奴隷貿易時代とは? わかりやすく解説

奴隷貿易時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 22:06 UTC 版)

アフリカ史」の記事における「奴隷貿易時代」の解説

ヨーロッパ大航海時代到来しポルトガル人をはじめとしたヨーロッパ各国人々西海岸南下しはじめた15世紀末頃からアフリカヨーロッパ各国との本格的な交流始まった沿岸支配者首長から土地借り受け交易許可取り付けたヨーロッパ商人たち交易のための基地多数建設し始める。とりわけ有名なのが1482年黄金海岸ポルトガル人によって建設されエルミナ城(サンジョルジュ・ダ・ミナ)である。 16世紀までヨーロッパからもたらされる加工品西アフリカ産物(金や象牙)などの交易平和裏行われ友好な関係が築かれた。しかし、ヨーロッパ各国西インド諸島アメリカ大陸ヨーロッパ市場向けた大規模な農場経営乗り出すと、大量労働資源確保必要性駆られ始める。アメリカ大陸などの現地住民には限りがあり、そこで代替案として浮上してきたのが、アフリカから奴隷移入するということであった大西洋を横断する奴隷貿易最初に着手しはじめたのはスペインで、1513年スペイン王室初め奴隷供給契約許可証発行した許可証を手にしたスペイン商人新大陸から砂糖持ち帰る1518年初めて「商品」として奴隷積み込みアフリカ西海岸発った。 彼らは三角貿易呼ばれる航海サイクル莫大な利益を手にしていく。まずヨーロッパで工業品積み込んだ商船アフリカ西海岸でそれらの品を奴隷変え、その奴隷西インド諸島アメリカ大陸供給し、そこで砂糖タバコなどの商品積み込みヨーロッパへ帰港する。この1年から2年サイクルでの交易繰り返し行っていた。奴隷貿易時代に大西洋渡ったアフリカ人奴隷の数は1200万人から2000万人と言われている。 アフリカ西海岸から新大陸に至る約40日から70日の奴隷運搬過酷極め航海中の奴隷死亡率は8%から25%上るとされ、平均して6人に1人死亡したとなっている。全裸で鎖に繋がれ奴隷剃毛(ていもう)され、会社刻印焼き付けられ船倉詰め込まれる食事1日2回で、少量とともに与えられるだけであった不潔な船内ではマラリア天然痘赤痢などの感染症はびこることも多々あり、病気かかった奴隷生きたまま船外投げ捨てられた。 奴隷需要はとどまるところを知らず17世紀後半にはアフリカ大陸内で奴隷獲得のために戦争頻繁に行われるようになったまた、人さらい横行し、その被害受けた者も多数のぼった奴隷貿易によって大量労働力失ったアフリカの諸都市急激に力を弱めヨーロッパによる略奪支配横行するうになるまた、ヨーロッパ製品大量に氾濫し現地工芸産業停滞して開発化が進んだこのような状況先進国からの目で「自立不可能」との評価つながり、後の大規模な植民地化へと繋がっていくことになったまた、アフリカ人対す差別主義深く根付き当時アフリカ滞在したヨーロッパ人日誌記録元にそれらの思想哲学者生物学者の手によって、学問組み込まれていった植物学者カール・フォン・リンネ人類ホモ・サピエンスとホモ・モンストロススに区別し当時における「科学的な人種概念」の形成寄与したまた、モンテスキューなどの哲学者も「極めて英明な存在である神がこのような漆黒肉体善良なる魂を宿らせたという考え同調する事はできない」(『法の精神』より)と語るなど、庶民アフリカ野蛮という認識植え付けていった。 しかし、19世紀に入るとヨーロッパ諸国手のひら返したようにアフリカ対す接触仕方変化させた。産業革命迎え人格拘束する奴隷制次第時代遅れになり、自らの意思労働力切り売りする労働者求められる時代へと変革していったからである。 ヨーロッパ都合激化した奴隷貿易ヨーロッパ都合により次第終息しアフリカ人不在のまま、植民地化の時代へと突入していくこととなった

※この「奴隷貿易時代」の解説は、「アフリカ史」の解説の一部です。
「奴隷貿易時代」を含む「アフリカ史」の記事については、「アフリカ史」の概要を参照ください。

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