マイナスイオン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/07/29 06:30 UTC 版)
大気電気学では、健康問題に関する際に負イオンをこのように呼ぶ[2]。家電メーカー13社はほぼ共通して、空気中の原子や分子が電子を得てマイナスに帯電したものとしている[3]。専門的には通常は空気マイナスイオンと呼ばれる。昭和初期の文献では空気陰イオンとするものもある[4]。大気電気学のイオンは化学とは定義が異なる[5]。
概要
20世紀初頭から空気イオンに関する研究は連綿と続いてきた。日本でマイナスイオンという言葉は、20世紀の終わり頃からメディアに頻繁に登場するようになり、1999年から2003年頃が流行のピークであった。日本の流行語となった[6]。十分な裏付けが得られないまま効能を謳うメーカーが数多く現れた結果、批判も起こった。ただし負の大気イオンの論文などの文献は、2002年までに海外に1470文献、日本でも290文献ある[7]。また、厚生省の認可を受けた医療機器が存在する。また空気中の陰イオンは、ゲルディエン式コンデンサ形イオン密度測定器 (Gerdien condenser) などを用い、JIS B9929:2006「空気中のイオン密度測定方法」に基づいて計測される[8]。
マイナスイオンの研究をさらに発展させて、クラスターやOHラジカルやアニオンといった物理学の概念を導入することで、技術の向上を目指し、携帯型空気清浄機やヘアドライヤーなどの分野で、より付加価値の高い製品を生み出す動きも見られる。
懐疑派である工学者の安井至は、マイナスイオンを未科学とし、ドライヤーのサラサラ効果は体験できるが副生成物のオゾン水の効果ではないかとし、集塵効果や、冷蔵庫の鮮度保持でも他の説明ができるのではとの仮説を述べている(その効果を否定してはいない)[5]。安井はどのメーカーも効果の実証データを示していないと指摘しているが[9]、その発言の前年に家電メーカー14社中8社が自社製品の実験データありと回答している[3]。また健康に対しての効果については懐疑している[5]。同じく懐疑している統計物理学者の菊池誠は、健康効果についてニセ科学とし、その根拠を2002年のAP通信によるインタビューに頼っている[10]。安井はトルマリンがマイナスイオンを出すという説をインチキとし[9]、菊池も同じような言説である。両者ともに、マイナスイオンの定義が明確でないと主張しているが、科学的には負の大気イオンだという認識に相違はなく、この現象自体については懐疑していない。
マイナスイオンの定義
大気イオンと国内の空気イオンの生体に対する研究
『大気電気学概論』では[2]、健康問題との混同を避けるために以下のような記述がある[注 1]。
大気イオン自体は大気電気学分野の科学用語である。負の大気イオンの英名はnegative air ionsである。
国内でマイナスイオン研究の主導的立場にある研究者らや、他の日本人研究者たちは、国内の学会において、負の大気イオンをマイナスイオンと呼んで生体・生物学的影響に関する研究発表を行っている(後述)。『空気マイナスイオン応用事典』では1996年以降の研究論文の題にマイナスイオンという言葉が登場する[11]。
1937年の医学書『内科診療の実際』に「大気イオン療法」の項では、Aeroanionの訳語として「空気陰イオン」と記されている[4]。
国内の物理学
『科学大事典第2版』では、大気中の負の電荷を帯びた分子の集合体であるとされている[1]。
国内の物理学分野では、陰イオンの意味で「マイナスイオン」が使われる例があり、例えば独立行政法人理化学研究所の分子動力学研究において「プラスイオン」、「マイナスイオン」という用語が用いられている[12]ほか、日本学術振興会総合研究連絡会議透明酸化物光・電子材料第166委員会でも結晶中のナノ構造に関連して「マイナスイオン」が用いられている[13]。
1985年の通商産業省の先端技術の紹介文献において、水溶液中のイオンの状態をあらわす用法としても用いられたことがある[14]。科学技術用語としては負イオンが正しい用法である。
家電メーカーの定義
2003年には、家電メーカー13社は「空気中の原子や分子が電子を得てマイナスに帯電したもの」というほぼ共通した定義を回答している[3]。回答した13社(社名は当時)は、松下電器産業、松下電工、三洋電機、三洋エアコンディショナーズ、日立ホーム・アンド・ライフ・ソリューション、富士通ゼネラル、東芝コンシューマーマーケティング、東芝キャリア、三菱電機、シャープ、タイガー魔法瓶、象印マホービンである。
