でんしブック‐リーダー【電子ブックリーダー】
読み方:でんしぶっくりーだー
電子ブックリーダー
「キンドル」が人気を呼んでいる理由は、使い勝手の良さと経済性にあります。A5サイズで厚さ約9ミリ、重さ292グラムと一般の単行本に比べコンパクト。液晶よりも読みやすい6インチの画面を備え、第3世代携帯電話(3G)の通信網を使って、書籍などのデータを最大1500冊取り込めます。画面はバックライト式のモニタではなく、電子ペーパーを採用しているため、目に優しく、消費電力も少ない。1回の充電で1000ページを読むことができます。また携帯電話によるデータ転送機能が内蔵され、米国内の携帯電話と同じEVDO(Evolution Data Only)ネットワークを使ってコンテンツを購入できます。このためパソコンとシンクロさせたり、Wi-Fi内蔵機器のように無線LANスポットを探したりする必要はありません。携帯電話がつながる主要都市であれば、ビルや電車の中など、どこにいてもコンテンツを購入できます。
30万冊もの書籍のほか、新聞、雑誌、マンガなども入手が可能。厚めの本でもダウンロードには1冊1分程度しかかからず、25ドルの書籍なら1ドル程度の格安価格で入手できることから、15冊も買えば本体価格(295ドル)のもとが取れる計算になります。またダウンロードする際の通信費はデジタル書籍の代金に含まれるため、別途、通信会社と契約する必要はありません。従来は米国でのみ入手が可能でしたが、今秋から日本を含む世界100ヵ国へ出荷されています。アマゾンは日本語対応版の提供も視野に入れている様子で、「すでに試作品は完成、発売は間近」との情報もあります。
電子書籍市場の本格的な立ち上がりをにらみ、今後は日本の情報機器メーカーによるキンドル追撃の動きが活発になりそうです。NECはネットワーク経由でサービスを利用できる「クラウドコンピューティング」の中核機器に位置づけ、2010年内に米国や日本で事業化を計画しています。シャープも試作品の開発を済ませ、ソニーも日本市場への再参入(注)を狙っています。出版業界もキンドルに対抗する動きを見せています。講談社や集英社など出版50社は、2010年1月から雑誌をデジタル化するための実証実験を始め、11年をめどに雑誌の内容をパソコン・携帯電話向けに有料配信できる体制を目指しています。
調査会社のインプレスR&Dによると、08年度の国内電子書籍市場は464億円で、前年度に比べ31%も拡大しています。ただし86%を携帯電話向けが占め、約4割の伸びを見せていることは見逃せない市場特性といえます。 加えてコンテンツが高価で種類が少ないことも専用端末の普及を妨げる要因になっています。日本市場で専用端末が携帯電話を凌駕(りょうが)してデファクトスタンダード(事実上の業界標準)にのし上がるには時間がかかりそうです。
注:ソニーは2004年に日本で電子ブックリーダー「リブリエ」を発売したが、07年5月撤退。米国では06年秋「リーダー」を発売。
(掲載日:2009/12/26)
電子書籍リーダー
別名:電子書籍リーダ,電子ブックリーダー,電子ブックリーダ,電子書籍ビューア,電子書籍ビューアー,電子ブックビューア,電子ブックビューアー,電子書籍ビューワ,電子書籍ビューワー,電子ブックビューワ,電子ブックビューワー,電子ブックプレーヤー,デジタルブックリーダー,Eブックリーダー,e-Bookリーダー
【英】Digital Book Reader, Digital Book Viewer, e-reader
電子書籍リーダーとは、電子書籍(電子ブック)と呼ばれるテキスト中心のデジタルコンテンツ(電子出版物)を閲覧するためのハードウェア、もしくはソフトウェアの総称である。
電子書籍リーダーを用いて電子書籍を読む方式は、印刷・出版物の文化をデジタル化するものであると言える。専用の端末を利用するタイプのものや、PDA、携帯電話などを利用するもの、あるいは、専用のソフトウェアを用いてPCで閲覧するのもなど、複数のタイプがある。また、電子書籍にはEPUBやXMDFなど複数のファイル形式があり、電子書籍リーダーによってサポートされている必要がある。
専用端末としての電子書籍リーダーは、端末の小型化や、電子ペーパーおよび電子インクの技術向上によるディスプレイの視認性の向上、コンテンツ配信チャネルの整備などが進み、北米などをはじめとして普及が進みつつある。コンテンツの入手方法も、今日では無線LANを利用してオンラインで購入し、ダウンロードする形式が多くなっている。
電子書籍リーダー専用端末の代表的な製品としては、1990年にソニーが発売した「データディスクマン」に始まり、米ソニーが販売している「ソニーリーダー」、米Amazon.comが発売した「Kindle」などがある。
参照リンク
電子ブックプレーヤー「データディスクマン」 - (ソニー製品情報)
Reader Digital Book - Sony - (英語)
Amazon Kindle - (英語)
電子書籍リーダー
(電子ブックリーダー から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/19 08:02 UTC 版)
電子書籍リーダー(でんししょせきリーダー)とは、電子書籍を閲覧するための専用端末[1]、および電子書籍データを表示する専用ソフトウェアである。電子書籍端末[1]、電子書籍ビューアー[1]、デジタルブックリーダー[1]、eブックリーダー[1]、電子ブックリーダー[2]などとも呼ばれる。英語ではこの他にeReaderという呼称もある。
注釈
出典
- ^ a b c d e "電子書籍リーダー". 小学館デジタル大辞泉. コトバンクより2024年1月2日閲覧。
- ^ "電子書籍リーダー". 講談社IT用語がわかる辞典. コトバンクより2024年1月2日閲覧。
- ^ “クリスマスの売上、電子書籍が紙の本を超える 米アマゾン・ドットコム”. AFP BB (2009年12月27日). 2012年7月18日閲覧。
- ^ 国立国会図書館-National Diet Library:電子図書館の蔵書(2004年8月20日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ IDG Japan 『MITメディアラボ、「100ドルノートPC」のプロトタイプを11月にリリースへ』 ITmedia、2005年9月29日。
- ^ 電子書籍化へ出版社が大同団結 国内市場の主導権狙い - ウェイバックマシン(2010年1月15日アーカイブ分)
- ^ 山口真弘 (2011年4月17日). “ΣBook(シグマブック)――パナソニック”. ITmedia eBook USER. 2024年1月2日閲覧。
- ^ “『新・読書端末「Words Gear」(ワーズギア)を開発』”. 松下電器 (2006年9月26日). 2012年8月14日閲覧。
- ^ 電子書籍端末売れず──ソニーと松下が事実上撤退 - ITmedia News(2008年07月01日)
- ^ ソニーもReaderの後継モデルについて言及、日本では…… - IT media eBookUSER、2014年8月6日
- ^ “BookLive!Reader Lideo保証期間外修理対応終了及び付属品の供給終了のお知らせ” 2017年7月21日閲覧。
電子ブックリーダーと同じ種類の言葉
リーダーに関連する言葉 | ニュースリーダー Eブックリーダー 電子ブックリーダー アドビリーダー 三点リーダー |
- 電子ブックリーダーのページへのリンク