JR九州787系電車 沿革

JR九州787系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 16:03 UTC 版)

沿革

787系「かもめ」
(1996年 長崎駅)
  • 1992年(平成4年)
    • 7月15日:同日のダイヤ改正より運用開始。鹿児島本線特急有明」のうち、西鹿児島駅発着の列車について、愛称を「つばめ」に変更するとともに、同列車14往復中7往復に投入された(残りは783系)。
      • この他、「つばめ」の間合い運用で熊本駅・八代駅発着の「有明」1往復にも充当された。
      • 当初は7両編成での運転を基本とし、多客期は9両編成に増結する予定だったが、実際は7両編成で運転されるケースは少なかった。
  • 1993年(平成5年)
    • 3月18日:ダイヤ改正。7両編成1本(T-6編成)に新製の中間車2両を組み入れ9両化、別に9両編成2本(T-7,8編成)を新製(総数72両)。「にちりん」の博多駅 - 南宮崎駅間運行列車のうち2往復に本系列を投入し、「にちりんシーガイア」に改称。夜行急行列車「かいもん」「日南」を特急に格上げして「ドリームつばめ」「ドリームにちりん」に改称し、本系列を投入。
    • 予備編成確保のため、年度内に9両編成1本(T-9編成)を追加新製(総数81両)。
  • 1994年(平成6年)
    • 3月1日:ダイヤ改正。9両編成2本(T-10,11編成)を南福岡電車区に新製配置し(総数99両)、「かもめ」に投入。「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」は南福岡電車区(現・南福岡車両区)に移管され「かもめ」と共通運用となる。これにあわせて鹿児島運転所の9両編成3本(T-2,5,6編成)が南福岡電車区に転属。
    • 7月1日:ダイヤ改正。7両編成3本(T-12〜14編成)を南福岡電車区に新製配置し(総数120両)、9両編成のうち3本(T-2,5,6)は鹿児島運転所に再転属。残る2本(T-10,11)はモハユニット2両を外して7両化。抜かれた中間車4両は増結用予備車となる。この改正で「かもめ」「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」は7両編成に減車され、「有明」からは一時撤退。「つばめ」の787系運用が増加する。
  • 1995年(平成7年)
    • 4月20日:ダイヤ改正。
      • 「ドリームつばめ」から撤退(783系に変更)。「有明」への運用復帰。
      • 編成表記をT-◯編成からBK(BM)-◯編成に変更(BK-1〜9、BM10〜14)。Bは車両形式(787系)を表し、K,Mは所属先(それぞれ鹿児島、南福岡)を示す文字。
  • 1996年(平成8年)
    • 3月16日:ダイヤ改正。
      • 「かもめ」から撤退、「ドリームつばめ」を含む「つばめ」全列車が787系による運用となる。
      • 増結用予備車を含む全車両を鹿児島運転所に集約(BM-10〜14→BK-10〜14)。
      • 7両編成のビュッフェを3号車に移動(従来は4号車だった)。これにより7両編成は9両編成から3・4号車を抜いたものと同等の組成となる。
    • 7月18日宮崎空港線開業に伴い、「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」のうち夜間に南宮崎駅を発着する1往復を除いて宮崎空港駅発着に延長。
  • 1999年(平成11年)
    • 3月13日:ダイヤ改正。「有明」用編成が登場し、南福岡電車区に配置される[13]。「有明」編成は先頭車6本分12両を追加製造し、中間車は9両編成の減車により捻出する(総数132両)。9両編成は8本を7両編成、1本は6両編成に、7両編成は6両編成に減車し、4両編成×6本(BM-101〜106)、7両編成×8本(BK-1〜8、BK-9をBK-2(2代)に変更)、6両編成×6本(BK-10〜15、BK-15は唯一9両から6両に減車されたBK-2(初代)から変更)、増結用予備車16両の体制に。ビュッフェは7連・6連共に4号車に統一。
  • 2000年(平成12年)