使用の実際
学術以外での用法では定義が曖昧で意味が統一されていないという側面がある。
懐疑的立場をとる安井至は、通常の化学でイオンは水溶液中の荷電粒子だが、大気電気学でのイオンの定義とは異なっているため、マイナスイオンを負の空気イオンとし、水溶液中には存在しないという立場をとるとしている[5]。
物質は何か
大気中の負の小イオンでは、NO3・(HNO3)m・(H2O)n 、HSO4・(HNO3)m・(H2O)nが代表的である[11]。
コロナ放電によって生成されたマイナスイオンでは、CO4−(H2O)nやO2−(H2O)n と推測されていたが、CO3−(H2O)n 、NO3−(HNO3O)mなど他の物質も候補に上がっている[15]。コロナ放電による生成メカニズムとイオン種の特定については以下も参考となる。
- 関本奏子, 高山光男「大気中コロナ放電によるイオンの生成と発展の研究」『エアロゾル研究』第26巻第3号、日本エアロゾル学会、2011年、203-213頁、doi:10.11203/jar.26.203。
水破砕によって発生するものは、ほとんどが O2−(H2O)n と考えられている[15]。放電プラズマによって生成されたものに関する実測でも、同じくO2-(H2O)nが観測された[16]。これらの生成方式による機器ではオゾンなどは発生しない。
2006年11月には、イオン発生量の測定方法がJIS規格化された。(後述)
歴史
空気イオン研究の起源
1899年に、ElsterとGeitelはイオンを発見し、分子イオンと命名し、1901年には大気中の電気の伝導性の説明として「気体イオン説」を発表した。1901年にはCzermackはドイツやスイスの熱風「フェーン」のイオンを測定し、プラスイオンが増加しているため、肉体や精神に有害な作用があることを主張した[17]。南風が吹くと空気のプラスイオンが増えるため、人の精神に悪影響を与え犯罪発生率が上がると主張され、スイスではプラスイオン量が増大するフェーン現象は犯罪の実刑が軽くなる情状酌量の証拠として認定されている[18]。1905年には、フィリップ・レナードがレナード効果と呼ばれることになる、水が破砕されることで細かい水しぶきが負に帯電する現象を発見した。
Steffensは1910年に大気中のイオンと同じものを人工的に生成し、病気に応用し空気イオン療法がはじまった。1920年代以降に、日本の木村正一、ドイツのDessauerやソ連のTchijevskyといった研究者が、発展させていくことになる[17]。フランス、チェコスロバキア、アメリカでも展開した[19]。
1930年代には、空気イオンによる療法として、特に日本やドイツで陰イオンと陽イオンが病気にどのような影響を与えるかという研究論文が医学会誌に掲載された[18]。1937年には、西川義方[注 2]らが医学書『内科診療の実際』の治療法一覧に「大気イオン療法」を記載し、その生理作用や生成装置について記載している[4]。Aeroanionの訳語として「空気陰イオン」と記されている[4]。1938年には、北海道帝国大学医学部で空気イオンの医学的研究をしていた木村正一らが欧米の学者の説と自身の研究をまとめて『空気イオンの理論と実際』として出版し、これには国内外の治療研究の結果がさまざまに紹介されている[20]。『空気イオンの医学的研究』も出版されている[21]。慶応大学医学部の原島進を中心とした研究班のほかに、慈恵医大、日本医大、九州大学医学部でも日本での空気イオンの研究は活発となっていった[17]。
アメリカでは健康機器としてion generating device(イオン発生装置)が1950年代頃に一時流行したことがあった。しかし1960年代初頭には、イオン発生装置や副産物のオゾンに対してアメリカ食品医薬品局 (FDA) が警告を出したことにより、イオン発生装置は健康市場から制限を受けることになった[22]。結果として業者らは、空気清浄機として販売しなければならない状況になった[23]。
連綿と続く研究
第二次世界大戦はこうした研究を中断したが、1961年にはアメリカで、第1回国際空気イオン学会が開催された[19]。1960年にはモスクワ空気イオン化中央研究所の所長であったTchijevskyの研究報告書が、ソ連連邦国家計画委員会によって出版されている[17]。コロナ放電式のイオン生成機による研究であった[17]。
1976年には『サイエンス』にも掲載され、殺菌作用と、セロトニン仮説などが述べられた[24]。90年代にいたるまで研究は連綿と続くことになる[17]。
