解析接続とは? わかりやすく解説

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解析接続

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/19 23:20 UTC 版)

解析学において、解析接続 (かいせきせつぞく、: analytic continuation) とはリーマン球面 C 上の領域で定義された有理型関数に対して定義域の拡張を行う手法の一つ、あるいは、その拡張によって得られた関数のことである[1][2][3]


  1. ^ 神保道夫. (2003). 複素関数入門. 岩波書店.
  2. ^ Ablowitz, M. J., Fokas, A. S. (2003). Complex variables: introduction and applications. Cambridge University Press.
  3. ^ 複素解析 / ラース・ヴァレリアン・アールフォルス著 ; 笠原乾吉訳.



解析接続

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/12 15:08 UTC 版)

複素解析」の記事における「解析接続」の解説

詳細は「解析接続」を参照 正則関数重要な性質に、正則関数連結領域全体での挙動任意のより小さ領域上の挙動によって決定されてしまう(一致の定理)、というものがある。大き領域全体でのもとの関数小さ領域上に制限して考えたものの解析接続とよばれるこのような原理によってリーマンゼータ関数など、限られた領域上でしか収束しない級数によって定義されていた関数複素平面全体正則関数有理型関数として拡張することが可能になる場合によっては自然対数どのように複素平面内の単連結でない領域への解析接続が不可能なこともあるが、リーマン面よばれる曲面導入することでその上正則関数としての「解析接続」を考えることができる。

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解析接続

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/14 15:01 UTC 版)

フルヴィッツのゼータ函数」の記事における「解析接続」の解説

Re(s) ≤ 1 であればフルヴィッツのゼータ函数は、式 ζ ( s , q ) = Γ ( 1 − s ) 1 2 π i ∫ C z s1 e q z 1 − e z d z {\displaystyle \zeta (s,q)=\Gamma (1-s){\frac {1}{2\pi i}}\int _{C}{\frac {z^{s-1}e^{qz}}{1-e^{z}}}dz} で定義することができる。この積分路 (contour) C は負の実軸を回るループである。この定義は、 ζ ( s , q ) {\displaystyle \zeta (s,q)} の解析接続をもたらすフルヴィッツのゼータ函数は、s ≠ 1 である全ての複素数 s に対して定義される有理型函数へ解析接続により拡張される。また、s = 1 で、留数が 1 である単純を持つ。定数項は、 lim s → 1 [ ζ ( s , q ) − 1 s − 1 ] = − Γ ′ ( q ) Γ ( q ) = − ψ ( q ) {\displaystyle \lim _{s\to 1}\left[\zeta (s,q)-{\frac {1}{s-1}}\right]={\frac {-\Gamma '(q)}{\Gamma (q)}}=-\psi (q)} で与えられる。ここに Γ はガンマ函数であり、ψ はディガンマ函数である。

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解析接続

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 05:12 UTC 版)

正則関数」の記事における「解析接続」の解説

詳細は「解析接続」を参照 ある領域 E において定義される正則関数 h(z)与えられているとする。また、E を含む領域 D 上で定義される正則関数 f(z) で z が E に含まれるときは常に h ( z ) = f ( z ) {\displaystyle h(z)=f(z)} が成り立つならば、正則関数 f を正則関数 h の(D 上の)解析接続とよび、また h は f によって D まで解析接続可能であるという。正則関数に関する一致の定理によれば局所的に恒等的に等し正則関数は大域的に一致するため、解析接続の概念もう少し一般に二つ正則関数 h, f の定義域 E と D が共通部分 E ∩ D を持つときに h ( z ) = f ( z )  for any  z ∈ E ∩ D {\displaystyle h(z)=f(z){\mbox{ for any }}z\in E\cap D} であるならば、h および f は領域和集合 E ∪ D まで広げた領域定義される正則関数見なすことであるということもできる。つまり、ある領域における(局所的な正則関数一つ大きな(大域的な)正則関数局所的な姿であると考えることができ、解析接続は局所的な関数とその定義域の組を張り合わせて大域的な正則関数表示する方法であると捉えられるこのような立場からは、正則関数は解析接続を可能な限り施して定義域広げたものと考えて扱うのが自然である。 ここで、ある領域定義域としてそこで特定の表示を持つ正則関数に対して、その定義域超えて解析接続して得られる正則関数考えるとき、はじめの表示がもとの定義域の外でも有効であるわけではないことには注意しなければならない。たとえば、リーマンゼータ関数の値 ζ(−1) = −1/12 に対してRe(s) > 1 上で有効なゼータ関数表示 ζ ( s ) = ∑ n = 1 ∞ 1 n s = 1 − s + 2 − s + 3 − s + ⋯ + n − s + ⋯ {\displaystyle \zeta (s)=\sum _{n=1}^{\infty }{\frac {1}{n^{s}}}=1^{-s}+2^{-s}+3^{-s}+\cdots +n^{-s}+\cdots } を、s = −1 に対してむりやり適用すると − 1 12 = 1 + 2 + 3 + ⋯ + n + ⋯ {\displaystyle -{\frac {1}{12}}=1+2+3+\cdots +n+\cdots } となり(→1+2+3+4+…)、この表示が s = −1周辺有効でないことを見て取ることができる。(厳密にはこの記述方法正しくない)一方で明らかに無限大発散するはずの右辺が負の値を持つ左辺等しいという、この一見不可解な等式物理学への応用などの観点から正当化する方法が、繰り込みなどいくつか知られていて、それ自体興味深い研究対象である。 最初に与えられ正則関数を解析接続したときに、ガウス平面内の領域これ以上解析接続できないような極大単連結領域存在する場合はさほど問題起きないのであるが、一般に特異点のまわりで「おかしな振る舞い」が現れ状況複雑化するため、大域的な議論それほど単純ではない。たとえば、局所的に一価正則関数でも、大域的には多価関数となるような場面遭遇するのはこのような事情現れ一つである。二つの解析接続がいつ一致するかというのはホモトピー言葉使って述べることができ、一価性定理モノドロミー定理)などが知られている。一方局所的に成立する関数等式は解析接続によって大域的な議論移して保たれる関数関係不変法則あるいは定理)ことが知られており、特徴的な関数等式判っている Γ 関数リーマン ζ 関数などの解析接続は、しばしば関数等式用いて行われる正則関数全体は層を成すことが知られている。この立場から見れば上記局所的な正則関数正則関数である。関数関係不変法則によれば微分方程式はその正則解・解析解全体の成す層を表現していると考えることができる。つまり、適当なクラス関数作る関数空間あたえられるとき、その空間作用してある種の層を生み出す関手として微分方程式捉えられるのである

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