    • 3月11日:ダイヤ改正。「有明」用編成を5本追加(BM-107〜111)。新製車は下り方先頭車5両のみ、上り方先頭車は増結用予備車のうちサハ5両を先頭車化改造。中間車も増結用予備車を充当(総数137両)。6両編成は「にちりんシーガイア」・「ドリームにちりん」から撤退し「有明」の増強に回る。これにより「有明」は全列車が787系による運用となる。このダイヤ改正で新設された「きらめき」での運用開始。
    • 10月:「ハウステンボス81・82号」に「有明」用編成を使用。営業列車では初めて佐世保線大村線に入線。
  • 2001年(平成13年)
    • 3月1日:「かもめ」への運用復帰。ただし朝・夜間に運行される肥前山口駅発着の1往復のみ。
    • 10月6日:新設された「かいおう」に運用開始。これに伴い「かもめ」からは再度撤退。
  • 2002年(平成14年)
    • 7月15日:九州新幹線部分開業に伴う「リレーつばめ」への転用に先立ち、「つばめ」用編成はビュフェ車サハシ787形の普通車への改造、塗色変更などのリニューアルを開始[14]。あわせて、6両編成のうち4本(BK-10,11,13,14)はサハ787形100番台の増結(BK-11のみ予備車の復帰、他は新製)により再び7両編成となったほか、前述のリニューアルを受けて「つばめ」用編成と共通の仕様となった(サハシ787形の普通車化改造は引き続き6両編成で運転される2本にも施工された)。
  • 2003年(平成15年)
    • 2月7日:全編成ビュフェの営業を終了[14][15]
    • 3月15日:ダイヤ改正。「つばめ」は7両編成に統一。「かいおう」は4両編成から6両編成に変更。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月11日:7両編成は全編成リニューアル完了。ただし「Relay tsubame」ロゴ取付は「リレーつばめ」運行開始直前に実施。
    • 3月13日:ダイヤ改正。九州新幹線新八代駅 - 鹿児島中央駅間の開業により「つばめ」は新幹線に移行し「ドリームつばめ」は廃止。「つばめ」編成は新幹線「つばめ」に連絡して博多駅 - 新八代駅間を結ぶ「リレーつばめ」として運行開始。鹿児島所属の全編成が南福岡に転属(BK-1〜8、10〜15 → BM-1〜8、10〜15)、787系は全車南福岡所属となる。
    • 4月:この年から有田陶器市の時期に走る臨時列車の「みどり」の一部に運用されるようになった。この運用は「みどり」の一部が787系になる前年の2010年まで行われ、「リレーつばめ」用の7両編成が用いられていた(ただし2004年のみは1両減車した6両編成で運転)。
  • 2005年(平成17年)
    • 10月1日:ダイヤ改正。トップキャビンを廃止し、その跡地にJRグループとしては初の"上級グリーン席"である1列車3席の「DXグリーン席」を車両のリニューアル工事が完了次第順次設置。「かいおう」増発分に4両編成を充当。
    • 12月23日:博多発長崎行きの臨時特急「かもめ81号」に「有明」用4両編成が使われた(25日まで)。長崎本線肥前山口駅以西への営業列車での入線は9年9か月ぶり。これ以降、885系電車・783系電車だけで臨時列車を運行しきれない場合、臨時列車の一部に787系が用いられるようになる。
  • 2006年(平成18年)
    • 5月31日:BM5編成が、新八代発博多行特急「リレーつばめ70号」として運用中、玉名〜大野下駅間で踏切事故に遭遇[16]
  • 2007年(平成19年)
  • 2011年(平成23年)
    • 3月12日:ダイヤ改正。
      • 九州新幹線の全線開業に伴い「リレーつばめ」は全て廃止され、「有明」は早朝・深夜の通勤対応として上下7本に減便(787系での運行は3本)。「リレーつばめ」「有明」の門司港駅・小倉駅 - 博多駅間は「きらめき」に編入。
      • 余剰となった787系は「かもめ」「にちりんシーガイア」へ運用復帰、「みどり」「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」「川内エクスプレス」での運用開始。「有明」「かいおう」は6両編成のみ充当されるようになる。
      • それまでの運用区間は鹿児島本線門司港駅 - 新八代駅間、豊肥本線熊本駅 - 肥後大津駅間および福北ゆたか線直方駅 - 吉塚駅間のみであったが、この改正で鹿児島本線川内駅 - 鹿児島駅間、長崎本線の喜々津駅 - 長与駅 - 浦上駅間を除く全区間、佐世保線全区間、日豊本線全区間、日南線・宮崎空港線南宮崎駅 - 宮崎空港駅間にも拡大し、JR九州の交流電化区間の大半で運用されることになった。佐世保線と南宮崎駅 - 鹿児島中央駅間での定期運用は初めてである。逆に、鹿児島本線長洲駅 - 新八代駅間および豊肥本線からは撤退(熊本駅発着の「有明」は2014年まで運行されたが、787系は当初から長洲駅発着の「有明」のみに充当されていた)。
