固有値分解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/08/01 06:31 UTC 版)
固有値分解
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 08:25 UTC 版)
詳細は「固有値分解」を参照 スペクトル分解(英語版)とも呼ばれる。 適用:相異なる固有ベクトルを持つ正方行列 A(固有値は同じものがあってもよい)。 分解:A = VDV−1、 ただし D は A の固有値からなる対角行列で,V の行は対応する A の固有ベクトル。 存在:n × n 行列 A はつねに(重複を込めて) n 個の固有値を持ち、それらを並べて n × n の対角行列 D と対応する零でない行の行列 V を作ることができ、固有値方程式 AV = VD を満たす。n 個の固有ベクトルが相異なるとき、V は可逆であり、分解 A = VDV−1 ができる。 コメント:固有ベクトルの長さが 1 であるように正規化することがいつでもできる。A が実対称行列であれば、V はいつでも可逆であり正規化された列を持つようにできる。すると等式 VtV = I が成り立つ、なぜならば各固有ベクトルは互いに直交するからである。したがって、分解は A = VDtV となる。 コメント:n 個の相異なる固有値をもつという条件は十分ではあるが必要ではない。必要十分条件は各固有値の幾何学的重複度がその代数的重複度に等しいことである。 コメント:固有分解は線型常微分方程式系あるいは線型差分方程式系の解の理解に有用である。例えば,初期条件 x0 = c から始まる差分方程式 xk + 1 = Axk は xk = kAc によって解かれ、これは xk = VDkV−1c に同値であり、ここで V と D は A の固有ベクトルと固有値から作られる行列である。D は対角行列だから、冪 Dk は単に各対角成分を k 乗するだけである。A は普通対角でないから A を k 乗するよりもはるかに容易である。
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