だっ‐かく【奪格】
奪格
奪格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:24 UTC 版)
奪格を単独で用いると、「手段・道具」を表す。 rēgibus exāctīs 「追放された王とともに」(=王が追放された後で) gladiō sē transfīgit 「彼は剣で自害した」 奪格支配の前置詞とともに用いる。「~から」「~とともに」「~の中で」など。 ūnus ē rēgibus 「王たちのうちの一人」 cum rēgibus 「王たちと一緒に」 ā rēgibus 「王たちから」 prō rēge 「王のために」 時間・場所を表す。 eō tempore 「当時」「そのとき」 hōc locō 「この場所で」 paucīs diēbus 「数日のうちに」「数日経ったら」 奪格単独で、場所の名詞とともに用いられて「~から」(起点)を表す。 Rōmā profectus est 「彼はローマから旅立った」 locō ille mōtus est 「彼は職から異動させられた」
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奪格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:27 UTC 版)
奪格はラテン語の格のうちで最も使用範囲が広く、柔軟性の高い格である。奪格は、インド・ヨーロッパ祖語に存在したとされる離格(separative)、具格(instrumental)、地格(locative)の3つの格が合流して一つになったものである。 場所の奪格(place ablative): 行為がどこから始まったか、どこで行われたかを表す(注意:対格は、行為がどこへ向かって行われるかを表す) Hannibal, fīlius Hamilcaris, Carthāgine nātus est. 「ハミルカルの息子、ハンニバルはカルタゴで生まれた」。 Ex Graeciā ad Ītaliam nāvigāvērunt. 「彼らはギリシャからイタリアへ航海した」。 分離の奪格(separation ablative): 物理的に分離する(分離させる)ことを表す。 Cicerō hostēs ab urbe prohibuit. 「キケロは(敵の)軍勢を町から遠ざけた」。 道具の奪格(instrumental ablative): 行為が行われる手段・道具を表す。 Mārcus pēde vexābat Corneliam quae dormīre volebat. 「マルクスは、眠りたがっているコルネリアを足で邪魔した」。 方法の奪格(manner ablative): 行為がどのように行われるかを表す。 Allobroges crebris ad Rhodanum dispositis praesidiīs cum magna cūrā et dīligentiā suōs finās tuentur. 「アロブロゲス族の人々は、ローヌ川に衛兵を配置し、警戒しながら怠りなく彼らの辺境線を防御した」。 時間の奪格(time ablative): 行為が行われる時間を表す。 Nē quis tamen īgnōrāret, quibus in locīs Caesar exercitusque eō tempore fuissent [...] 「カエサルとその軍勢が当時、どこにいたかを誰も知らなかったので[...]」 絶対的奪格(absolute ablative): 行為が行われる状況を表す。 Urbe captā, Aenēas fugit 「町が陥落すれば、アエネアスは逃げる」。 同伴の奪格(accompanying ablative): 前置詞cum(英with)を付けて、行為が誰と一緒に行われたかを表す。 Egō et Iūlia cum nostris amīcis de amīcitia dicebamus. 「ユーリアと私は友情について友人たちと話していた」。 抽出の奪格(separation ablative): 全体のうちの幾つか(何人か)を言うとき、全体の母体が何であるか、どの母体から選別・抽出された数であるか、を表す。前置詞ē/ex (英from)を付ける。 Centum ex viris mortem dice timēbant et nihil clementiae exspectābant. 「私たちの住民のうち百人は長い間、死を恐れており、誰も温情は期待していなかった」。 行為者の奪格(agent ablative): 受動態の文で行為者を表す(英語の受動態文のby)。行為者が人間の場合には、前置詞ā/ab (英 by)を付ける。 Atticus adoptātus est ā Caeciliō. 「アティクスはカエキリウスに養子に迎えられた」。 Populus mīlitiā atque inopiā urgēbātur. 「人々は軍隊と貧困で圧迫されていた」。 比較の奪格(comparison ablative): 比較の対象相手(英語の比較文のthan以下)が奪格になる。 Vīlius argentum est aurō, virtūtibus aurum. 「銀は金より安く、金は美徳より安い」。 原因の奪格(cause ablative): 行為の原因・理由を表す。 Clāmāre gaudiō coepit. 「喜びのあまり、彼は叫び始めた」。 差異の程度の奪格(difference degree ablative): 二つかそれ以上の事物を比較するとき、その相違の程度を表す。 Puella multō prudentior est puerō. 「その少女はその少年よりもずっと分別がある」。 描写の奪格(description ablative): 「描写の属格」に類似している。名詞の性質を表す。 Philosophus magnā sapientiā. 「大変賢い哲学者」(文字通りには「大変な賢明さを持つ哲学者」) 特定の奪格(specification ablative): ある事物を説明するときに、話の焦点を絞って限定する。 Corpore senex esse poterit, animō numquam erit. 「彼は肉体は年老いるかもしれないが、精神は決して老いないだろう」。 価値の奪格(price ablative): 「価値の属格」に類似している。事物の価値・価格を表す。 Antōnius rienda addixit pecūniā. 「アントニウスは王冠を金銭で売った」。
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奪格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/30 09:49 UTC 版)
奪格は出来事が生じた起源を表す。「…から」に相当する。名詞としてだけではなく、後置詞句や場所の副詞のような機能も持つ。奪格形は以下のように作られる。
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