7号機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 17:25 UTC 版)
「MOMO (ロケット)」の記事における「7号機」の解説
5号機の打ち上から間も無い2020年6月19日に、6番目の打ち上げとして同年夏の打ち上げ予定とスポンサーが発表された。ねじの専門商社であるサンコーインダストリーが命名権を得て「ねじのロケット」と名付けられた。5号機と同じTheotex Group HDがスポンサーロゴとして「CrossLink」を機体に掲載することになった。ペイロードは花キューピットによる一輪の薔薇を搭載する。5号機と同じく、無観客での打ち上げが予定されている。 7月2日に機体が公開された際に、継続スポンサー3社も追加で発表された。平和酒造の酒、サザコーヒーのコーヒー、高知工科大の超低周波音マイクが引き続き搭載される。 7月17日に、翌18日の打ち上げ予定を発表。風速の天候条件が基準を満たせなかったことで打ち上げ時間帯は何回か遅れ、結果的に7月19日16時05分に打ち上げが試みられた。しかし2つある点火器の片方で着火が遅れ、点火器の温度が基準を下回ったことからプログラムにより自動停止された。これにより打ち上げは再び延期となった。 新たな打ち上げ日は7月25日と発表されたが、やはり風速などの条件が合わずに打ち上げ時間帯は何度か遅れ、結局7月26日の午後4時半に打ち上げが試みられた。点火器の交換などの対策が施されていたものの、またしてもカウントダウンの最終段階で点火器の温度異常が検出されたため自動停止した。その後の会見によれば、打ち上げはさらに数か月レベル先での延期となった。 2021年6月1日、大幅な改良が行われたことが発表され、7号機は改良型の「MOMO v1」として打ち上げられることになった。機体は新造されており、打ち上げの信頼性を向上させ、量産化・高頻度な打ち上げに向けた改良が行われた。またZEROロケットのための技術実証も行われる。 その後、打ち上げは2021年7月3日に設定された。当初の打ち上げ予定時刻は11時だったが、上空の気候条件が基準を満たさず、最終的には16時05分から17時50分までの間の時間帯に延期されてから打ち上げられた。 宇宙空間とされる高度100キロメートルに到達し、打ち上げは成功した。国内の民間企業が単独開発したロケットが宇宙に届いたのは、2019年5月のモモ3号機に続いて2回目。3日午後5時45分に打ち上げられ、計画通り約2分間燃焼。高度約100キロメートルに到達した後、同55分に発射地点から南東約73キロメートルの太平洋に着水した。ISTの稲川貴大社長は記者会見し、「想定していた動作はすべて正常でデータを取得できたことで、ミッションは成功した」などと話した。 なお到達高度の「速報値」は99 kmだったが、MOMOはもともと到達高度100 kmを仕様としており、ほぼ狙い通りの「100 km付近」を「正常に飛行」したことでIST関係者は成功と話した。その後の記者会見では「暫定値」として「約100 km」という表現が使われた。 インターステラテクノロジズ公式Twitterより、初号機から7号機までの打ち上げ映像を1列に並べた比較動画が投稿された。初号機から5号機までは打ち上げ直後に打ち上げ地点から少し横方向にずれていた。一方7号機は唯一垂直に飛行している。これはCFTの結果から機体の特性を事前に解析し、ジンバルの角度の初期値を調整することで実現した。“MOMO初号機〜ねじのロケット(7号機)までの打上げ比較 短い動画ながらISTの歴史を感じます。”. IST (2021年7月7日). 2021年7月8日閲覧。 今回より、機載カメラの映像をリアルタイムで中継することが可能となった。
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