Musica Calladaとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 趣味 > ピティナ・ピアノ曲名 > Musica Calladaの意味・解説 

モンポウ:ひそやかな音楽 第1巻

英語表記/番号出版情報
モンポウひそやかな音楽 第1巻Musica Callada作曲年1959年  出版年1959年  初版出版地/出版社: Salabert 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1  Book I No.1 Angelico2分00 No Image
2  Book I No.2 Lento2分00 No Image
3  Book I No.3 Placide1分30秒 No Image
4  Book I No.4 Afflitto e penoso 3分30秒 No Image
5  Book I No.5 Quarter Note = 54 2分00 No Image
6  Book I No.6 Lento2分30秒 No Image
7  Book I No.7 Lento3分00 No Image
8  Book I No.8 Semplice1分00 No Image
9  Book I No.9 Lento3分00 No Image

作品解説

2008年8月 執筆者: 和田 真由子

1953年に母を失い、さらに友人の死をうけて、モンポウこれまで以上に内面的な音楽作曲するようになった。《ひそやかな音楽》も、その時期に作曲された作品である。スペイン語の“Musica Callada”は、《沈黙音楽》と訳されることもある。1巻付され文章の中で、詩人サン・ファン・デ・ラ・クルスの詩の“La Musica Callada, la Soledad Sonora(鳴り響く孤独沈黙する音楽)”から引用され言葉であることが記されている。
この曲集は、1959年1967年わたって作曲された。第1巻第4巻にわたり、それぞれ9曲、7曲、5曲、7曲ずつ、いずれもページ以内小曲おさめられている。実際に演奏会向けにかかれた曲集ではなく独り言のように書かれているものが多い。第4巻のみ、ラローチャに献呈された。

I.旋律は、天使の歌声のように清らかに静かに歌われる拍子小節線記されていないが、息の長さはおよそ4分音符7拍、8拍分のまとまりの中でかかれている。

II.4分の3拍子レント不協和音立体的に重ねられている。不吉な響き中ににほんの一瞬垣間見える協和音柔らかい音色印象的である。

III.4分の3拍子。穏やかで優しい右手旋律に対して左手の音が不協和ぶつけられている。緊張解決が波のように繰り返される

IV.4分の3拍子。非常に単純なリズム繰り返され和声微妙に変化していく。その中に悲しみ苦しみつまっているようだ

V.4分の3拍子終始一貫して8分音符がうちならされる。それらの執拗な音は、旋律表情あわせて音量奏する間隔微妙に変化させながら音楽支える。

VI.4分の4拍子、モルト・カンタービレ。不協和に音を連ねていく不安定な旋律は、安らぎ求めて彷徨う心の声のようにきこえてくる。

VII.4分の4拍子レント冒頭低音の深いところで左手がへ音を中心にした動きをみせ、つづいて祈るような旋律歌われていく。拍子変化が多いので、それぞれの拍子感を感じて奏する

VIII.4分の3拍子左手和音の上右手旋律左右に揺れるように歌われていく。40程度の非常に短い一曲音の動きがなくなるところでは、のばしている音の響きしっかりときくように注意する

IX.4分の4拍子レント右手音の合間をぬうようにして左手が音を落としていく。重な音の響き注意深くききながら奏する。ポコ・ピウ・モッソでは、雰囲気一変させて、高音での鋭く輝くような音が印象的である。


モンポウ:ひそやかな音楽 第2巻

英語表記/番号出版情報
モンポウひそやかな音楽 第2巻Musica Callada作曲年1962年  出版年1962年  初版出版地/出版社: Salabert 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1  Book II No.10 Lento - cantabile 1分30秒 No Image
2  Book II No.11 Allegretto1分00 No Image
3  Book II No.12 Lento3分00 No Image
4  Book II No.13 Tranquillo - très calme 2分00 No Image
5  Book II No.14 Severo - sérieux 1分30秒 No Image
6  Book II No.15 Lento - plaintif 2分00 No Image
7  Book II No.16 Calme 2分00 No Image

