初桜 (駆逐艦) 初桜 (駆逐艦)の概要

初桜 (駆逐艦)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/07 02:37 UTC 版)

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艦歴
計画 1944年(昭和19年)度計画
建造所 横須賀海軍工廠
起工 1944年12月14日
進水 1945年2月10日
竣工 1945年5月28日
除籍 1945年9月15日
その後 1947年7月29日ソ連へ引き渡し
要目(計画値)
排水量 基準:1,262トン
公試:1,530トン
全長 100.00m
全幅 9.35m
吃水 3.30m
主缶 ロ号艦本式缶2基
主機 艦本式タービン2基2軸 19,000馬力
速力 27.8ノット
航続距離 18ノットで3,500海里
燃料 重油370トン
乗員 211名
兵装 40口径12.7cm単装高角砲 1基
40口径12.7cm連装高角砲 1基
25mm連装機銃 4基
25mm単装機銃 12基
61cm4連装九二式魚雷発射管 1基4門(予備魚雷なし)
九四式爆雷投射機 2基、爆雷投下軌条×2、(二式爆雷 36発)
四式水中聴音機

艦名は「その年初めて開いたの花、また、咲いてまもない桜の花」[1]のこと。

艦歴

左舷側より見た初桜
手前の艦はアメリカ海軍駆逐艦ニコラス(USS Nicholas DDE-449)
1945年8月27日、連合国艦隊と会合した際(※本文参照)の撮影
艦首主砲を始め全ての武装が無人の最俯角状態となっていることに注意

竣工後、訓練部隊の第十一水雷戦隊(高間完少将海軍兵学校41期)に編入され[2]、特令あるまで待機を行うよう命じられ[3]、6月4日付で「」とともに横須賀鎮守府部隊に編入され[4]、そのまま無傷で終戦を迎えた。

8月27日、連絡のための軍使と水先案内人を送るため、相模湾で戦艦ミズーリを中心とする連合国の艦隊と会合した。その時の写真が残されている。 28日、ミズーリその他の連合国艦隊200隻は初桜の先導の下、東京湾に入港した。機雷原があるため一列縦隊で進入した[5]


9月15日除籍。12月1日特別輸送艦に指定され、復員輸送に従事。

その後、ソ連へ賠償艦として引き渡すことになり、1947年(昭和22年)7月5日には佐伯にて「風のある、軽薄な」という意味のヴェートレンヌイロシア語:Ветреныйヴィェートリェンヌィイ)に改称され、艦隊水雷艇(駆逐艦のこと)としてソ連海軍へ編入され、7月29日、ナホトカでソ連側に引渡され、1947年8月中旬にはウラジオストクへ回航された。10月22日には艦名は「表情豊かな、意味深長な」という意味のヴィラジーテリヌィイВыразительныйヴィラズィーチェリヌィイ)に改称された。

ヴィラジーテリヌィイとなってよりは1949年までウラジオストクに係留されたが、同年3月中旬には標的艦に類別を変更された。6月17日には、TsL-26ЦЛ-26ツェエール・ドヴァーッツァチ・シェースチ)に改称された。「TsL」は「標的艦」(корабль цель)の略号であるので、「第26号標的艦」といった意味になる。は、1951年から1953年にかけてソヴィエツカヤ・ガヴァニにあった第199造船工場の施設にて中期修理を受けた。これにより、同型艦とあわせて標的艦仕様に改修された。1959年2月19日には退役し、解体された。

ヴェートレンヌイという名称を持つ駆逐艦はその後は建造されなかったが、ヴィラジーテリヌイの艦名は30-bis号計画型駆逐艦に受け継がれた。

歴代艦長

※『艦長たちの軍艦史』372頁による。

艤装員長

  1. 青木厚一 大尉 1945年4月20日-

駆逐艦長

  1. 青木厚一 大尉 1945年5月28日-



  1. ^ 『連合艦隊軍艦銘銘伝』458頁。
  2. ^ 『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128000, pp.55
  3. ^ 『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128000, pp.55,56
  4. ^ 『第十一水雷戦隊戦時日誌』C08030128100, pp.4,10
  5. ^ 終戦と降伏仮調印”. 2019年1月14日閲覧。


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