朝貢貿易の側面とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > 朝貢貿易の側面の意味・解説 

朝貢貿易の側面

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/06 16:54 UTC 版)

日唐貿易」の記事における「朝貢貿易の側面」の解説

この時代貿易遣唐使付随して行われる朝貢貿易朝貢対する回賜・購入)が主であったが、必ずしも民間交易船が存在しなかったことを意味するものではない。例えば、養老令関市令には外蕃対す無条件国家による先買権存在記されているからである。ただし、この規定は、都に来た外国使節との取引前提したもので、民間貿易前提したものではないという解釈もある(後述)。 ただし、唐の衛禁律には公使国家による外交使節以外の出入国禁止されており、新羅日本もその例に倣っていたと考えられている。このため海舶互市海商による民間貿易)が成立する余地がなかった。その後8世紀後半日本奈良時代後期にあたる)に唐が公使でなくても国が出した公験過所を持つ者の入出国を認めて海舶互市公認するようになった新羅程なくこの方針に倣ったが、日本だけは11世紀後半平安時代後期にあたる)まで原則改めことはなかったため、遣唐使廃止される日本人海外に出ることは原則として禁止された。一方、唐や新羅海舶互市認めたことで、日本大宰府にもこれらの商船現れるうになる日本の朝廷困惑した状況置かれることになる。前述のように日本依然として公使以外の出入国認めない海舶互市認めない方針取っていたため、海舶互市管理する機関設置することはなかった。また、延喜式』の関市令解釈大蔵省内蔵寮及びその属官関与前提としており、国家による先買権もやはり都における取引想定して海舶互市などの民間貿易否定的であったとみる見解がある。従って、実際に大宰府来航した外国商船に対して大宰府認められていた権限一つである「帰化」の規定援用した対応を取ったまた、実際に貿易統制を始まるのは9世紀入ってからであったが、それも公使である筈の渤海使が商客化したことが影響していた。 遅くて奈良時代後期には民間による貿易関係成立していたとされ、新羅渤海などを中継し貿易関係存在した考えられている。歴史上において、円仁入唐求法助けた新羅商人張保皐・金珍の存在知られ、彼らは日本新羅・唐の三国交易従事していた。また、菅原道真遣唐使廃止について上奏した「請令諸公議定遣唐使進止状」(『菅家文章』)にも在唐中の僧侶が唐の商人道真の手紙を託したことが記されている。更に今日かつての平安京からは当時唐物代表的商品である中国製陶器多数発掘されており、遣唐使減少にも関わらず平安遷都以後においても中国から大量陶器流入しており、それらの多く民間商人の手によってもたらされていたと考えられている。 実際において唐など外国からの使者商人などの来航者を乗せた船が九州到着すると、大宰府から朝廷報告出され、これに対して朝廷では大宰府命じて来航者を博多津置かれていた鴻臚館などの施設引き止めて手厚く待遇し弁官蔵人唐物使任じて寄港地派遣し、あるいはあらかじめ朝廷から送られ希望商品明細に基づいて大宰府官人直接来航者と交渉購入する形での国家による先買権行使行っていた。にも関わらず情報入手した中央の貴族家来商人命じて大宰府よりも先に来航者と接触して交易を行う例がしばしば見られた。朝廷はこうした振る舞い国家先買権犯すものとして禁令出したが、禁令制定する貴族唐物対す欲求からこうした違反行為行った例が多かったために効果乏しかった。やがて、博多津などを中心とする九州北部沿岸に唐や新羅商人による交易場形成されるようになっていった。また、大宰府官人など取り締まる側もこうした交易参画するようになった例えば、張保皐接触持っていた筑前守文室宮田麻呂代表的な例と言える遣唐使などの記録を見ると、日本より唐に対しては銀や織物、糸や布が輸出され、唐より織物香料薬品仏具経典書籍など輸入されたことが知られ、更にシルクロード経由した西域商品もあった。日本輸出した唐物一端東大寺正倉院宝物や『日本国見在書目録』から推定可能である。

※この「朝貢貿易の側面」の解説は、「日唐貿易」の解説の一部です。
「朝貢貿易の側面」を含む「日唐貿易」の記事については、「日唐貿易」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「朝貢貿易の側面」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「朝貢貿易の側面」の関連用語

1
12% |||||

朝貢貿易の側面のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



朝貢貿易の側面のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日唐貿易 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS