【F-1】(えふわん)
三菱・F-1.
1970年代に三菱重工業が開発・生産し、航空自衛隊に納入された支援戦闘機(攻撃機)。
日本が戦後初めて開発・生産した国産戦闘機でもあった。
1972(昭和47)年、第四次防衛力整備計画において開発が決定され、T-2練習機をベースとして製作されることになった。
当初の名称は「FS-T2改」となっていたが、後に「F-1」に変更された。
FS-T2改の開発のためにT-2の6、7号機が原型として使われ、搭載電子機器の試験を主にした7号機が1975(昭和50)年6月3日、性能・飛行特性・フラッターの試験を主にした6号機が同月7日に初飛行した。
機体そのものの基本的なテストは既にT-2で済んでいた事もあって、試験期間は短期間に終わり、同年内には最初の量産契約(18機)が交わされた。
そして1977(昭和52)年6月16日に量産初号機が初飛行し、同年、部隊に引き渡された。
高翼で細身の胴体に双発のターボファンを装備しているため、当時、日本がライセンス生産を検討していたフランスのSEPECAT「ジャギュア」によく似た形状をしていた。
ロールスロイス/チュルボメカからライセンス生産した石川島播磨重工(IHI)製TF40-IHI-801ターボファンエンジンを搭載し、最大水平速度はマッハ1.6を誇る。
80式空対艦誘導弾を用いた対艦攻撃を主任務としていたが、機関砲や空対空ミサイルを装備できたため、F-15JやF-4EJとともに対領空侵犯措置の任務も割り振られていた。
M61A1 20mmバルカン砲を機首左側に装備するほか、80式空対艦誘導弾、Mk.82およびJM117通常爆弾、2.75inロケット弾、5inロケット弾、90式空対空誘導弾もしくはAIM-9空対空ミサイルの運用が可能である。
1987(昭和62)年3月をもって調達は終了し、最終的には77機が生産された。
後継機F-2支援戦闘機の配備に伴い、2006(平成18)年3月9日に全機が退役した。
スペックデータ
乗員 | 1名 |
全長 | 17.85m(ピトー管含まず) |
全高 | 4.45m |
全幅 | 7.88m(翼端ランチャー含まず) |
主翼面積 | 21.2㎡ |
主翼前縁後退角 | 42.29度 |
下反角 | 9度 |
基本運用重量 | 6,550kg |
最大離陸重量 | 13,700kg |
最大兵装搭載重量 | 2,720kg |
燃料搭載量 | 胴体タンク:1,010ガロン(約3,823リットル) 増槽:220ガロン(約833リットル)×3 |
エンジン | IHI TF40-IHI-801Aターボファン(推力22.8kN(2.32t)/32.5kN(3.31t)(A/B使用時))×2基 |
最大速度 | M1.6 |
失速速度 | 117ノット(フラップと脚を下げた状態) |
航続距離 | 150海里(機内燃料のみ)/1,400海里(フェリー時、増槽×3) |
戦闘行動半径 | 150海里(要撃戦闘、AAM×2、機内燃料のみ) 190海里(対地戦闘、500ポンド爆弾×8、増槽×2) 300海里(対艦戦闘、Hi-Lo-Hi、ASM×2、増槽×1) |
荷重制限 | +7.33~3G |
実用上昇限度 | 15,240m |
固定武装 | JM61 20mmバルカン砲×1門(弾数750発) |
兵装 | 両翼端・両翼下・胴体下部のハードポイントに以下の兵装を搭載可能。 ・AIM-9 ・80式空対艦誘導弾(ASM-1) ・JM117 750lb爆弾 ・Mk.82 500lb爆弾(GCS-1装備) ・CBU-87/B クラスター爆弾 ・JLAU-3 70mmロケット弾ポッド ・LR-7 70mmロケット弾ポッド ・LR-4 127mmロケット弾ポッド |
電子機器 | J/AWG-12 火器管制レーダー J/ASQ-1 兵装投下管制コンピュータ J/ASN-1 慣性航法装置(INS) J/AWA-1 対艦ミサイル管制装置(ASM-1対応) J-APN-44 電波高度計 J/A24G-3 エアデータコンピュータ J/APR-3 レーダー警戒警報装置(RHAWS) |
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