      • この運用変更に伴い、4両編成は大分鉄道事業部大分車両センターに異動(BM-101〜111→BO-101〜111)。7両編成は全編成6両編成に減車し、繁忙期に「かもめ」「みどり」などでは8両編成に増結することとなった。
  • 2014年(平成26年)
    • 3月15日:ダイヤ改正。6両編成14本のうち、6本を7両編成に増結。「かもめ」「みどり」では787系全列車が7両編成での運行となる(繁忙期は8両編成に増結)。
  • 2016年(平成28年)
    • 3月26日:ダイヤ改正。「川内エクスプレス」が廃止されたため、鹿児島本線川内駅 - 鹿児島中央駅間から撤退。
  • 2017年(平成29年)
    • 3月4日:ダイヤ改正。
      • 「にちりん」「ひゅうが」および宮崎空港線充当列車の4両編成の列車の一部をワンマン化。
      • 783系で運行されていた「にちりん22・25号」、「ひゅうが8・9号」に4両編成が充当されるようになる。
  • 2018年(平成30年)
    • 3月17日:ダイヤ改正。
      • 「きらめき」での運用は本数削減と783系への置き換えにより大幅に減少。
      • 「かもめ」での定期運用も一部臨時化で減少。
      • 「有明」の区間縮小に伴い鹿児島本線大牟田駅 - 長洲駅間から撤退。
      • 「かもめ」「みどり」での6両編成の運用が復活(「かもめ100・103号」「みどり1・10号」が該当。なお「かもめ103号」を除き、「ハウステンボス1・10号」の運転日は783系での運行となる)。
      • 「にちりん」「ひゅうが」「きりしま」および宮崎空港線普通列車のうち4両編成の列車の全てをワンマン化。なお多客期に小倉駅 - 大分駅間で運転される臨時「にちりん」には引き続き車掌が乗務する。
      • 日豊本線の佐伯駅 - 延岡駅間を通しで運転する普通列車はすべて787系4両編成での運転となる(いずれも先頭車1両のみ乗車可能、車掌乗務)[17]
  • 2020年(令和2年)
    • 3月14日:ダイヤ改正。885系と運用を一部交換したことで「かもめ」での定期運用が増加。
    • 9月29日:787系をベースにしたD&S列車36ぷらす3」用編成(BM-363、BM-15から改造)が報道陣に公開される。
    • 10月16日:「36ぷらす3」運行開始。
  • 2021年(令和3年)
    • 3月13日:ダイヤ改正。
      • 「有明」が廃止。鹿児島本線鳥栖駅 - 大牟田駅間は「36ぷらす3」のみの運用となる。
      • 783系の日豊本線での運用を全て当系列で置き換え、「にちりん(シーガイア)」「ひゅうが」「きりしま」を全て787系に統一。下り「にちりんシーガイア」への当系列の充当が21年ぶりに復活する。また4両編成の小倉駅への定期乗り入れが「有明」時代以来10年ぶりに復活(にちりん3・20号)したことで、4両編成が日豊本線全区間で定期運用を持つようになる。
      • 「かいおう」から撤退。篠栗線および筑豊本線での定期運用が消滅。
      • 「かもめ102号」(肥前鹿島駅→博多駅)を885系から787系7両編成での運転に変更。
  • 2022年(令和4年)
    • 9月23日:ダイヤ改正。
      • ダイヤ改正で新設される特急「リレーかもめ」「かささぎ」の大半の列車に充当。従来の7両編成は8両編成に増結し、本系列の「リレーかもめ」は全て8両編成での運転とする(「かささぎ」は8両編成と6両編成を併用)。
      • 「かもめ」は新幹線列車への移行に伴い在来線特急としては廃止。
      • 「みどり」からは撤退。また「36ぷらす3」の月曜日ルートが長崎駅発着から佐世保駅発着に変更となる。
      • 以上の運用変更に伴い、長崎本線肥前浜駅 - 長崎駅間から撤退するほか(同区間は非電化となるため本系列の自走での乗り入れができなくなる)、長崎本線肥前鹿島駅 - 肥前浜駅間、佐世保線武雄温泉駅 - 佐世保駅間での運用は「36ぷらす3」のみとなる。
      • 「かいおう」全列車での運用が復活(6両編成での運転)。

