ユダヤ人
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ユダヤ民族の区分や宗教的集団
世界に散らばったため、世界のユダヤ教徒のコミュニティーや宗教的集団には以下のように複数がある。
イスラエルに住むユダヤ人は、アシュケナジムと呼ばれる欧米系のユダヤ人と、それ以外のアジア・アフリカ系のユダヤ人を意味するセファルディムに大別される[12]。
イシューブ
イシューブとは、1948年5月14日イスラエル建国以前からパレスチナ地域に住んでいたユダヤ教徒
アシュケナジム
アシュケナジム-ユダヤ系のディアスポラのうちドイツ語圏や東欧諸国などに定住した人々。中欧・東欧出身のユダヤ人であり、シオニズム運動の推進役を務めた。一般に教育・文化水準が高く、イスラエルでも指導的役割をになっているエリート層が多い[24]。
- アイルランドのユダヤ人(ツァルファーティー・セファルディムとアシュケナジム)
- イタリアのユダヤ教徒
- 北部にはアシュケナジムが多い
- ツァルファーティー
- フランス系ユダヤ教徒で、消滅した世代と残留者、新しい世代(諸地域・諸国からの移民)
セファルディム
セファルディム-イスラエルにおける「アシュケナジム以外のユダヤ人」を広く指す言葉。このうち中東・アフリカ系だけは「ミズラヒム」と 別にする場合もある。本来は、中世にイベリア半島(スペイン、ポルトガル)に住んでおり、イベリア半島からの追放後にアジア・アフリカ地域に移住したユダヤ人の子孫を指す言葉[12]。
- インドと周辺のユダヤ人
- 中国のユダヤ人
- ハザールのユダヤ人
ミズラヒム
(英語版の記事「Jews by country List of Jews from the Arab World」も参照) ミズラヒムとは、セファルディムの中でもアラブ世界などイスラム教が多数派の社会に住んでいたユダヤ人の総称。 (エジプト、メソポタミア、モロッコ、トルコ、ペルシアなどのコミュニティーに関しては英語版の記事「Islam and Judaism」も参照)
- 北アフリカのユダヤ人(マグレビーム)
- モロッコのユダヤ人
- アルジェリアのユダヤ人
- フランス植民地統治下のアルジェリアでは、原住民のイスラム教徒が参政権を持たない下級市民とされたのに対し、ユダヤ教徒(セファルディム、ミズラヒム)に対してはフランスの完全市民権が付与された。このため、ユダヤ教徒はフランス本国からの入植者(コロン) と同化し、フランス語を母語とするようになり、自らをヨーロッパ人と考えるようになった。
- このため、アルジェリアの独立時には多くのユダヤ教徒がフランス人としてコロンとともにフランス本国に引き揚げコロンとひとまとめに「ピエ・ノワール」と呼ばれるようになった。ただし、独立以前にもフランス内地へ移住するユダヤ教徒がいなかったわけではない。これらの人々の中からはフランスで著名な歌手・俳優なども多く輩出されている(クロード・ルルーシュ、エンリコ・マシアス(セファルディム)など)。
- チュニジア・ユダヤ人
- ペルシア・ユダヤ人(Persian Jews)
- イエメン・ユダヤ人
- ベタ・イスラエル(ファラシャ)(エチオピアのユダヤ人)
- 山岳ユダヤ人(タート・ユダヤ人。ダゲスタン、アゼルバイジャン、アルメニアのタート人社会の内部)
- グルジーム
- ブハラ・ユダヤ人(タジキスタンから中央アジア全土)
ブラック・ジュー
- アバユダヤ
- レンバ族(ジンバブエ)
その他
- サマリア人-旧イスラエル王国領の残留イスラエル人と、移民との間に生まれた人々
- ユダヤ=キリスト教徒
- メシアニックのユダヤ教徒-ユダヤ教の一派を自認するが、旧約聖書(ヘブライ語聖書、タナハ)の預言の成就であるとして新約聖書を受け入れることから、大方のユダヤ教の立場からは異端視されている,
注釈
- ^ ヘブライ語ラテン翻字: Yehudim
- ^ イディッシュ語ラテン翻字: Jidn
- ^ 紀元前17世紀には、ヒクソスがエジプトへ移住し、エジプト第15王朝(紀元前1663年頃 - 紀元前1555年頃)を興している。紀元前1628年にはギリシャのサントリーニ島でミノア噴火が起こり、火山の冬が原因で気候が大きく変動し、カナンに居住し続けるのが困難になった。
- ^ 紀元前1200年頃に、アイスランド・ヘクラ山の第三ヘクラ大噴火が原因と考えられる世界的な気温低下による前1200年のカタストロフが起こった。
