JR九州787系電車 編成別解説

JR九州787系電車

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 16:03 UTC 版)

編成別解説

当初は全車が鹿児島運転所(現・鹿児島車両センター)に配属されていた。1994 - 1996年、定期「かもめ」充当時は5編成が南福岡電車区(現・南福岡車両区)に配属されていた(一部は新製配置)。「かもめ」定期運用廃止とともに鹿児島運転所に転出し、再び全車が集約された。

1999 - 2000年に「有明」用の4両編成は南福岡電車区に配置された。その後に残った「つばめ」用7両編成および「有明」用6両編成も2004年に南福岡車両区に転出したことで、2004年時点で全車が南福岡電車区に集約された。なお、1999年以降の新製車のうち「有明」用の先頭車は当初から南福岡電車区への新製配置である。2011年1月時点では7両編成12本、6両編成2本、4両編成11本だった[7]

2011年3月12日のダイヤ改正にあたり、7両編成は6両編成に減車、4両編成は485系を置き換えるため、大分車両センターに転出した。

2021年10月現在、6両編成14本(BM1 - 8・10 - 14・363編成)と増結用予備車のサハ787形100番台12両が南福岡車両区に、4両編成11本(Bo102・103・105・107 - 111・6101・6104・6106編成)が大分鉄道事業部大分車両センターに所属している[12]

BM1 - 8・10 - 14編成
6両編成(BM-14)
7両編成(BM-2)
  • BM12・15編成は2011年3月以前から6両編成で、「有明」などに充当されていた。そのほかの編成は2011年3月に7両編成から3号車のサハ787形(100番台)を抜いた編成である。元7両編成は「Relay tsubame」のロゴが描かれていた。
  • 当初はT-◯編成を名乗っていたが、1995年にBK(BM)-◯編成に表記を変更。以下の例外を除いて現在まで続く。このためBK-9(→BM-9)は1999年から欠番となっている。
    • T-9 → BK-9 → BK-2(2代)→ BM-2
    • T-2 → BK-2(初代)→ BK-15 → BM-15 → BM-363(「36ぷらす3」専用編成 )
  • 7両編成から抜かれたサハ787形は101, 103 - 107, 109 - 111, 115 - 117の12両で、繁忙期に2両単位で増結し、主に長崎本線系統の特急列車に使用していた。2014年3月15日からは「かもめ」「みどり」を通年7両編成で運行するため、6 - 8編成に対してサハ787形100番台を1両ずつ増結している(繁忙期にはさらに1両増結)。なお、7両化の際にどのサハを増結するかは編成ごとにある程度決まっており、基本的に旧「リレーつばめ」時代と同じ組み込み先で使用されているほか、サハ同士での走行距離調整の関係からか7両で運行される編成は一定せず、定期的に6両への減車や7両への増結を繰り返していた。BM12編成のみ内装や生地の色調が新製時の原型のままとなっている。増結位置は7両化の場合モハ786形とサハ787形200番台の間で、8両化の場合はこれに加えてサハ787形0番台とモハ787形の間に挿入され、それぞれ3号車、6号車となる。
  • 車体ロゴは「Relay tsubame」「ARIAKE」から「(INTERCITY) AROUND THE KYUSHU」に変更されている。
  • 2022年9月より、「リレーかもめ」に充当される編成は8両に増結している(BM-1・3・6・7・8・10編成)。このため事実上8両編成6本と6両編成7本として運用が組まれている。
  • 8両編成は「リレーかもめ」のうち17・45・49・53・48・52・56号を除く全列車と「かささぎ」103・107・109・111・108・112・114・204号、「きらめき」1・5・2・6号に用いられている。
  • 6両編成は「にちりん」7・11・15・4・6・12号、「にちりんシーガイア」5・14号、「ひゅうが」1・5・12・16号、「かささぎ」101・201・106・202号、「きらめき」4・12号、「かいおう」1・2号に用いられている。

以下の編成はサハ787形100番台を含まない6両編成で表記する。

6両編成・編成表
編成番号
(小倉駅基準)
← 宮崎空港・肥前鹿島
門司港 →
クモロ787 モハ786 サハ787 サハ787 モハ787 クモハ786
BM-2 9 303 209 11 17 9
BM-4 4 104 204 4 7 4
BM-5 5 203 205 5 9 5
BM-11 11 305 211 13 22 11
BM-12 12 306 212 6 23 12
BM-13 13 307 213 10 24 13
BM-14 14 308 214 14 25 14
8両編成・編成表
編成番号
(小倉駅基準)
← 武雄温泉・肥前鹿島
門司港 →
クモロ787 モハ786 サハ787 サハ787 サハ787 サハ787 モハ787 クモハ786
BM-1 1 202 101 201 1 116 1 1
BM-3 3 204 103 203 3 117 5 3
BM-6 6 201 111 206 9 109 11 6
BM-7 7 301 105 207 7 107 13 7
BM-8 8 302 106 208 8 110 15 8
BM-10 10 304 115 210 12 104 19 10
BM-363編成
編成番号 ※九州を1周するルートを走行するため、編成の向きは週ごとに入れ替わる。
クモロ787 モロ786 サロシ786 サロ787 モロ787 クモロ786
BM-363 363 363 363 363 363 363