注釈

  1. ^ サハシ787形の型のドーム天井は、この名称を想定して設計されたものであった。
  2. ^ 後年のリニューアル工事で黒味が増したほか、「36ぷらす3」では完全な黒色で塗装されている。
  3. ^ 2011年6月に営業終了。
  4. ^ 繁忙期に小倉駅 - 大分駅間で運転される臨時「にちりん」や「にちりん」3・16号の大分駅以北、また定期列車でも他編成の運用を代走する場合では車掌が乗務する。また抜き打ちで添乗員が乗務し、検札を行う場合がある。

出典

  1. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '95年版』ジェー・アール・アール、1995年7月1日、191頁。ISBN 4-88283-116-3 
  2. ^ 前田徹 (2003年3月21日). “春を告げるイメージ 九州新幹線は「つばめ」”. つばめ開業 (西日本新聞). オリジナルの2004年5月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20040512103916/http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/tsubame/kanren/kiji/030321_1.html 2012年11月29日閲覧。 
  3. ^ “灰色の「つばめ」実は赤色だったかも!? 特急787系“幻の案”JR九州OBが語る 今も車内に名残アリ”. 乗りものニュース. (2023年10月13日). https://trafficnews.jp/post/128577 2023年10月14日閲覧。 
  4. ^ 川上章吉 1992, p. 75.
  5. ^ 『JR全車輌ハンドブック 2008』ネコ・パブリッシング、2008年8月1日、636-637頁。ISBN 978-4777006663 
  6. ^ 交友社鉄道ファン』1997年3月号 通巻431号 p.144
  7. ^ a b 坂正博「JR九州新幹線・特急列車の運転体系概要」『鉄道ダイヤ情報』第323号、交通新聞社、2011年3月、pp. 28-35。 
  8. ^ 787系BM106編成が塗装およびロゴ変更のうえ出場”. 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2011年3月8日). 2012年10月13日閲覧。
  9. ^ 鶴通孝「INTERCITY 787 AROUND THE KYUSHU」『鉄道ジャーナル』第45巻第6号、鉄道ジャーナル社、2011年3月、74-88頁、ISSN 0288-2337 
  10. ^ 畳敷きの個室にソファ!JR九州新観光列車「36ぷらす3」公開 - RMニュース(ネコ・パブリッシング社、2020年9月29日掲載、同日閲覧)
  11. ^ 「36ぷらす3」車両レイアウトについて” (PDF). 九州旅客鉄道 (2019年12月20日). 2019年12月20日閲覧。
  12. ^ ジェー・アール・アール 編『JR電車編成表2022冬』交通新聞社、2021年11月22日、207,221頁。ISBN 978-4-330-06521-2 
  13. ^ 鉄道ジャーナル』第33巻第5号、鉄道ジャーナル社、1999年4月、95頁。 
  14. ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '03年版』ジェー・アール・アール、2003年7月1日、191頁。ISBN 4-88283-124-4 
  15. ^ 外山勝彦「鉄道記録帳2003年2月」『RAIL FAN』第50巻第5号、鉄道友の会、2003年5月1日、21頁。 
  16. ^ 鉄道事故調査報告書”. 運輸安全委員会(JTSB). 2022年1月9日閲覧。
  17. ^ 日豊本線「宗太郎越え」の普通列車が787系化される”. 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2018年3月17日). 2018年3月19日閲覧。






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