作品解説

2008年8月 執筆者: 和田 真由子

1953年に母を失い、さらに友人の死をうけて、モンポウこれまで以上に内面的な音楽作曲するようになった。《ひそやかな音楽》も、その時期に作曲された作品である。スペイン語の“Musica Callada”は、《沈黙音楽》と訳されることもある。1巻付され文章の中で、詩人サン・ファン・デ・ラ・クルスの詩の“La Musica Callada, la Soledad Sonora(鳴り響く孤独沈黙する音楽)”から引用され言葉であることが記されている。
この曲集は、1959年1967年わたって作曲された。第1巻第4巻にわたり、それぞれ9曲、7曲、5曲、7曲ずつ、いずれもページ以内小曲おさめられている。実際に演奏会向けにかかれた曲集ではなく独り言のように書かれているものが多い。第4巻のみ、ラローチャに献呈された。

X.4分の2拍子レントカンタービレ調性感じられない。ほとんど4分音符8分音符単純な構成で、のっそり歩むように奏される

XI.4分の2拍子アレグレット舞曲のような勢いリズムをもった曲。挿入的に奏されるレント部分は、明るさテンポの面で前後対照成している。スラーによるまとまり意識して

XII.4分の2拍子深く暗く、鐘のように響く和音印象的六連音符や、pppみられる分散和音織り成す響き幻想的美しい。

XIII.2分の2拍子トランクイロ-トレ・カルム。郷愁感じさせるような美しく穏やかな旋律、その下につけられている鐘のような和音不協和だが、暖かく響きわたる。つづくエネルジーコの部分はそんな空気一気断ち切りかき乱すような激しさ奏される

XIV.4分の2拍子、セヴェロ-セリュー。冒頭から、1つ長いフレーズに対して短い2つフレーズがこだまのように応える形で音楽つくられている。不協和ありながらff響き渡る和音は、気持ちがいいほど堂々としている。この曲ではあまりテンポを揺らさないようにしたい。

XV.4分の2拍子レント-プレンティフ。終始一貫してシンコペーションの形で続く伴奏にのせて、二つ声部問いかけるような旋律何度も繰り返される。嘆くように。

XVI.4分の2拍子カルム。6連音符循環するように繰り返され波紋のような響きつくっていく。中間部はモルト・カンタービレ・ポコ・レント。ここでは音楽を多声的にきくことに神経集中させるべきであろう最後はppppで消えるように曲を閉じる。


モンポウ:ひそやかな音楽 第3巻

英語表記/番号出版情報
モンポウひそやかな音楽 第3巻Musica Callada作曲年1965年  出版年1966年  初版出版地/出版社: Salabert 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1  Book III No.17 Lento3分00 No Image
2  Book III No.18 Luminoso 2分00 No Image
3  Book III No.19 Tranquillo 2分30秒 No Image
4  Book III No.20 Calme3分30秒 No Image
5  Book III No.21 Lento3分00 No Image

作品解説

2008年8月 執筆者: 和田 真由子

1953年に母を失い、さらに友人の死をうけて、モンポウこれまで以上に内面的な音楽作曲するようになった。《ひそやかな音楽》も、その時期に作曲された作品である。スペイン語の“Musica Callada”は、《沈黙音楽》と訳されることもある。1巻付され文章の中で、詩人サン・ファン・デ・ラ・クルスの詩の“La Musica Callada, la Soledad Sonora(鳴り響く孤独沈黙する音楽)”から引用され言葉であることが記されている。
この曲集は、1959年1967年わたって作曲された。第1巻第4巻にわたり、それぞれ9曲、7曲、5曲、7曲ずつ、いずれもページ以内小曲おさめられている。実際に演奏会向けにかかれた曲集ではなく独り言のように書かれているものが多い。第4巻のみ、ラローチャに献呈された。

XVII.4分の4拍子レント執拗に同音ならされるオクターブはじまり、重苦しい足取りで同じところを彷徨う旋律。そこに希望の光みあたらない

XVIII.4分の3拍子、ルミノーソ。光を帯びた連音符暗闇の中で何度もこだまする強弱変化に気を配ることはもちろん、音を重ねていくうえで注意深い耳が必要である。

XIX.4分の3拍子、トランクィロ。重苦しい雰囲気が続く、第三曲。細かいテンポ設定注意するバスの音を奏する際、のばしている上の和音響きにくびれができないように。

XX.4分の2拍子カルム雰囲気柔らかく穏やかだがやはり常に不安定で、心は休まらない。パーツ細切れだが、大きなまとまりの中でその部分停滞している部分なのか、進んでいる部分なのかを意識して演奏したい