疑似科学の批判者として知られるテレンス・ハインズは、1988年発行の自著[25]の中で以下のようにコメントしている。「(要約)空気イオン (air ions) の人間行動への影響を示す研究がいくつかあるが示された効果は小さく、また被験者により正反対の効果をも示す別の研究結果もあり、さらに全く効果が見られないとする別の研究結果もある。よって実商品の応用に使うには無理だ。つまりこの「効果」を「マイナスイオン生成機」の購入正当化の理由にはできない。」
その18年後、2006年のアメリカ心理学会の発行する心理学の定点観測的な雑誌では、陰イオンによる季節性情動障害の治療研究が紹介されている[26]。
後述の文献にて、研究を総説する2010年代の論文が提示されている。
日本での大衆的なマイナスイオンブーム
1990年代後半から、マイナスイオン商品は散発的に販売されていたが、ブームのきっかけは1999年から2002年にかけて、テレビの情報バラエティ番組「発掘!あるある大事典」[注 3]がマイナスイオンの特集番組を放送したことであった[注 4]。番組ではマイナスイオンの効能が謳われ[27]、ブームに火がつき、マイナスイオンは2002年の流行語となった[6]。
2002年(平成14年)の家電量販店の店頭は一時マイナスイオン商品で溢れかえる事態となった。次に述べる。
流行の実態
マイナスイオンの健康問題を扱う一般書籍[28][29][30]やマイナスイオン商品の広告の中には、科学としてマイナスイオンによる効能を扱うものが見られる。
2003年には、家電メーカー14社中8社が自社製品による実験データありと回答した[3]。マイナスイオン商品の解説や健康本の著述の中には、「マイナスイオンが疲労回復・精神安定を始めとする様々な健康増進効果をもたらす」と主張するものがあるが、これらの効果は客観的に証明されたものではないものが多くある。実証されていなくとも、商品販売とは関係がなければ、書物の記述は医薬品医療機器等法の規制対象外であるためである。
流行が過熱した2002年(平成14年)頃には、流行に便乗して様々な「マイナスイオン商品」が発売された。同年上半期の日本経済新聞社発表のヒット商品番付では、マイナスイオン家電が小結にランクされた。エアコン・冷蔵庫といった大型で高価な家電製品、衣類・タオル・マスクなどの繊維製品、マッサージ器やドライヤーなどの健康機器・美容機器、芳香剤・消臭剤などの日用品、自動車用品、パソコン、パソコン関連製品など多岐にわたっている。また、マイナスイオンを発生させるという触れ込みの商品であっても、実際には単なる置物・装飾品・印刷物[31]であるものも存在した。何かが発生しているように見せかけるため、音や光を出す商品や説明文書を添えた商品も存在した。
景表法改正による取締り強化
2003年(平成15年)になると景品表示法が改正され、商品の表示に対しては合理的な根拠が要求されることとなった。
法施行後、大手家電メーカーはマイナスイオン家電のパンフレットから効果効能の記述を削除し、そして販売自体が中止されたマイナスイオン家電も多く出た。2003年(平成15年)、国民生活センターは、マイナスイオンを冠した商品すべてに科学的に健康効果が実証されているわけではないと報告している[32]。
2003年8月には、マイナスイオンブームの旗手であり、マスコミに頻繁に登場していた堀口昇が経営するメーカーが製造するマイナスイオン器具関係が薬事法(現・医薬品医療機器等法)違反で行政処分を受けた。その2カ月後には「電位治療器」として承認を受けたため、健康保険の対象となった[33]。堀口昇の電位治療器のほかには、医療機器のAWGがマイナスイオンを発生させる機器として、1998年に同じく違反した後に許可を得ている[34]。
2004年になると、マイナスイオン関連製品の月別発表件数は最盛期(2002年8月)の1/10以下となった[35]。
後にマイナスイオン製品の効果効能を信じる、あるいは期待する消費者はいるが、効果を実感できなかったという消費者のアンケート結果が公開されたことや、効果の究明が全く不十分と指摘する学識経験者の声が広まり、またメーカーが効果を検証していないことが明らかになるに従い、効果を疑問視する消費者も増えてきた[36]。さらに2006年11月には、東京都は科学的根拠が薄弱なマイナスイオン商品に対して、複数の業者に対し資料提出要求及び景品表示法を守るよう指導を行った(後述)。また2008年2月には、マイナスイオン等による「自動車の燃費向上グッズ」が効果無しとして、業者19社が公正取引委員会によって排除命令を受けた[37]。
