正規直交系とは? わかりやすく解説

正規直交系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/11 14:43 UTC 版)

線型代数学並びに関数解析学における正規直交系(せいきちょっこうけい、: orthonormal systemONS)は互いに直交しかつそのノルムが1に規格化されたベクトルの集まりである。


  1. ^ 有限次元の内積空間においては、次元と等しい個数からなる完全正規直交系が存在する



正規直交系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/05 08:00 UTC 版)

直交多項式」の記事における「正規直交系」の解説

通常はさらに正規直交系、すなわち ⟨ P n , P n ⟩ = 1 {\displaystyle \langle P_{n},P_{n}\rangle =1} となることも要求する (これを課すことにより直交多項式列は一意定まる)。

※この「正規直交系」の解説は、「直交多項式」の解説の一部です。
「正規直交系」を含む「直交多項式」の記事については、「直交多項式」の概要を参照ください。


正規直交系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:15 UTC 版)

計量ベクトル空間」の記事における「正規直交系」の解説

詳細は「正規直交系」を参照 V を次元 n を持つ有限次元内積空間とする。任意の基底はちょうど n 本の線型独立なベクトルからなることを思い出そうグラム–シュミットの正規直交化法用いれば任意の基底正規直交基底取り換えてから話を進めて良い。即ち、基底は各ベクトル単位ノルム持ち互いに直交するものとする。式で書けば基底 {e1, …, en} が正規直交であるとは、i ≠ j ならば ⟨ei, ej⟩ = 0, かつ各 i に対してei, ei⟩ = ǁeiǁ = 1 を満足することを言う。 この正規直交基底の定義は、以下のように無限次元内積空間に対して一般化することができる。V は任意の内積空間として、ベクトルの系 E = {eα ∈ V}α∈A が V の(位相的基底であるとは、E の元からなる有限線型結合全体の成す V の部分集合が V において(内積の導くノルムに関して稠密となるときに言う。基底 E が V の正規直交基底であるとは、それが各添字 α, β ∈ A に対して α ≠ β ならば ⟨eα, eβ⟩ = 0 かつ ⟨eα, eα⟩ = ǁeαǁ = 1 を満足することをいう。 グラム-シュミット方法無限次元版を用いれば 定理 任意の可分内積空間 V は正規直交基底を持つ。 が示されるまた、ハウスドルフ極大原理英語版)および完備内積空間において線型部分空間への直交射影が定義可能であるという事実を用いれば定理 任意の完備内積空間 V は正規直交基底を持つ。 も示せる。これら二つ定理は「任意の内積空間正規直交基底持ち得るか」という問い答えるもので、これには否定的な結論下される。これは非自明な結果であり、以下のような証明知られている: 証明内積空間次元とは、与えられた正規直交系を含む極大正規直交系の濃度であったことを思い出そうツォルンの補題により、そのような極大系は少なくも一つ存在し、またそのような極大系はどの二つも同じ濃度を持つのであった)。一つ正規直交基底極大正規直交系であるが、逆は必ずしも成り立たないことは既知である。G が内積空間 H の稠密部分空間ならば、G の任意の正規直交基底自動的に H の正規直交基底となるから、H よりも真に次元小さな稠密部分空間 G を持つ内積空間 H を構成すれば十分である。K は次元 ℵ0 のヒルベルト空間例えK = ℓ2(N))とする。E が K の基底とすれば |E| = ℵ0 である。基底 E を K のハメル基底代数基底) E ∪ F (E ∩ F = ∅) に延長するならば、K のハメル次元連続体濃度 c であることは既知であるから、|F| = c でなければならない。 L を次元 c のヒルベルト空間例えL = ℓ2(R))とし、L の正規直交基底 B と全単射 φ: F → B を考えれば線型写像 T: K → L で、Tf = φ(f) (f ∈ F) かつ Te = 0 (e ∈ E) を満たすものが存在するH = K ⊕ L と置き、G = {(k, Tk) : k ∈ K} を T のグラフ、G を G の H における閉包とすればG = H示せる。各 e ∈ E に対して (e, 0) ∈ G ゆえ、K ⊕ 0 ⊂ G が従う。 次に、b ∈ B とすれば適当な f ∈ F ⊂ K によって b = Tf と書けるから、(f, b) ∈ G ⊂ G である。同様に (f, 0) ∈ G ゆえ、(0,b) ∈ G もわかる。従って 0 ⊕ L ⊂ G であり、G = H すなわち G は H において稠密である。 最後に {(e,0) : e ∈ E} が G における極大正規直交系であることを見よう。 0 = ⟨ ( e , 0 ) , ( k , T k ) ⟩ = ⟨ e , k ⟩ + ⟨ 0 , T k ⟩ = ⟨ e , k ⟩ {\displaystyle 0=\langle (e,0),(k,Tk)\rangle =\langle e,k\rangle +\langle 0,Tk\rangle =\langle e,k\rangle } が任意の e ∈ E に対して成り立つならば、k = 0確定するから、(k, Tk) = (0,0) は G の零ベクトルであり、G の次元は |E| = ℵ0 となるが、一方 H の次元が c であることは明らかである。これで証明完成したパーシヴァルの等式から直ちに次が従う。 定理 可分内積空間 V とその正規直交基底 {ek}k に対し写像 x ↦ { ⟨ e k , x ⟩ } k ∈ N {\displaystyle x\mapsto \{\langle e_{k},x\rangle \}_{k\in \mathbb {N} }} は稠密な像を持つ等距線型写像 V → ℓ 2 である。 この定理フーリエ級数抽象版であり、任意の正規直交基底フーリエ級数における三角多項式の成す直交系役割を果たす上記添字集合任意の可算集合としてよい(また実は、ヒルベルト空間の項にあるように、そうして得られる空間全て適当な集合上で定義されℓ 2 となる)ことに注意。特に、フーリエ級数に関して 定理 V が内積空間 C[−π,π] ならば、整数全体の成す集合添字付けられ連続函数の双無限列 e k ( t ) = e i k t 2 π {\displaystyle e_{k}(t)={\frac {e^{ikt}}{\sqrt {2\pi }}}} は L2-内積に関して空間 C[−π,π] の正規直交基底であり、写像 f ↦ { 1 2 π ∫ − π π f ( t ) e − i k t d t } k ∈ Z {\displaystyle f\mapsto \left\{{\frac {1}{\sqrt {2\pi }}}\int _{-\pi }^{\pi }f(t)e^{-ikt}\,dt\right\}_{k\in \mathbb {Z} }} は稠密な像を持つ等距線型写像になる。 点列 {ek}k の直交性は k ≠ j のとき ∫ − π π e − i ( j − k ) t d t = 0 {\displaystyle \int _{-\pi }^{\pi }e^{-i(j-k)t}\,dt=0} から直ちにわかる。正規性は列の作り方による(即ち、列の各係数ノルムが 1 となるように選ばれたものである)。最後に、この列が内積定めノルムに関して稠密な代数的線型包を持つことは、このとき [−π,π] 上の連続周期函数一様ノルムに関して成すノルム空間においてこの列が稠密な線型包を持つことから従う。これは、三角多項式一様稠密に関するヴァイエルシュトラスの定理の内容である。

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正規直交系

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 00:51 UTC 版)

名詞

正規直交系(せいきちょっこうけい)

  1. 直交系であり、なおかつ同じもの同士内積全て 1 となるベクトル集合


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