Bo6101・102・103・6104・105・6106・107 - 111編成
4両編成
  • 11本が存在する。全車2011年3月に南福岡から大分に転出。
  • 元々は「有明」用で、「ARIAKE」のロゴが描かれていたが、6両編成同様の塗装に変更されている。
  • 「有明」時代は小倉駅発着の設定もあったが、大分転出に伴い日豊本線中津駅以南(2018年改正以降は大分駅以南)に定期運用が限定され、繁忙期の「にちりん」を除き小倉駅乗り入れは消滅していた。2021年3月改正で小倉駅発着の1往復(「にちりん」3・16号)に当系列が充当されるようになり、10年ぶりに小倉駅への定期乗り入れが復活すると共に、当系列は初めて日豊本線全区間(小倉駅 - 鹿児島駅間)での定期運用を持つようになった。
  • 「にちりん」(1・2・3・8・9・10・13・16・17・102号)「ひゅうが」(1・5・12・16号を除く全列車)「きりしま」(全列車)及び佐伯駅 - 延岡・南延岡駅間、宮崎駅 - 宮崎空港駅間の普通列車に充当。
  • 883系「ソニック」用車両が事故等で運用離脱した場合、2編成をつないだ8両編成あるいは単独の4両編成で代走する場合がある。
  • 全座席禁煙で喫煙ルームを備えていたが、2007年3月18日のダイヤ改正以降は喫煙ルームの使用は停止とされ、携帯電話用スペースとして案内されている。非常用の梯子がこの部屋に設置されている。
  • ワンマン運転対応工事が施工されており、2018年3月17日ダイヤ改正でこの編成を用いる定期特急列車はすべてワンマン運転となった[注 4]
  • 1号車の窓側座席にはグリーン車・普通車共にモバイル用のコンセントが設けられている。他の車両にもコンセントはあるが業務用である。
  • 3号車は基本的に自由席として運転されるが、車椅子対応の2席のみ指定席として発売される。
  • 一部車両には検測機器が取り付けられ、搭載車両の車番およびそれを含む編成の番号が+6000に改番されている。
    • クロハ786-1・4、クハ787-1・4、モハ786-102 → クロハ786-6001・6004、クハ787-6001・6004、モハ786-6102
4両編成・編成表
編成番号
(宮崎駅基準)
← 鹿児島中央・宮崎空港
延岡・大分・小倉 →
クロハ786 モハ787 モハ786 クハ787
Bo-6101 6001 2 1 6001
Bo-102 2 10 5 2
Bo-103 3 12 6 3
Bo-6104 6004 14 106 6004
Bo-105 5 18 105 5
Bo-6106 6 21 6102 6
Bo-107 7 4 2 102
Bo-108 8 6 3 108
Bo-109 9 8 4 114
Bo-110 10 16 101 112
Bo-111 11 20 103 113

注釈

  1. ^ サハシ787形の型のドーム天井は、この名称を想定して設計されたものであった。
  2. ^ 後年のリニューアル工事で黒味が増したほか、「36ぷらす3」では完全な黒色で塗装されている。
  3. ^ 2011年6月に営業終了。
  4. ^ 繁忙期に小倉駅 - 大分駅間で運転される臨時「にちりん」や「にちりん」3・16号の大分駅以北、また定期列車でも他編成の運用を代走する場合では車掌が乗務する。また抜き打ちで添乗員が乗務し、検札を行う場合がある。

出典

  1. ^ 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '95年版』ジェー・アール・アール、1995年7月1日、191頁。ISBN 4-88283-116-3 
  2. ^ 前田徹 (2003年3月21日). “春を告げるイメージ 九州新幹線は「つばめ」”. つばめ開業 (西日本新聞). オリジナルの2004年5月12日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20040512103916/http://www.nishinippon.co.jp/news/2004/tsubame/kanren/kiji/030321_1.html 2012年11月29日閲覧。 
  3. ^ “灰色の「つばめ」実は赤色だったかも!? 特急787系“幻の案”JR九州OBが語る 今も車内に名残アリ”. 乗りものニュース. (2023年10月13日). https://trafficnews.jp/post/128577 2023年10月14日閲覧。 
  4. ^ 川上章吉 1992, p. 75.
  5. ^ 『JR全車輌ハンドブック 2008』ネコ・パブリッシング、2008年8月1日、636-637頁。ISBN 978-4777006663 
  6. ^ 交友社鉄道ファン』1997年3月号 通巻431号 p.144
  7. ^ a b 坂正博「JR九州新幹線・特急列車の運転体系概要」『鉄道ダイヤ情報』第323号、交通新聞社、2011年3月、pp. 28-35。 
  8. ^ 787系BM106編成が塗装およびロゴ変更のうえ出場”. 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2011年3月8日). 2012年10月13日閲覧。
  9. ^ 鶴通孝「INTERCITY 787 AROUND THE KYUSHU」『鉄道ジャーナル』第45巻第6号、鉄道ジャーナル社、2011年3月、74-88頁、ISSN 0288-2337 
  10. ^ 畳敷きの個室にソファ!JR九州新観光列車「36ぷらす3」公開 - RMニュース(ネコ・パブリッシング社、2020年9月29日掲載、同日閲覧)
  11. ^ 「36ぷらす3」車両レイアウトについて” (PDF). 九州旅客鉄道 (2019年12月20日). 2019年12月20日閲覧。
  12. ^ ジェー・アール・アール 編『JR電車編成表2022冬』交通新聞社、2021年11月22日、207,221頁。ISBN 978-4-330-06521-2 
  13. ^ 鉄道ジャーナル』第33巻第5号、鉄道ジャーナル社、1999年4月、95頁。 
  14. ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '03年版』ジェー・アール・アール、2003年7月1日、191頁。ISBN 4-88283-124-4 
  15. ^ 外山勝彦「鉄道記録帳2003年2月」『RAIL FAN』第50巻第5号、鉄道友の会、2003年5月1日、21頁。 
  16. ^ 鉄道事故調査報告書”. 運輸安全委員会(JTSB). 2022年1月9日閲覧。
  17. ^ 日豊本線「宗太郎越え」の普通列車が787系化される”. 鉄道ファン railf.jp 鉄道ニュース. 交友社 (2018年3月17日). 2018年3月19日閲覧。






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