青森県の八戸学院大学では、同県に所在する奥入瀬渓流の「マイナスイオン」値を測定し、マップにして配布していたが、一部研究者からの指摘を受け、自主回収することとした。
一部の大手企業は、名称を変えた商品を販売している。
注釈
- ^ この『大気電気学概論』引用箇所の執筆者はマイナスイオン研究を推進している小川俊雄である。
- ^ 元・宮内省侍医、元・東京医大教授
- ^ 後継の「発掘!あるある大事典2」は2007年1月に捏造発覚をきっかけに番組打ち切り、同年4月には同番組の制作局であった関西テレビ放送の社長が辞任した。
- ^ 番組にはマイナスイオン専門家を自称する堀口昇、山野井昇、菅原明子ら(三者ともマイナスイオン関連の著作がある)が出演していた。
- ^ この独自名称は登録商標となっているものもある。一部の大手企業では研究や検証を基に製品に表示する効果を説明している。
- ^ 気化熱で空気を冷却する例としては近年[いつ?]話題のドライミストなどがある
- ^ 一部は、大学・病院・企業のマイナスイオン研究者が効果の検証が試みた例もある。
- ^ 特開2002-095731。この名称と技術を用いているのは2009年現在シャープのみである。
- ^ ただし、医薬品医療機器等法に抵触すること(健康への効果など)は特許であっても広告に用いることはできない。
- ^ 日本生活協同組合連合会ではマイナスイオン商品に対して慎重な方針をだしているが、その中で「放射性鉱石を応用した「放射線型」の寝具などは、微量であっても被曝について慎重な見方があるために取り扱わない」としてこの種の商品の生活協同組合での取り扱いを禁止している。
- ^ 公式サイトはNPO法人日本機能性イオン協会(法人会員リスト、学術会員リスト) - この法人リストには大企業はない。
- ^ JIS本文はJIS検索 B9929、またはJIS検索にてJIS規格番号欄に[B9929]と入力して[一覧表示]をクリックすれば、JIS B9929:2006「空気中のイオン密度測定方法」の閲覧できる(印刷不可)。内容は、環境条件(温度・相対湿度・気圧・空気の清浄度・電源電圧)、測定位置・高さ、測定前の確認事項、試料採取流量及び測定回数、吹き出し流量の調整方法、およびイオン密度算出に用いられる数式、イオン密度の評価方法等を規定している。規格の附属書には、空気中イオン密度測定器に関する事項(測定原理・性能及び仕様・試験方法・校正の頻度等)、イオン発生器の除電効果評価方法、空気中イオンの発生方法、イオンの寿命とエアロゾル濃度との関係が解説されている。
- ^ JISを申請した日本機能性イオン協会では商品のイオン発生の測定と認定を行っている。しかし『イオン発生』の認定であって、効果や作用の保証するものではないと明記している認定について(日本機能性イオン協会)
- ^ 検索サイトCiNiiおよびJDreamII
- ^ 内訳は、日本機械学会/12件、日本生理人類学会/5件、空気調和・衛生工学会/4件、電子情報通信学会、日本人間工学会/各3件、その他24学会(日本運動生理学会、日本温泉気候物理医学会、日本看護学会、日本産業衛生学会、日本歯周病学会、日本体力医学会、日本放射線影響学会、日本生気象学会などの医学生理学系の学会を含む)で29件。日本機械学会には「バイオエンジニアリング部門」、電子情報通信学会には「MEとバイオサイバネティックス研究会」があり、両学会とも生体生理工学分野をカバーする。
- ^ 内訳は、玉川大、都立大(琉子)/各5件、北大(渡辺)、岡山大、新潟大、日大/各3件、その他11大学で15件。
- ^ 内訳は、パナソニック系企業/9件、病院関係/2件、その他民間研究施設/8件。
- ^ 内訳は、1959 - 1969年が9件、1870 - 1979年が3件、1980 - 1984年が12件、1985 - 1989件が10件、1990 - 1994年が5件、1995 - 1999年が10件、2000 - 2004年が8件、2005 - 2007年が6件。
- ^ その他の内訳は、CanadaとRomaniaが各3件、ItaliaとSouth Africaが各1件、未確認が18件。
- ^ 東京女子医科大学は2003年6月に日本の大学で初の統合医療実践施設を設立し、青山自然医療研究所クリニックにて統合医療(自然医療)を組織的に実践している。
出典
- ^ a b c d e 国際科学振興財団編『科学大事典第2版』丸善、2005年。(書籍情報)
