤ・シンガーの指数定理が考えられ、さらに説明付けられる。アティヤ・シンガーの定理は、スピン多様体の  種数とディラック作用素の指数が等しいことを示している。 ディラック(作用素)のラプラシアンに対するワイツェンボックの公式(英語版)(Weitzenbock formula)とこの結果を組み合わせ、リヒネロヴィッツ(Lichnerowicz)は、コンパクトスピン多様体が正のスカラー計量を持つときには、 種数はゼロにならねばならないことを証明した。このことは、単に次元が 4 の倍数のときの正のスカラー曲率のための障害を与えただけにとどまらず、後日、ヒッチン(Hitchin)は次元が 1 もしくは 2 mod 8 のとき、これと類似した Z 2 {\displaystyle {\mathbb {Z} }_{2}} に値を持つ障害を発見した。これらの結果は、本質的な結果である。事実、グロモフ(Gromov)、ローソン(Lawson)、ストルツ(Stolz)は、 種数とヒッチンの Z 2 {\displaystyle {\mathbb {Z} }_{2}} に値を持つ類似物は、5 を含むそれ以上の次元の単連結なスピン多様体上の正のスカラー曲率の存在のための障害であることを証明した。
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