労働協約 労働協約の概要

労働協約

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/30 03:24 UTC 版)

労働協約においては、主に賃金体系と、賃金以外の労働条件(たとえば労働時間、休み、職業訓練、雇用保護、労働安全衛生規定など)の取り決めが締結されている[1]。企業または従業員レベルによる再交渉により、上位レベル(産業セクターなど)で合意された賃金よりも賃金が引き上げられる(ケースによっては賃金が引き下げられる)こともある[1]

各国の雇用者に占める
労使協約締結者の割合(2019年直近)[2]
%
イタリア 100.0
オーストリー 98.0
フランス 98.0
ベルギー 96.0
アイスランド 90.0
フィンランド 88.8
スウェーデン 88.0
デンマーク 82.0
スペイン 80.1
オランダ 75.6
ポルトガル 73.6
ノルウェー 69.0
ルクセンブルク 56.9
ドイツ 54.0
スイス 45.0
チェコ 34.7
アイルランド 34.0
OECD平均 32.1
カナダ 30.2
ラトビア 27.1
英国 26.9
ハンガリー 21.8
チリ 20.4
ニュージーランド 18.4
日本 16.8
韓国 14.8
ギリシャ 14.2
ポーランド 13.4
米国 11.6
メキシコ 10.4
コスタリカ 10.3
トルコ 8.5
リトアニア 7.9
エストニア 6.1

  1. ^ a b c OECD Employment Outlook 2018, OECD, Chapt.3, doi:10.1787/empl_outlook-2018-en 
  2. ^ a b Collective bargaining coverage (Report). OECD. (2023). https://stats.oecd.org/Index.aspx?DataSetCode=CBC#. 
  3. ^ 労働基準法第2条は違反者に対する罰則が定められてなく、訓示的規定と解される。
  4. ^ 努力義務として、「常に労働関係の調整を図るための正規の機関の設置及びその運営に関する事項を定める」ようにしなければならない(労働関係調整法第2条)
  5. ^ 平成28年労働争議統計調査の概況 厚生労働省令和3年労働争議統計調査の概況 厚生労働省および過年度の同調査より
  6. ^ a b 労働協約の拡張適用について厚生労働省
  7. ^ 第17条は強行規定であると解される(昭和22年10月28日労発第114号)。かりに締結当事者間において、「組合員以外の者には適用しない」旨の特段の条項を設けたとしても、当該条項は、拡張適用がなされる限度において効力を有しないこととなる(昭和32年10月8日兵庫県商工労働部長あて労働省労政局労働法規課長通知)。
  8. ^ 厚生労働省労政担当者参事官室編「労働組合法・労働関係調整法(5訂新版)」(労務行政研究所、2006年)p.658~によれば、労働組合法施行後、第18条による拡張適用は8件のみであり、1989年(平成元年)に愛知県で決定されたものが最後である。
  9. ^ 茨城の大型家電量販社員の休日111日に 30年ぶりに労働協約拡張朝日新聞デジタル2021年9月22日。前述の事例以来32年ぶりに第18条による拡張適用の決定がなされた。
  10. ^ 労働協約の地域的拡張適用について厚生労働大臣が決定した事案厚生労働省
  11. ^ 「賃金・休日数 他社にも適用」読売新聞2023年5月22日付朝刊社会保障面
  12. ^ 浜田冨士郎『就業規則法の研究』有斐閣、1994年 p.48~
  13. ^ 産業別労働組合が主流である諸外国では労働協約は最低基準を定めるものにすぎないが、企業別労働組合が主流である日本では、労働協約は最低基準ではなく画一的標準を定めるものとなる。よって個々の労働契約の有利を認めてしまうと労働組合の集団的規制が損なわれてしまう。もっとも、労働協約が自ら個々の労働契約の有利な労働条件を許容している場合にまでこれを否定する必要はなく(判例として、ネッスル事件(大阪高判昭和63年3月28日))、実際には有利原則は一律に定まるものでなく個々の労働協約の解釈により決せられる。
  14. ^ 令和2年 労使間の交渉等に関する実態調査結果の概況 厚生労働省
  15. ^ 国家公務員について、団体協約締結権を認めていない国家公務員法の規定は、憲法28条に違反するものではない(国立新潟病院事件、最判昭和53年3月28日)。


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