- ^ a b 日本大気電気学会編『大気電気学概論』(初版)コロナ社、2003年3月、144頁。
- ^ a b c d e f 「家電メーカーの回答 リフレッシュ効果の根拠ってこれだけ?」『食品と暮らしの安全』2003年12月、No176、pp8-9。
- ^ a b c d e 西川義方『内科診療の実際』改訂第24版、南山堂、1937年。
- ^ a b c d e f g h i 安井至「マイナスイオンとサイエンス-商品化は未科学を科学にしてから」『におい・かおり環境学会誌』第34巻第6号、2003年11月、257-260頁。
- ^ a b 大賞はタマちゃん、マイナスイオンは入賞せず落選。広告景気年表:2002年 Archived 2007年9月12日, at the Wayback Machine.(電通) この年の流行語:タマちゃん、W杯、中津江村、貸し剥がし、声に出して読みたい日本語、真珠夫人、ダブル受賞、内部告発、ベッカム様、ムネオハウス、拉致、びみょー、GODZILLA(ゴジラ)、プチ整形、イケメン、食肉偽装、マイナスイオン、ワン切り、○○再生(リンク先サイトより引用)、流行語大賞 2002 年(自由国民社)
- ^ a b c 日本住宅環境医学会監修、琉子友男編集、佐々木久夫編集『空気マイナスイオン応用事典』人間と歴史社、2002年、659-706頁。ISBN 978-4890071272。
- ^ “日本機能性イオン協会”. 2014年4月12日閲覧。
- ^ a b c d 安井至「マイナスイオンはからだに良い?」『EBNURSING』Vol.4,No3,pp118-123
- ^ a b 菊池誠「「ニセ科学」入門」『物理教育』第54巻第3号、2006年9月13日、220-224頁、NAID 110007491322。
- ^ a b 日本住宅環境医学会監修、琉子友男編集、佐々木久夫編集『空気マイナスイオン応用事典』人間と歴史社、2002年。ISBN 978-4890071272。
- ^ 独立行政法人理化学研究所戎崎計算宇宙物理研究室. “リアルタイムMDシミュレーションプログラム”. 2007年9月1日閲覧。 (MD = 分子動力学)
- ^ 独立行政法人日本学術振興会総合研究連絡会議透明酸化物光・電子材料第166委員会. “創造的・革新的・学際的学問領域を創成する研究課題への推薦文”. 2007年9月1日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 通産省産業構造課『最先端技術の常識』講談社、1985年、ISBN 978-4062019965
- ^ a b 琉子友男「空気マイナスイオンの臨床および生理学的効果」『臨床環境医学 : 日本臨床環境医学会会誌』第10巻第2号、2001年12月31日、70-77頁、NAID 10029422859。
- ^ a b 西川和男、野島秀雄 (2003年). “放電プラズマにより生成したクラスターイオンを用いた気中ウィルス不活性化技術” (PDF). pp. 10-15. 2007年8月27日閲覧。 本論文では、大気イオンをクラスターイオンと表記しているが、これは大気イオンがクラスターイオンとして大気中に存在しているからである。ほぼ同内容の論文は、日本化学会の『化学と工業』56巻8号にも掲載。
- ^ a b c d e f 日本住宅環境医学会監修、琉子友男編集、佐々木久夫編集「第1章マイナスイオン研究史」『空気マイナスイオン応用事典』人間と歴史社、2002年、23-83頁。ISBN 978-4890071272。
- ^ a b c d 藤野薫・編著『マイナスイオンハンドブック』せせらぎ出版、2002年、ISBN 978-4884161095。
- ^ a b 安倍三史「空気イオンの諸問題」『公衆衛生』第28巻第6号、1964年6月、297-306頁、NAID 40017771814。
- ^ a b 木村正一、谷口正弘『空気イオンの理論と実際』南山堂、1938年。
- ^ 井上善一郎『空気イオンの医学的研究』北隆館、1946年。
- ^ Kinne, Stephen M., "A public health approach to evaluating the significance of air ions", AEROSPACE MEDICINE AND BIOLOGY, NASA SP-7011 (449), pp.10-11, 1997.(PDF書類 Archived 2006年10月3日, at the Wayback Machine.)
