固有値と固有ベクトル
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/08 04:59 UTC 版)
数学の線型代数学において、線型変換の固有値(こゆうち、英: eigenvalue)とは、零ベクトルでないベクトルを線型変換によって写したときに、写された後のベクトルが写される前のベクトルのスカラー倍になっている場合の、そのスカラー量(拡大率)のことである。この零ベクトルでないベクトルを固有ベクトル(こゆうベクトル、英: eigenvector)という。この2つの用語を合わせて、固有対 (eigenpair) という。
注釈
- ^ positive definiteの訳語として「正定値」もしくは「正値」がある。
出典
- ^ Hawkins (1975, §2); Kline (1972, pp. 807–808) を参照のこと。
- ^ Hawkins (1975, §2) を参照。
- ^ a b c d Hawkins (1975, §3) を参照。
- ^ a b c Kline (1972, pp. 807–808) を参照。
- ^ Kline (1972, p. 673) を参照。
- ^ Kline (1972, pp. 715–716)
- ^ Kline (1972, pp. 706–707)
- ^ Kline (1972, p. 1063)
- ^ Ben-Menahem 2009, p. 5513, Table 6.24: Earliest Known Mathematical Terminology.
- ^ Schwartzman 1994, p. 80.
- ^ Aldrich (2006)
- ^ See Golub & van Loan (1996, §7.3), Meyer (2000, §7.3)
- 1 固有値と固有ベクトルとは
- 2 固有値と固有ベクトルの概要
- 3 固有多項式
- 4 例
- 5 正定値と半正定値
- 6 脚注
固有値問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 10:01 UTC 版)
実対称行列の固有値および固有ベクトルを求める繰り返し計算手法においてもヤコビ法と呼ばれる解法がある(紛らわしさを避けるためにはヤコビ対角化法という)。 n {\displaystyle \ n} 次の実対称行列 A {\displaystyle \ A} について次のように G ( p , q , θ ) {\displaystyle \ G(p,q,\theta )} による相似変換、すなわちギブンス回転を実行することにより、非対角要素 a i j ( i ≠ j ) {\displaystyle \ a_{ij}(i\neq j)} の最大値 a p q {\displaystyle \ a_{pq}} が0となるようにする。 B = G T A G {\displaystyle \ B=G^{T}AG} これによって行列 B {\displaystyle \ B} の各要素は次のようになる。但し、 i , j ≠ p , q {\displaystyle \ i,j\neq p,q} である。 { b p p = a p p cos 2 θ + a q q sin 2 θ − 2 a p q sin θ cos θ , b q q = a p p sin 2 θ + a q q cos 2 θ + 2 a p q sin θ cos θ , b p q = b q p = 1 2 ( a p p − a q q ) sin 2 θ + a p q cos 2 θ , b i j = a i j , b p j = a p j cos θ − a q j sin θ , b q j = a p j sin θ + a q j cos θ , b i p = a i p cos θ − a i q sin θ , b i q = a i p sin θ + a i q cos θ {\displaystyle {\begin{cases}b_{pp}=a_{pp}\cos ^{2}\theta +a_{qq}\sin ^{2}\theta -2a_{pq}\sin \theta \cos \theta ,\\b_{qq}=a_{pp}\sin ^{2}\theta +a_{qq}\cos ^{2}\theta +2a_{pq}\sin \theta \cos \theta ,\\b_{pq}=b_{qp}={\frac {1}{2}}(a_{pp}-a_{qq})\sin 2\theta +a_{pq}\cos 2\theta ,\\b_{ij}=a_{ij},\\b_{pj}=a_{pj}\cos \theta -a_{qj}\sin \theta ,\\b_{qj}=a_{pj}\sin \theta +a_{qj}\cos \theta ,\\b_{ip}=a_{ip}\cos \theta -a_{iq}\sin \theta ,\\b_{iq}=a_{ip}\sin \theta +a_{iq}\cos \theta \end{cases}}} ここで、 a p q ≠ 0 {\displaystyle \ a_{pq}\neq 0} のとき b p q = 0 {\displaystyle \ b_{pq}=0} となる θ {\displaystyle \ \theta } は上式より tan 2 θ = − 2 a p q ( a p p − a q q ) {\displaystyle \tan 2\theta ={\frac {-2a_{pq}}{(a_{pp}-a_{qq})}}} から求められることがわかる。ギブンス回転をすべての非対角要素がほぼ0になるまで繰り返せば、実対称行列 A {\displaystyle A\quad } が対角化された形となるから、その対角要素が A {\displaystyle A\quad } の固有値となる。また、 A {\displaystyle A\quad } がk回変換された行列を A k {\displaystyle A_{k}\quad } 、k回目のギブンス回転を表す直交行列を G k {\displaystyle G_{k}\quad } と表せば、 A k = G k T A k − 1 G k = U k T A U k {\displaystyle A_{k}=G_{k}^{T}A_{k-1}G_{k}=U_{k}^{T}AU_{k}} ここに、 U k = G 1 G 2 G 3 ⋯ G k − 1 G k {\displaystyle U_{k}=G_{1}G_{2}G_{3}\cdots G_{k-1}G_{k}} となる。 A k {\displaystyle A_{k}\quad } のすべての非対角要素がほぼ0となったとき、 U k {\displaystyle U_{k}\quad } は固有ベクトルを並べた行列となっている。なお、ギブンス回転の繰り返し過程において、一度は0になった要素がその後の変換により0でなくなることもあるが、変換の繰り返しによって非対角項は0に近づいてゆく。 なお上記のように、ヤコビの対角化法は実対称(あるいは複素エルミート)の場合が最も良く知られていてその場合にしかないと思われがちであるが、非対称な行列に対するヤコビ法も在って研究もされていたが、QR法が登場してからは今日ではほとんど使われることはない。
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固有値問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 15:02 UTC 版)
ラプラシアンの固有値は、ある関数 u ≠ 0 について △ u = λ u {\displaystyle \triangle u=\lambda u} を満たすような λ である。これはヘルムホルツ方程式である。
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