新仁義なき戦いシリーズとは? わかりやすく解説

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新仁義なき戦いシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 16:36 UTC 版)

仁義なき戦い」の記事における「新仁義なき戦いシリーズ」の解説

『新仁義なき戦いシリーズ』と銘打たれているが、前五作とはほとんど関連性はなく、会社が「このタイトル出しゃあ客が入るぞ」という理由付けられたもの。本シリーズになってからの特徴一つに〈女〉が前面出てきたことが挙げられる新シリーズ始まった1974年洋画人口邦画人口上回り女性客が急増してきたという時代流れ実録路線が続くにつれてネタがだんだんなくなり、題材として扱えない現在進行形事件多くなる中、何かと差し障りのある抗争事件より女絡み世話話や濡れ場増やそう考えたことなどの理由があるが、何より新シリーズになって脚本家高田宏治に変わることで、その傾向助長された。『仁義なき戦い 完結篇』で笠原から脚本交代した高田は、「何でここまで言われなあかんのや」と呆れ果てる程、笠原比較批判容赦なく受けたシリーズ五部作の後の新シリーズ1本目新仁義なき戦い』は、前の五部作焼直し広島舞台にしていたが、『新仁義なき戦い 組長の首』は、脚本佐治乾田中陽造当初考えていたプロットは、「広島山守組の元幹部が、預かった客分不始末買って出刑務所暮らしからの下関落ち」という『仁義なき戦い 完結篇四部作受けての〈外伝〉となる予定だった。ところが高田脚本入った決定稿で、四部作からスピンアウトした設定全て消してしまい、舞台北九州変更して主人公広島抗争とは縁もゆかりもないただの流れ者変えてしまった。但し、周り九州弁なのに主人公菅原広島弁を喋る。高田四部作との臍の緒断ち切り新仁義なき戦い 組長の首』は、『仁義なき戦い』とは名ばかりの、五部作はまった関連性もない「純粋アクション映画」にしてしまった。続く『新仁義なき戦い 組長最後の日』は最初から高田脚本委ねられたが、本作も『新仁義なき戦い 組長の首』同様、実録ではなくモデルのいないフィクションであった。高田四部作笠原があまり表に出さなかった〈女〉を笠原へのアンチテーゼとして前面出した。これは後に高田脚本手掛けた鬼龍院花子の生涯』や『極道の妻たちシリーズ』などの「東映やくざ女性映画」に繋がっていく。『新仁義なき戦い 組長の首』では、ヤクザ映画には珍しい山崎努が麻薬中毒破滅的な男に扮している他、前シリーズ山守組長役の候補だった西村晃出演。「ウルトラセブン」のアンヌ隊員役で知られるひし美ゆり子が、抱いた男がすべて死ぬという「下がりボンボン」と呼ばれるホステス役で出演している。この他関本郁夫率い第二班撮影カーチェイス迫力話題呼び深作の『暴走パニック 大激突』(1976年)や中島貞夫監督の『狂った野獣』(1976年)と、東映カーアクション路線というべき作品生まれた深作ジョン・ブアマン監督の『殺しの分け前/ポイント・ブランク』(1967年)が好きで同作イメージした話している。 前述のように『新仁義なき戦い』が四部作焼直しで、『新仁義なき戦い 組長の首』と『新仁義なき戦い 組長最後の日』はフィクションであるため実録シリーズいえないが、同シリーズには最終作として製作を予定されていた映画があった。それが『北陸代理戦争』で、本作映画の製作原因モデルとなったやくざを刺激して映画と全く同じシチュエーション実際にモデルとなった組長殺害されるという(三国事件)「実録シリーズ」の最たる映画となった五部作実録過去映像化したものであったが『北陸代理戦争』は、現実同時進行させた。本作が同シリーズ主演していた菅原文太病気のため降板して主演松方弘樹に代わったのため「新シリーズ」に入れられてない。菅原病気降板表向き理由で、実際は『トラック野郎シリーズ』で主演していた菅原やくざ映画続けるのを嫌がったといわれる深作は「彼(菅原)も飽き飽きしていたんじないですか」と回顧している。本作現在進行中の抗争映画化したことで福井県警から干渉受けたり大雪撮影難航したり、主役、準主役交替など撮影時から多くトラブルにも見舞われたが、飛び交う雑音無視して岡田社長が「こういう生々しいのはええ」と製作を推し進めさせたといわれる。しかし『仁義なき戦い』というネームバリュー外されたこと、興行力のある菅原降板したこと、客層変化したことなどの理由配収が2億円に届かない記録的な不入りとなった深作は『北陸代理戦争』を機に実録路線切り上げたといわれており、実録ヤクザ映画からの脱皮第一作空手拳法アクション卒業しようとしていた千葉真一主演据えた映画『ドーベルマン刑事』で、千葉深作1966年の日本台湾合作映画カミカゼ野郎 真昼の決斗以来11年ぶりにタッグ組み新しアクション映画挑むこととなる。 2013年3月21日発売されブルーレイボックスボーナスディスクとして収録されている『総集篇』は、1980年4月変則システム劇場公開されている(『ミスターどん兵衛#興行』)。第二部第五部はほとんど使われず、第一部第三部第四部構成されているが、深作はつなぎまでやったところで『復活の日』南極ロケ出発しダビングチーフ助監督土橋享に頼んだこのため深作出来上がり見ておらず、また深作多作でもあるため本作記憶が薄いようで、2003年山根貞男とのインタビュー本作を「二時間半程度ダイジェスト」と勘違いしている。本作三時四十四分の長尺である。 『仁義なき戦い 完結篇』と「新仁義なき戦いシリーズ」一作目の『新仁義なき戦い』の間に深作演出担当したのが、日本テレビ系テレビドラマ傷だらけの天使」の第一話と四話。深作企画参加する暇がなく「ショーケンこういうやりたいんだけど」と言われ参加した。既に有名なタイトルバックオープニング映像)と二話分を恩地日出夫撮影していたが、放映では前後して深作演出した二話分が第一話と四話になった萩原健一深作に会うなり「何で僕は『仁義なき戦い』の出られなかったのか」「僕があそこに出てなかったのは自分でも信じられない」と話していたと言い撮影スムーズに進んだという。深作がこの「傷だらけの天使」で初め木村大作カメラマン組んだが、木村も『仁義なき戦い』を観ていたから、手持ちキャメラでも負けないと、オートバイ乗ってキャメラ担いだという。この第一話萩原扮する木暮修が古美術屋に強盗用のモデルガン借りに来るシーンがあるが、その店の店主金子信雄広島弁を喋る『仁義なき戦い』の山守親分のようなキャラクター登場する萩原もごもごと「このオジさんむかし広島ヤクザ親分だったから」などと言うシーンがある。「仁義なき戦いシリーズ撮影中が縁でのカメオ出演思われる

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