- ^ Air-Purifier-Power. “Ionic air purifier: "Ionic" needs clarification”. 2007年8月30日閲覧。
- ^ Krueger, A.; Reed, E. (1976). “Biological impact of small air ions”. Science 193 (4259): 1209–1213. doi:10.1126/science.959834. ISSN 0036-8075. PMID 959834.
- ^ テレンスハインズ、井山弘幸訳『ハインズ博士「超科学」をきる―真の科学とニセの科学をわけるもの』 化学同人、1995年、ISBN 978-4-7598-0275-7。(原書 "PSEUDOSCIENCE AND THE PARANORMAL A Critical Examination of the Evidence", Prometheus Books, 1988, ISBN 0-87975-419-2)
- ^ Tori DeAngelis (February 2006). “Promising new treatments for SAD”. Monitor on Psychology (American Psychological Association) 37 (2): 18 2016年7月13日閲覧。.
- ^ 安井 至 (2000年12月9日). “あるある大事典訂正 市民のための環境学ガイド”. 2007年8月27日閲覧。
- ^ 堀口昇『マイナスイオンが生命危機の時代を救う』健友館、1996年、ISBN 4773703423。
- ^ 山野井昇『マイナスイオンの健康学』サンロード、1995年、ISBN 4914986396。
- ^ 菅原明子『マイナスイオンの秘密―心を癒し健康をつくる』PHP研究所、2003年、ISBN 4569579027。
- ^ たかはし じゅんいち 『秋吉久美子写真集』 バウハウス、2003年、ISBN 978-4-89461-957-9 (ヘアヌード写真集、帯の表示は「世界初!マイナスイオンが発生する写真集」)
- ^ a b 国民生活センター (2003年9月5日). “マイナスイオンを謳った商品の実態-消費者及び事業者へのアンケート、学識経験者の意見を踏まえて-(報道発表資料)”. 2007年8月27日閲覧。
- ^ “理系白書’07:第1部 科学と非科学/4 効果未確認の「マイナスイオン」(東京朝刊)”. 毎日新聞. (2007年2月21日). オリジナルの2007年2月22日時点におけるアーカイブ。 2016年6月30日閲覧。
- ^ 俊成正樹 『「AWG」は魔術か、医術か』改訂版、2013年、五月書房、ISBN 978-4772705042。95-97・105・204-205ページ。
- ^ イオントレーディング. “マイナスイオン関連製品 月別発表件数他社製品動向~「平成16年4月度」”. 2007年8月27日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 日本消費者新聞 (2006年9月15日). “マイナスイオン商品の人体効果、半数以上が疑問視、専門家は「効果なし」と指摘”. 2007年8月27日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 自動車の燃費向上等を標ぼうする商品の製造販売業者ら19社に対する排除命令について[リンク切れ] (平成20年2月9日, 公正取引委員会) - 景品表示法第4条第2項の規定により、同条第1項第1号(優良誤認)に該当する表示。
- ^ ドライヤー/ヘアカッター | 三洋電機
- ^ 美容・健康器具:家電製品 Toshiba Living Doors
- ^ 東芝マイナスイオン除湿機 RAD-80DHX/63DHX(生産終了製品)
- ^ 日立の家電品 : イオンケア Archived 2007年12月14日, at the Wayback Machine.
