相鉄・JR直通線 概要

相鉄・JR直通線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 09:16 UTC 版)

概要

相鉄・JR直通線の構成区間
19.8 SO18 海老名駅
相鉄本線
12.6 SO14 大和駅
相鉄:いずみ野線
5.7 SO10 二俣川駅
2.1 SO08 西谷駅
相鉄:本線
相鉄:相鉄新横浜線
JR東東海道貨物線
0.0
37.2
SO51 羽沢横浜国大駅
横浜羽沢駅
相鉄:相鉄新横浜線
(相鉄・東急直通線)
JR東:東海道貨物線
JR東:東海道本線
横須賀線湘南新宿ライン
JR東:高島線
鶴見駅
JR東:東海道貨物線
JR東:東海道本線(上野東京ライン
JR東:横須賀線(品鶴線)
JR東:武蔵野線(武蔵野南線)
JR東:南武線(尻手短絡線)
新鶴見信号場
新川崎駅
JR東:武蔵野線(武蔵野南線)
20.6 JS 15 武蔵小杉駅
JR東:品鶴線
14.2 JS 16 西大井駅
JR東:横須賀線(品鶴線)
大崎支線
TWRりんかい線
8.6 JS 17 / JA 08 大崎駅
JR東:山手貨物線
5.0 JA 09 恵比寿駅
3.4 JA 10 渋谷駅
0.0 JA 11 新宿駅
JR東:埼京線川越線へ一部直通運転
川越駅

鉄道・運輸機構を整備主体として西谷駅 - 羽沢横浜国大駅間に連絡線を整備し、相鉄とJR東日本が相互直通運転を実施するもので、相鉄では自社路線と東京都心を繋ぐ「都心直通プロジェクト[9]の一つとして位置付けている。

相鉄とJR東日本の境界駅は羽沢横浜国大駅で、同駅は2社による共同使用駅となり、駅施設は相鉄が管理する。

運行区間は基本的に新宿駅 - 海老名駅間であるが、朝の一部時間帯は新宿駅からさらに埼京線大宮駅方面と直通し、最長で川越線川越駅まで乗り入れる。

JR東日本との直通運転開始に伴い、初めて東京都区内に相鉄の車両が乗り入れるようになった。また、JR東日本の通勤列車が、東京メトロ以外の首都圏大手私鉄の通勤列車と、他の鉄道会社の路線を介さず直通運転する事例は史上初めてとなる[注 2][注 3]

また、新宿駅 - 海老名駅間は小田急小田原線も走っており、競合区間となる。

ATOSによる駅の案内放送においては埼京線と相鉄線の車両を使用しているものの「電車がまいります」ではなく「列車がまいります」と案内される。

列車の運行ルート

新宿駅から、湘南新宿ラインと同じルートで山手貨物線を走行して、渋谷駅大崎駅を経由し、蛇窪信号場品鶴線に入る。武蔵小杉駅を経由し、品鶴線の複々線区間(新鶴見信号場 - 鶴見駅)の貨物線側(通称「武蔵野南線」武蔵野線一部と共用する)に入る(線路配置の関係上、新川崎駅は通過となる)。その後、新鶴見信号場を経由し、鶴見駅(貨物線にはホームがないため通過)から東海道貨物線に入り、京急花月総持寺駅付近で地下へ潜り、横浜羽沢駅の東京側で相鉄新横浜線に合流して羽沢横浜国大駅を経ると、西谷駅から相鉄本線に合流して海老名駅へ至る。

正式名称としては新宿駅から品川駅[注 4]までが山手線山手貨物線)、品川駅から羽沢横浜国大駅までが東海道本線(品川駅 - 鶴見駅[注 5]間は品鶴線〈横須賀線〉、鶴見駅 - 羽沢横浜国大駅間は東海道貨物線)、羽沢横浜国大駅から西谷駅までが相鉄新横浜線、西谷駅から海老名駅までが本線となる。

海老名駅 二俣川駅 西谷駅 羽沢横浜国大駅 鶴見駅 新鶴見信号場 大崎駅 新宿駅 池袋駅 赤羽駅 大宮駅 川越駅
旅客案内での名称 JR埼京線直通 埼京(・川越)線直通 埼京(・川越)線 川越線
(相鉄線) 相鉄線直通 埼京線 相鉄線直通 埼京・川越線 相鉄線直通
正式路線名 (相鉄)本線 相鉄新横浜線 東海道本線 山手線 赤羽線 東北本線 川越線
線路名称 東海道貨物線 品鶴線
[注 6]
品鶴線 山手貨物線 東北本線支線

