奪格とは? わかりやすく解説

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だっ‐かく【奪格】

読み方:だっかく

ablativeインド‐ヨーロッパ語などにおける文法用語で、格の一。動作出自(…から)・手段(…によって)・原因(…のために)などの関係を表す。ラテン文法由来する用語。従格。


奪格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/05/11 20:55 UTC 版)

奪格(だっかく、: ablative case)は、名詞の一つで、主に起点・分離(~から)を示す。従格離格ともいう。着点を表す格である向格と対になる。




  1. ^ 高津(1954) pp.208-209
  2. ^ 高津(1954) p.213
  3. ^ Hoenigswald, Woodard, Clackson (2004) p.543
  4. ^ Palmer (1988) pp.240-246


「奪格」の続きの解説一覧

奪格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:24 UTC 版)

ラテン語の文法」の記事における「奪格」の解説

奪格を単独用いると、「手段道具」を表す。 rēgibus exāctīs 「追放された王とともに」(=王が追放され後で) gladiō sē transfīgit 「彼は剣で自害した」 奪格支配前置詞とともに用いる。「~から」「~とともに」「~の中で」など。 ūnus ē rēgibus 「王たちのうちの一人cum rēgibus 「王たちと一緒に」 ā rēgibus 「王たちからprō rēge 「王のために」 時間・場所を表す。 eō tempore 「当時」「そのとき」 hōc locō 「この場所で」 paucīs diēbus数日のうちに」「数日経ったら」 奪格単独で、場所の名詞とともに用いられて「~から」(起点)を表す。 Rōmā profectus est 「彼はローマから旅立ったlocō ille mōtus est 「彼は職から異動させられた」

※この「奪格」の解説は、「ラテン語の文法」の解説の一部です。
「奪格」を含む「ラテン語の文法」の記事については、「ラテン語の文法」の概要を参照ください。


奪格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/31 18:27 UTC 版)

ラテン語の格変化」の記事における「奪格」の解説

奪格はラテン語の格のうちで最も使用範囲広く柔軟性の高い格である。奪格は、インド・ヨーロッパ祖語存在したとされる離格(separative)、具格(instrumental)、地格(locative)の3つの格が合流して一つになったのである。 場所の奪格(place ablative): 行為がどこから始まったか、どこで行われたかを表す(注意対格は、行為がどこへ向かって行われるかを表す) Hannibal, fīlius Hamilcaris, Carthāgine nātus est. 「ハミルカル息子ハンニバルカルタゴ生まれた」。 Ex Graeciā ad Ītaliam nāvigāvērunt. 「彼らはギリシャからイタリアへ航海した」。 分離の奪格(separation ablative): 物理的に分離する分離させる)ことを表す。 Cicerō hostēs ab urbe prohibuit. 「キケロは(敵の)軍勢を町から遠ざけた」。 道具の奪格(instrumental ablative): 行為が行われる手段道具を表す。 Mārcus pēde vexābat Corneliam quae dormīre volebat. 「マルクスは、眠りたがっているコルネリアを足で邪魔した」。 方法の奪格(manner ablative): 行為どのように行われるかを表す。 Allobroges crebris ad Rhodanum dispositis praesidiīs cum magna cūrā et dīligentiā suōs finās tuentur. 「アロブロゲス族の人々は、ローヌ川衛兵配置し警戒しながら怠りなく彼らの辺境線を防御した」。 時間の奪格(time ablative): 行為が行われる時間を表す。 quis tamen īgnōrāret, quibus in locīs Caesar exercitusque eō tempore fuissent [...] 「カエサルとその軍勢当時、どこにいたかを誰も知らなかったので[...]」 絶対的奪格(absolute ablative): 行為が行われる状況を表す。 Urbe captā, Aenēas fugit 「町が陥落すれば、アエネアス逃げる」。 同伴の奪格(accompanying ablative): 前置詞cum(英with)を付けて行為が誰と一緒に行われたかを表す。 Egō et Iūlia cum nostris amīcis de amīcitia dicebamus. 「ユーリアと私は友情について友人たち話していた」。 抽出の奪格(separation ablative): 全体のうちの幾つか何人か)を言うとき、全体母体が何であるか、どの母体から選別抽出された数であるか、を表す。前置詞ē/ex (英from)を付ける。 Centum ex viris mortem dice timēbant et nihil clementiae exspectābant. 「私たち住民のうち百人長い間、死を恐れており、誰も温情期待していなかった」。 行為者の奪格(agent ablative): 受動態の文で行為者を表す(英語の受動態文のby)。行為者人間の場合には、前置詞ā/ab (英 by)を付ける。 Atticus adoptātus est ā Caeciliō. 「アティクスはカエキリウスに養子迎えられた」。 Populus mīlitiā atque inopiā urgēbātur. 「人々軍隊貧困圧迫されていた」。 比較の奪格(comparison ablative): 比較対象相手(英語の比較文のthan以下)が奪格になる。 Vīlius argentum est aurō, virtūtibus aurum. 「銀は金より安く、金は美徳より安い」。 原因の奪格(cause ablative): 行為原因理由を表す。 Clāmāre gaudiō coepit. 「喜びのあまり、彼は叫び始めた」。 差異程度の奪格(difference degree ablative): 二つそれ以上事物比較するとき、その相違程度を表す。 Puella multō prudentior est puerō. 「その少女はその少年よりもずっと分別がある」。 描写の奪格(description ablative): 「描写属格」に類似している。名詞性質を表す。 Philosophus magnā sapientiā. 「大変賢い哲学者」(文字通りには「大変な賢明さを持つ哲学者」) 特定の奪格(specification ablative): ある事物説明するときに、話の焦点を絞って限定する。 Corpore senex esse poterit, animō numquam erit. 「彼は肉体年老いるかもしれないが、精神決し老いいだろう」。 価値の奪格(price ablative): 「価値属格」に類似している。事物価値価格を表す。 Antōnius rienda addixit pecūniā. 「アントニウス王冠金銭売った」。

※この「奪格」の解説は、「ラテン語の格変化」の解説の一部です。
「奪格」を含む「ラテン語の格変化」の記事については、「ラテン語の格変化」の概要を参照ください。


奪格

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/30 09:49 UTC 版)

オロモ語」の記事における「奪格」の解説

奪格は出来事生じた起源を表す。「…から」に相当する名詞としてだけではなく後置詞句や場所の副詞のような機能も持つ。奪格形は以下のように作られる

※この「奪格」の解説は、「オロモ語」の解説の一部です。
「奪格」を含む「オロモ語」の記事については、「オロモ語」の概要を参照ください。

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奪格

出典:『Wiktionary』 (2018/07/05 14:05 UTC 版)

名詞

だっかく

  1. 名詞代名詞形容詞における一つで、「~から起点分離)」の意等を表わす

類義語

翻訳


「奪格」の例文・使い方・用例・文例

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