- ^ HITACHI : News Release : 5/23
- ^ HITACHI : ニュースリリース : 2002年8月5日
- ^ HITACHI : ニュースリリース : 2002年8月7日
- ^ 株式会社テスコム|マイナスイオン
- ^ 『09ナノイーブック』パナソニック株式会社 アプライアンス・ウェルネス マーケティング本部、2009年9月1日
- ^ 菊池誠 (2006年11月19日). “論理: マイナスイオン”. kikulog(自身のブログ). 2007年8月27日閲覧。
- ^ 河村典彦、山内俊幸、渡部一郎「マイナスイオンが精神性発汗および脈拍に与える影響」『日本生気象学会雑誌』第35巻第3号、日本生気象学会、1999年、S67、doi:10.11227/seikisho1966.35.3_S67。
- ^ 渡部一郎、眞野行生、山内俊幸「空気中マイナスイオンがヒトのNK細胞に与える影響」『日本温泉気候物理医学会雑誌』第64巻第1号、2000年、36頁。
- ^ 「平成19年度 医薬品等広告講習会[リンク切れ]」(東京都 福祉保健局 健康安全室 薬事監視課 監視指導係, 平成19年10月10日)
- ^ 2009年度 エアコン キレイオン <SXシリーズ> 7機種を発売・詳細(ニュースリリース:シャープ)
- ^ 「プラズマクラスター」は、シャープだけ Archived 2009年10月30日, at the Wayback Machine. (SHARP)
- ^ プラズマクラスターの効果 (SHARP、2010年)
- ^ “マイナスイオン濃度上昇効果”. 2007年8月27日閲覧。[リンク切れ]
- ^ イオンQ&A(日本機能性イオン協会)
- ^ 「市民のための環境学ガイド 」のマイナスイオン
- ^ 菅原明子『カンタン空気セラピ』オークラ出版、2004年、ISBN 978-4775504192
- ^ 特許庁. “「平成17年度特許出願技術動向調査報告書 - 多機能空気調和機)date=2006-03” (PDF). 2007年8月27日閲覧。
- ^ “平成15年度特許流通支援チャート「マイナスイオン発生機」” (PDF) (2004年3月). 2007年8月27日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 科学的根拠をうたったネット広告にご注意 "「マイナスイオン商品」表示を科学的視点から検証しました" Archived 2006年12月6日, at the Wayback Machine.(東京都・生活文化局) 報道発表2006-11-27
- ^ 「マイナスイオン商品」表示を科学的視点からの検証について Archived 2006年12月17日, at the Wayback Machine.(PDF, 354KB, 14ページ)
- ^ 有泉金源「空気イオンの酵素溶液に及ぼす影響、特にアミラーゼに就いて」『北海道医学雑誌』1936年
- ^ 林藍丸「千の婦人科疾患のイオン療法成績」『産科と婦人科』1935年
- ^ 本間茂雄「陰イオン化空気浴の生体に及ぼす影響」『日本内科学会誌』1935年
- ^ 渡部一郎、眞野行生「長期マイナスイオン暴露がヒトの生理機能・免疫機能に与える影響」『日本温泉気候物理医学会雑誌』64巻3号、123-128頁、2001年。(pdf書類)
- ^ 渡部一郎、真野行生、野呂浩史「空気中のマイナスイオンが脳波に与える影響」『日本温泉気候物理医学会雑誌』第61巻第3号、日本温泉気候物理医学会、1998年5月、121-126頁、NAID 10005968142。
- ^ Steffens P.:DIe Anion-Behandlung. München, Verlag der arztlichen Rundschau Otto Gmelin, 1931
- ^ Tchijewsky: Experimentelle Unstersuchungen über den Einfluss ionisierter Luft auf die Lungentuberkulose (Ref. in Zeitschr. f.ges. phys. Therap. Bd. 39, 1930)
- ^ Tchijewsky et al.:Observations sur des malades pulmonaires traités à l'air ionisé négativement, Le Progrès Médical, No.33, 1931
- ^ Landmann:Ueber die Behandlung von Bronchialasthma mit Aeroionisation. Wien, Klin. Woschsr. 1935
- ^ Ryushi, T.; Kita, Ichirou; Sakurai, Tomonobu; Yasumatsu, Mikinobu; Isokawa, Masanori; Aihara, Yasutugu; Hama, Kotaro (1998). “The effect of exposure to negative air ions on the recovery of physiological responses after moderate endurance exercise”. International Journal of Biometeorology 41 (3): 132-136. doi:10.1007/s004840050066. ISSN 0020-7128. - 筆頭著者は琉子友男。この論文で琉子はスポーツにおけるマイナスイオンの効能を主張している。
- ^ Krueger,A.P., Smith,R.F. (1959-03). “An enzymatic basis for the acceleration of ciliary activity by negative air ions”. Nature 183 (4671): 1332-3. PMID 13657110.
- ^ Kellogg EW, Yost MG, Barthakur N, Kreuger AP (1979-08). “Superoxide involvement in the bactericidal effects of negative air ions on Staphylococcus albus”. Nature 281 (5730): 400–1. PMID 225679. - 活性酸素による殺菌の研究
- ^ Rosenthal I, Ben-Hur E (1980-12). “Superoxide involvement in negative air ion effects”. Nature 288 (5792): 739–40. PMID 6256644.