ルートの都合上、武蔵小杉駅 - 羽沢横浜国大駅間には途中駅がない。新川崎駅・鶴見駅は経由するが、武蔵小杉駅 - 鶴見駅間はホームがない線路を通るためいずれも通過する。また、鶴見駅 - 羽沢横浜国大駅間ではJR東日本横浜線大口駅の北側の真上を大口高架シェルターで跨ぐ)、東急電鉄東横線妙蓮寺駅の南側の真下を港北トンネルで潜る)、横浜市交通局横浜市営地下鉄ブルーライン岸根公園駅の真上を港北トンネルで跨ぐ)とそれぞれ立体交差しているが、いずれも駅は設置されていない。

品川・東京方面・上野東京ラインへの乗り入れの検討

相鉄では2013年(平成25年)12月より、今回の新宿方面への乗り入れとは別に東海道線品川駅以北・上野東京ラインを介した宇都宮線高崎線常磐線方面への乗り入れも検討していたが[10][11]、多方面へ向かう運行本数の確保が困難であるとのJR東日本側の理由により見送られている[12]。JR東日本では、開業時点では新宿方面への運行を基本としているものの、利用動向次第で運行を検討することに含みをもたせている[13][14]


注釈

  1. ^ 一部の列車は川越線川越駅から。
  2. ^ 有料特急列車を含めると、JR湘南新宿ライン宇都宮線東武日光線鬼怒川線を直通運転する特急「日光」「きぬがわ」号の事例がある。
  3. ^ 東京メトロを介した事例としては東京メトロ千代田線を介したJR常磐線各駅停車小田急小田原線多摩線の直通運転がある。
  4. ^ 大崎駅の構内扱いである短絡線(大崎支線)を経由するため、実際には品川駅を経由しない。
  5. ^ 鶴見駅は運賃計算上の分岐駅となっているが、ホームは設置されない。
  6. ^ 武蔵野線と重複
  7. ^ よって、同系は埼玉県内には基本的には入らない。また、りんかい線への乗り入れは代走でも行われない。