- ^ この問題でダレスは、1956年8月19日にロンドン会談で日本の重光葵外相にもソ連と北方領土を二島返還で妥結するなら沖縄返還は無いと圧力をかけた。 当時の日本は、朝鮮戦争が1953年に休戦したことを受け、ソ連とも講和条約締結と北方領土の返還を協議していた。日本は1951年にサンフランシスコ講和条約で単独講和路線を選択した後だったことから、ダレスの圧力を受け入れ、10月12日の鳩山一郎首相とニキータ・フルシチョフの首脳会談で、国交回復を先行させ、平和条約締結後に歯舞群島と色丹島を返還する前提で平和条約の交渉を行う事が合意された。その結果、10月19日の日ソ共同宣言で北方領土は返還されなかった。
- ^ アラビア語: Ahl al-Kitab
- ^ マルティン・ブーバーは「聖にする民」と訳している。レビ記11章45節を参照。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n (PDF) Annual Assessment, Jewish People Policy Planning Institute (Jewish Agency for Israel), (2006), pp. p. 11[リンク切れ](アーカイブ), sourced from American Jewish Year Book. 106. American Jewish Committee. (2006)
- ^ “www.zsido.hu - A magyar zsidóság története”. ZSIDO.HU. 2019年3月3日閲覧。
- ^ “Belarus Jews Take Part in Jewish Life, but Don't Know Much About Judaism”. Jewishtucson.org. United Jewish Communities.. 2014年1月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “The Jewish Population of the World (2006)”. Jewish Virtual Library. 2009年10月6日閲覧。, sourced from American Jewish Year Book. 106. American Jewish Committee. (2006)
- ^ “Struggle to Save Ethiopian Jewry”. SSEJ. 2019年3月3日閲覧。
- ^ The Jews of Iran (Jewish Virtual Library)
- ^ “Antisemitism And Racism”. 2011年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年3月3日閲覧。
- ^ Jewish Virtual Library Kazakhstan
- ^ 関 2003, p. 1.
- ^ 関 2003, p. 2.
- ^ 佐藤唯行 『英国ユダヤ人』 講談社〈講談社選書メチエ〉、1995年、16頁。
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- ^ 杉本淑彦 著「白人の形成. 白色人種論とアラブ人 - フランス植民地主義のまなざし」、藤川隆男 編『白人とは何か? ホワイトネス・スタディーズ入門』刀水書房、2005年10月、64-65頁。ISBN 4887083467。
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- ^ Colin McEvedy and Richard Jones, 1978, "Atlas of World Population History," Facts on File, New York, ISBN 0-7139-1031-3.[要ページ番号]
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- ^ Marcus Roberts (2007年). “THE STORY OF ENGLAND’S JEWS The First Thousand Years” (PDF). National Anglo-Jewish Heritage Trail. 2019年3月3日閲覧。
- ^ 大澤 1996, p. 36.
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- ^ メンデル・ノイグレッシェル 著、野村真理 訳『イディッシュのウィーン』野村真理解説、松籟社、1997年10月。ISBN 4-879-84192-7。[要ページ番号]
- ^ ニアイースト・リポート 1991, pp. 41–43.
- ^ ニアイースト・リポート 1991, p. 200.
ユダヤ人と同じ種類の言葉
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