XXI.4分4拍子レント静けさの中できらめく不協和低音何度もうちならされる鐘の音神秘的な4度5度和音など。音のもつ性格的には第2曲と似通ったところがあるだろう。終始重く沈んだような雰囲気貫かれている。


モンポウ:ひそやかな音楽 第4巻

英語表記/番号出版情報
モンポウひそやかな音楽 第4巻Musica Callada作曲年1967年  出版年1974年  初版出版地/出版社: Salabert 

作品概要

楽章・曲名 演奏時間 譜例
1  Book IV No.22 Molto lento e tranquillo 2分30秒 No Image
2  Book IV No.23 Calme, avec clartè 2分30秒 No Image
3  Book IV No.24 Moderato 2分00 No Image
4  Book IV No.25 Quarter Note = 100 3分00 No Image
5  Book IV No.26 Lento 3分30秒 No Image
6  Book IV No.27 Lento molto 3分30秒 No Image
7  Book IV No.28 Lento 4分30秒 No Image

作品解説

2008年8月 執筆者: 和田 真由子

1953年に母を失い、さらに友人の死をうけて、モンポウこれまで以上に内面的な音楽作曲するようになった。《ひそやかな音楽》も、その時期に作曲された作品である。スペイン語の“Musica Callada”は、《沈黙音楽》と訳されることもある。1巻付され文章の中で、詩人サン・ファン・デ・ラ・クルスの詩の“La Musica Callada, la Soledad Sonora(鳴り響く孤独沈黙する音楽)”から引用され言葉であることが記されている。
この曲集は、1959年1967年わたって作曲された。第1巻第4巻にわたり、それぞれ9曲、7曲、5曲、7曲ずつ、いずれもページ以内小曲おさめられている。実際に演奏会向けにかかれた曲集ではなく独り言のように書かれているものが多い。第4巻のみ、ラローチャに献呈された。

XXII.4分の2拍子、モルト・レント・エ・トランクィロ。悲しげ下降する左手の上を、右手同音静かにうちならされる終始小雨しとしととふりつづいているような浮かない雰囲気が曲を支配している。

XXIII.4分の2拍子、カルム・アベック・クラルテ。冒頭では上下繰り返す音の中で変わっていく音、変化していない音をそれぞれ意識して奏する。ポコ・ピウ・モッソではこれまで停滞気味だった
音楽流れ加わっている。表情豊かに

XXIV.4分の2拍子モデラート伴奏では終始一貫して8分音符刻まれているこの曲だが、旋律において、フレーズ長さ細かく変化させながら音楽展開している点に注意したい3巻からこれまで重苦しい雰囲気延々と続いていたが、この曲できかれる和声的解決部分は非常に暖かい光につつまれている。

XXV.4分の2拍子。音一つ一つ響き生かしながら色をつけていくような曲である。ペダリング指示細かく指示されているが、指遣いにおいても、少し前の音の余韻を残すようなタッチで音を響かせていくとよいだろう

XXVI.4分の2拍子レント循環するような音形で歌われる内的な一曲。この曲においても遠近法的な手法効果的に用いられている。旋律とは外れた場所で鳴りつづけている長い音符を常に同じ位置聞き続けられるように注意したい

XXVII.レント・モルト。4分の2拍子と4分の3拍子行き来するが、小節線部分的にしかかかれていない。もやがかったような雰囲気の中で、非常に繊細な音の揺れ表現しなければならず、多く集中力を必要とする。
XXVIII.4分の4拍子レント。他の小品比較して調性はっきりしており、ききやすいシンプルピュア音楽をもって最大限表現追及するモンポウ姿勢改め感じさせる。曲集すべてのしめくくりふさわしく荘厳なたたずまいをもった一曲である。




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Musica Callada」の関連用語

Musica Calladaのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Musica Calladaのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
社団法人全日本ピアノ指導者協会社団法人全日本ピアノ指導者協会
Copyright 1996-2024 PianoTeachers' National Association of Japan

©2024 GRAS Group, Inc.RSS