- ^ Diamond MC, Connor JR, Orenberg EK, Bissell M, Yost M, Krueger A (1980-11). “Environmental influences on serotonin and cyclic nucleotides in rat cerebral cortex”. Science (New York, N.Y.) 210 (4470): 652-4. PMID 6254145.
- ^ Fletcher LA, Gaunt LF, Beggs CB, et al. (2007). “Bactericidal action of positive and negative ions in air”. BMC Microbiology 7: 32. doi:10.1186/1471-2180-7-32. PMC 1868029. PMID 17439657 .
- ^ Buckalew LW, Rizzuto AP (1984-08). “Negative air ion effects on human performance and physiological condition”. Aviation, Space, and Environmental Medicine 55 (8): 731-4. PMID 6487210.
- ^ Dantzler BS, Martin BG, Nelson HS (1983-09). “The effect of positive and negative air ions on bronchial asthma”. Annals of Allergy 51 (3): 362-6. PMID 6351676.
- ^ Farmer EW, Bendix A (April 1982). “Geophysical variables and behavior: V. Human performance in ionized air”. Perceptual and Motor Skills 54 (2): 403-12. PMID 7079068.
- ^ 日本エアロゾル学会編著『エアロゾル用語集』京都大学学術出版会、124-125頁、2004年、ISBN 4876986347。書籍情報
- ^ “東京女子医科大学附属青山自然医療研究所クリニック (自然医療と統合医療)”. 2007年8月27日閲覧。(2007年6月現在)
- ^ 川嶋朗、班目健夫「日本初の大学における統合医療の実践」『日本補完代替医療学会誌』第2巻第1号、日本補完代替医療学会、2005年、75-79頁、doi:10.1625/jcam.2.75、NAID 130000079419。
この論文の要点は以下の4つである。1) 相補・代替医療 (CAM) の医学的検証は不足している。2) CAMには今後の医学的実証が必要である。3) CAMを用いる条件を明確に定め、西洋医学の一流医が自分の専門領域にCAMを用いるのであれば他医から批判されることは少ない。4) 「マイナスイオン療法」を含む多くのCAMは健康保険が適用されず、健康保険が適用される検査や治療もCAMと併用される場合は保険外診療としなければならない(混合診療の禁止)。 - ^ “ジーオー企画出版「マイナスイオン健康法」著者プロフィール”. 2015年9月20日閲覧。
- ^ 青木文昭『生体マイナスイオンで病気に克つ』土屋書店、2007年、ISBN 9784806908999
- ^ 青木文昭『マイナスイオンの治療効果を検証―慢性病・難病・老化・美肌』タカタイオン医学研究所、2008年、ISBN 978-4806909620
- ^ ピート・ビラック『マイナスイオンの奇跡』古川千勝監訳、さんが出版、2003年、ISBN 4-88096-045-4
- ^ Terman M, Terman JS, Ross DC (1998). “A controlled trial of timed bright light and negative air ionization for treatment of winter depression”. Archives of General Psychiatry 55 (10): 875–82. PMID 9783557.
- ^ Goel N, Terman M, Terman JS, Macchi MM, Stewart JW (2005). “Controlled trial of bright light and negative air ions for chronic depression”. Psychological Medicine 35 (7): 945–55. PMID 16045061.
- ^ Flory R, Ametepe J, Bowers B (2010). “A randomized, placebo-controlled trial of bright light and high-density negative air ions for treatment of Seasonal Affective Disorder”. Psychiatry Research 177 (1-2): 101–8. doi:10.1016/j.psychres.2008.08.011. PMID 20381162.
- ^ a b 菊池誠 (2006年2月23日). “ニセ科学入門”. 2007年8月27日閲覧。
- ^ 菊池誠 (2006年4月18日). “マイナスイオンの「未科学性」”. kikulog(自身のブログ). 2007年8月27日閲覧。
- ^ 菊池 誠 (2006年7月28日). “マイナスイオン”. kikulog(自身のブログ). 2007年8月27日閲覧。
- ^ 菊池誠 (2006年4月18日). “科学者はマイナスイオン・ブームの何に困惑させられたのか”. kikulog(自身のブログ). 2007年8月27日閲覧。
- ^ 「マイナスイオン」どこがニセ科学か Archived 2007年10月8日, at the Wayback Machine.
マイナスイオンと同じ種類の言葉
- マイナスイオンのページへのリンク