東寺長者 東寺長者補任

東寺長者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/21 01:52 UTC 版)

東寺長者補任

東寺長者補任(とうじちょうじゃぶにん)とは、東寺長者次第(とうじちょうじゃしだい)とも呼ばれ、東寺の歴代の長者人事について記録した文書のこと。

古くは11世紀半ばに仁海によって書かれた『仁海僧正自筆長者次第』などがあったといわれているが、現存最古のものとしては37代長者寛信が20年の歳月をかけて久安元年(1145年)に完成した『東寺長者補任』2巻がある。これには空海以来の歴代長者の任命日・俗姓・師資・年譜などが人別に記載されている。続いて寛元元年(1243年)頃に55代厳海までの師資・称号・俗姓・仁限・忌日などを記した選者不明の『東寺長者并高野検校等次第』1巻が著された。その後、延文/正平年間(1360年)頃に杲宝によって『東寺長者補任』5巻を撰した。これには東寺の歴史、歴代長者の師資・称号・俗姓・仁限・忌日・年譜などが詳細に記載されて長く東寺の基本史料とされたのみならず、杲宝の原本に増補が加えられて300年後の寛永11年(1635年)の分まで加えられた。その一方で杲宝の原本が余りにも膨大になってしまったために簡便な抄本版と言える貞治6年/正平22年(1367年)までの『東寺長者補任』1巻も作成された。

脚注

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参考文献

  • 内田啓一 『後醍醐天皇と密教』 法藏館〈権力者と仏教 2〉、2010年。ISBN 978-4831875846 
  • 夏目祐伸 「東寺長者」 『国史大辞典』 吉川弘文館、1997年。 
  • 夏目祐伸 「法務」 『国史大辞典』 吉川弘文館、1997b。 

関連項目


  1. ^ 百科事典マイペディア. “文観”. コトバンク. 株式会社DIGITALIO. 2020年10月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 夏目 1997.
  3. ^ 夏目 1997b.
  4. ^ a b c d e f 内田 2010, pp. 201–204.


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