感染型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/09 14:14 UTC 版)
感染により体内増殖した細菌が病原性をもつことにより発症する。 腸炎ビブリオ - 夏期の未加熱魚介類、刺身、シラスなどから感染することが多い。調理器具などを介した2次汚染で他の食品が食中毒の原因になることもある。海水の常在菌で、食塩濃度0.5〜10%で生育。塩分のない水道水などでは生存できない。海水温度が高いほど菌密度が高くなる。発生ピークは6〜10月。 サルモネラ属菌(腸チフス・パラチフスは除く) - 内臓肉、鶏卵、鶏肉、特に夏期の自家製マヨネーズ、アイスクリームから感染することが多い。 カンピロバクター、カンピロバクター症 - 牛・豚・鶏肉、鶏卵、生乳、牛刺し、レバ刺し、馬刺し、生ユッケ。家畜・家禽類の常在菌であるため、その生食にリスクがある。特に鶏肉の加熱不十分が原因となることが多い。潜伏期間が2〜11日と長い。近年、鶏肉の生食と関連するギラン・バレー症候群が注目されている。特に予後不良例が多いことが報告され、焼き鳥のレアを回避するよう注意喚起がなされている。 病原性大腸菌 - 原因食品の傾向をつかみにくい。病原性を呈する大腸菌群全体を示す。腸内での増殖、毒素産生をもつことから中間型に分類する諸家もいる。腸管出血性大腸菌O157(感染症法3類)がきわめて有名だが、感染症扱い。また、感染症にひきつづくベロ毒素(O111、O26ほか)による合併症TTP[要曖昧さ回避]、溶血性尿毒症症候群(HUS)も、用語としては一般的に「食中毒」として取り扱わない。接触感染することから、二次感染症との識別がきわめて難しい。詳細は「大腸菌」を参照 リステリア属菌 - 食肉加工食品、生乳製品。潜伏期間は平均すると数十時間とされているが、患者の健康状態、摂取菌量、菌株の種類の違いにより発症するまでの期間は大きく左右されると考えられるため、その幅は数時間から数週間と長く、原因食品の特定が困難な場合もある。主に胃腸炎症状、まれにインフルエンザ様症状。重篤な場合、脳脊髄膜炎などの神経系統症状。母子垂直感染による流産。
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