出典

  1. ^ 鉄道事業の旅客運賃(加算運賃)上限設定認可申請書”. 相模鉄道. 2019年11月12日閲覧。
  2. ^ 鉄道事業の旅客運賃上限変更認可申請書”. 相模鉄道. 2019年11月12日閲覧。
  3. ^ "最新技術を適材適所で採用し、着々と建設が進む神奈川の新・大動脈:神奈川東部方面線". JRTT. 2022年9月2日閲覧
  4. ^ JR東日本:東京近郊路線図(車内掲出版)”. 東日本旅客鉄道株式会社. 2020年5月8日閲覧。
  5. ^ (JR線代表的駅構内図)大崎駅構内図1F”. 東日本旅客鉄道. 2021年2月10日閲覧。
  6. ^ 佐藤利夫「特集:東京近郊JR路線別ガイド ⑪埼京・川越・相鉄直通線」『鉄道ファン2021年3月号』第61巻第3号(通巻719号)、交友社、2021年3月1日、34 - 35頁。 
  7. ^ a b c d 2019年11月 ダイヤ改正について” (PDF). 東日本旅客鉄道 (2019年9月6日). 2019年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月7日閲覧。
  8. ^ a b c 相鉄・JR直通線開業 11月30日(日)ダイヤ改正について” (PDF). 相模鉄道 (2019年9月6日). 2019年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月7日閲覧。
  9. ^ 都心とつながる(都心直通プロジェクト)”. 相模鉄道. 2019年9月7日閲覧。
  10. ^ 相鉄とJR東の直通運転、品川・東京方面も検討 (日本経済新聞 2013年12月27日)
  11. ^ 品川・東京方面への乗り入れ検討申し入れへ 神奈川東部方面線で横浜市長(神奈川新聞 2016年9月10日)
  12. ^ <相鉄・JR直通>品川・東京駅へ乗り入れ「困難」、2020年春までの開業は「確実」 - 新横浜新聞。2018年12月12日発信、2018年12月28日閲覧。
  13. ^ 神奈川県鉄道輸送力増強促進会議 平成30年度 要望・回答 東日本旅客鉄道 横須賀線”. 神奈川県. 2020年6月1日閲覧。
  14. ^ <JRが見解>相鉄・JR直通線の東京方面乗り入れ、「開業後の利用状況を見極める」”. 新横浜新聞. 2020年6月1日閲覧。
  15. ^ 相鉄とJR相互直通へ 乗り換えなしで新宿に 西谷〜羽沢間の接続案浮上 - 神奈川新聞社、2004年9月8日
  16. ^ 横浜市議会議事録、平成18年 まちづくり調整都市整備委員会 [ 02月03日-01号 ]
  17. ^ 本日(10月20日)、相鉄・JR直通線の工事施行認可を受けました』(PDF)(プレスリリース)相模鉄道、2009年10月20日。 オリジナルの2013年9月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20130915065923/https://www.sotetsu.co.jp/news_release/archives/PDF/091020_01.pdf2020年12月10日閲覧 
  18. ^ 本日(3月25日)、相鉄・JR直通線建設工事の起工式を挙行』(PDF)(プレスリリース)相模鉄道、2010年3月25日。 オリジナルの2013年9月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20130915064500/https://www.sotetsu.co.jp/news_release/archives/PDF/100325_01.pdf2020年12月10日閲覧 
  19. ^ 相鉄・JR直通線事業に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、2013年4月23日。 オリジナルの2015年6月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20150626202834/http://www.jrtt.go.jp/08-2Press/pdf/H25/pressh250423.pdf2020年12月10日閲覧 
  20. ^ “神奈川県で建設中の相鉄・JR直通線、工事の遅れで開業を2018年度内に延期”. マイナビニュース. (2013年4月24日). https://news.mynavi.jp/article/20130424-a017/ 
  21. ^ 神奈川東部方面線事業に関するお知らせ』(PDF)(プレスリリース)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、2016年8月26日。 オリジナルの2017年8月5日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20170805060225/http://www.jrtt.go.jp/08-2Press/pdf/H28/pressh280826.pdf2020年12月10日閲覧 
  22. ^ 上新大介 (2016年8月26日). “相鉄・JR直通線、相鉄・東急直通線ともに開業延期 - 建設費4,000億円以上に”. マイナビニュース. https://news.mynavi.jp/article/20160826-a421/ 2016年8月26日閲覧。 
  23. ^ 神奈川東部方面線 相鉄・JR直通線レール締結式の開催について』(PDF)(プレスリリース)独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、2019年2月21日。 オリジナルの2020年12月12日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201212034051/https://www.jrtt.go.jp/corporate/public_relations/pdf/pressh310221-1.pdf2020年12月12日閲覧 
  24. ^ 相鉄・JR直通線の開業日決定』(PDF)(プレスリリース)相模鉄道/東日本旅客鉄道、2019年3月28日。 オリジナルの2020年7月27日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20200727143834/https://www.jreast.co.jp/press/2018/20190326.pdf2020年12月12日閲覧 
  25. ^ 渋谷駅 山手線内•外回り線路切替工事に伴う列車の運休について』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2023-08-08日。 オリジナルの2023年11月19日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20231119084026/https://www.jreast.co.jp/press/2023/tokyo/20230808_to01.pdf2023年11月23日閲覧 
  26. ^ 相鉄・JR直通線用新型車両 「12000系」を来年春に導入 前方監視カメラと車内防犯カメラを初めて採用” (PDF). 相模鉄道 (2018年10月3日). 2018年10月3日閲覧。
  27. ^ 2018年度 鉄道・バス設備投資計画 安全対策とサービス向上に総額126億円 ホームドアの全駅設置準備工事や相鉄・JR直通線用の新型車両を導入” (PDF). 相鉄グループ (2018年4月26日). 2018年5月15日閲覧。
  28. ^ a b 「POST 相鉄12000系、池袋まで運転開始」『鉄道ファン2021年6月号 特集:気になる国鉄・JR形』第61巻6号(通巻722号)、交友社、2021年6月1日、145頁。 
  29. ^ 相鉄、JR直通車両発注 J-TRECに6編成”. 日刊工業新聞 (2018年5月11日). 2018年6月2日閲覧。
  30. ^ 変貌する相鉄に注目! — 期待が膨らむ新線に沿って歩いてみた”. GetNaviWeb (2018年12月1日). 2019年3月3日閲覧。
  31. ^ 鉄道ファン 2019年6月号』第59巻6号(通巻698号)、交友社、44頁。 
  32. ^ a b c d e 相模鉄道 12000 系電車における sustina コンセプトの適用(PDF) - 総合車両製作所技報 第7号(2020年10月)
  33. ^ 相鉄・JR直通線開業 11月30日(土)ダイヤ改正について』(PDF)(プレスリリース)相模鉄道株式会社、2019年9月6日。 オリジナルの2019年9月4日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20190906224530/https://www.sotetsu.co.jp/news_release/pdf/190906_01.pdf2019年9月14日閲覧 
  34. ^ 「横浜市内」発着となる乗車券による市外乗車の特例”. JRおでかけネット. 2019年11月22日閲覧。
  35. ^ 特定の分岐区間に対する区間外乗車の特例”. JRおでかけネット. 2019年11月22日閲覧。
  36. ^ 「遠い駅」の方が安い? 相鉄・JR直通線の運賃のナゾ”. 鉄道コム. 朝日インタラクティブ (2019年11月30日). 2019年11月30日閲覧。
  37. ^ 【お詫び】JR線直通方面列車における車内モニターに関する種別色表示について”. 相模鉄道株式会社 (2019年11月30日). 2019年12月11日閲覧。





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