奈良線 旧生駒トンネルとは? わかりやすく解説

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奈良線 旧生駒トンネル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/22 06:25 UTC 版)

生駒トンネル」の記事における「奈良線 旧生駒トンネル」の解説

奈良線の旧生駒トンネル1914年大正3年)に、近畿日本鉄道近鉄)の前身である大阪電気軌道大軌)により開通した開通当時中央本線笹子トンネル(4,656m)に次いで日本2番目の長さであり、また日本初標準軌複線トンネルであった。 現・奈良線生駒山越えルートは、計画段階では以下の4案があった。 暗峠沿いに線路敷設し、「鋼鋼(こうこう)線釣瓶(つるべ)式」と称されケーブル式を採用する生駒山地を北に向かい北河内郡四條村(現:大東市)で山嶺越え、さらに南進して斜めに東麓下り生駒谷を渡って富雄村丘陵経過する約16.0km。 生駒山西麓善根寺谷で約2.2kmのトンネル掘削し東麓出て斜めに生駒谷を下り富雄村丘陵経過する約14.5km。 実際採用ルート 1.は、線路車体等特殊の設備を必要とし、平坦部との連絡で、乗客に不快・不便を与える。2.3.は遠回りルートであるなどの問題がある。結果的に勾配緩く運転時間短く競合敷設余地排除できる4.が選定された。1910年明治43年11月21日大軌役員会最終決定された。 生駒トンネル当時の名称は「生駒隧道」)は、1911年明治44年6月1日掘削工事着手し同月19日大林組正式に請負契約締結した当初手掘り開始されたが、その後送電設備完成し削岩機導入された。作業員には、鉱山掘削経験者など精鋭集め、その中には朝鮮半島出身者含まれていた。 1913年大正2年1月26日発生した落盤事故では約150人が生き埋めとなり、19人の犠牲者出た。この犠牲者は、日本鉄道霊社奈良市)に合祀され、慰霊祭毎年実施されている。その後地質変化湧水悩まされるなど、苦難の連続だったが、1914年大正3年1月31日に、東西導坑貫通し4月18日にはトンネル竣工した大軌営業開始4月30日である。生駒隧道掘削工事2年10ヵ月の期間と、総額269万円建設費要した当時大軌社長である岩下清周は、「最初にウンと金をかけて完全なものを建設ねばならぬ。之れが為三百万円の会社六百万円の金を費(つか)った処(ところ)で、夫(そ)れは敢えて問題でない。要は後日に悔を残さぬことである」と述べたといわれる工費支払い利用不振から、大軌は同トンネル開通後しばらく社員給料支払い切符印刷費にも事欠くほど経営が行詰まり取締役支配人金森又一郎生駒山にある宝山寺賽銭借り行った。また建設した大林組も、大軌による建設費支払い遅延から一時経営危機陥った。しかし、そのような状況にもかかわらず大林組手抜きをせず最高の資材使って工事進め検査に来た監理局員がその質の高さに驚かされたというエピソード残っている。 1946年昭和21年4月16日トンネル内で発生した車両火災では23名が死亡し75名が負傷、翌1947年昭和22年)に再び発生した火災では約40名が負傷した。 さらに1948年昭和23年3月31日には、トンネル内を走行中だった急行列車空気ブレーキ直通ブレーキ)が破損して大阪平野に向かう下り勾配暴走河内花園駅先行普通列車追突し49名が死亡282名が負傷する事故発生した近鉄奈良線列車暴走追突事故)。 1964年昭和39年)に南側並行して新生駒トンネル開通し旧トンネル使用されなくなった旧トンネルは、使用停止後も新生駒トンネルけいはんな線生駒トンネルとの交通があり、また高圧電流の通る電力設備設置されている。このため旧トンネル部外者立入禁止され大阪坑口近鉄により厳重に管理されている。近鉄主催創業100周年記念産業遺産ツアー等一般に公開された事が数回ある。

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