近鉄生駒線 近鉄生駒線の概要

近鉄生駒線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/14 01:53 UTC 版)

生駒線
1021系による普通生駒行き
信貴山下駅 - 勢野北口駅間)
基本情報
日本
所在地 奈良県
起点 王寺駅
終点 生駒駅
駅数 12駅
路線記号 G
開業 1922年5月26日
最終延伸 1927年4月1日
所有者 近畿日本鉄道
運営者 近畿日本鉄道
車両基地 西大寺検車区
使用車両 1021系、1031系
路線諸元
路線距離 12.4 km
軌間 1,435 mm標準軌
線路数 複線(東山 - 萩の台間、南生駒 - 生駒間)
単線(上記以外の区間)
電化方式 直流1,500 V 架空電車線方式
閉塞方式 自動閉塞式
保安装置 近鉄型ATS
最高速度 65 km/h[1]
テンプレートを表示

概要

奈良県西部にある生駒山地の東側を走る。沿線には住宅地が広がり大阪・奈良への通勤路線となっている。正式な起点は王寺駅だが、列車運行上は生駒駅から王寺駅へ向かう列車が下り、逆方向が上りとなっている。

PiTaPaICOCASuicaなどの全国相互利用サービスのIC乗車カードが使用できる。また、以前はスルッとKANSAI対応カードおよびJスルーカードにも対応していた。

路線データ

全線、大阪統括部(旧上本町営業局)の管轄である。

沿線概況

停車場・施設・接続路線
A 奈良線
生駒トンネル
Y17 鳥居前駅 Y 生駒鋼索線
0.0 G17 生駒駅
C けいはんな線
0.7 仮新生駒駅 -1927
1.2 G18 菜畑駅 竜田川(生駒川)
2.3 G19 一分駅
第二阪奈有料道路
南生駒車庫
3.5 G20 南生駒駅
4.5 G21 萩の台駅
5.4 G22 東山駅
5.5 東山駅 -1993
竜田川
6.7 G23 元山上口駅
7.9 G24 平群駅
竜田川
9.3 G25 竜田川駅
10.7 G26 勢野北口駅
11.5 G27 信貴山下駅
東信貴鋼索線
大和川
JR西関西本線 大和路線
12.4 G28 王寺駅
I43 新王寺駅
JR西: 和歌山線
I 田原本線
JR西:関西本線( 大和路線)

生駒山地と矢田丘陵に挟まれた場所を、ほぼ国道168号および竜田川に沿って走っている。生駒駅では奈良線けいはんな線が乗り入れ、生駒鋼索線(生駒ケーブル)の鳥居前駅が近接している。

生駒線は専用ホームの5・6番のりばから発車している。駅を出てすぐに右にカーブして南下を始め直進する。しばらくすると高架になり、国道168号のバイパスと竜田川との交点にある菜畑駅から竜田川の左岸を走る。高架を下って住宅地が広がる中を進み、一分駅を過ぎると第二阪奈有料道路をくぐり、南生駒駅に到着する。南生駒駅から次の萩の台駅まで単線で、そこから再び複線になり、次の東山駅からは再び単線になる。東山駅は掘削部にホームが設置されており、東山駅を出ると下り勾配が続く。トンネルを3つ過ぎると急カーブが続くようになり、渓谷の中を走るようになり元山上口駅に到着する。萩の台駅 - 元山上口駅間は輸送改善工事により新線に切り替えられており、東山駅も移設されている。この際に路線総延長が12.6kmから12.4kmとなった。

その後、平群町の中心駅、平群駅に到着し、ここで列車交換を行う。次は、在原業平の和歌で知られる竜田川を渡ると竜田川駅に到着し、右にカーブして新興住宅地の中にある勢野北口駅信貴山下駅と続く。信貴山下駅は三郷町の中心駅で、奈良側からの信貴山への入り口として、かつて東信貴鋼索線(東信貴ケーブル)が接続していたが1983年に廃止されており、その廃線跡の一部は道路に転用されている。

信貴山下駅を出発すると左に大きくカーブし、大和川を渡って関西本線大和路線)や和歌山線田原本線新王寺駅との乗換駅である終点の王寺駅に到着する。

運行形態

王寺駅 - 生駒駅間の全線運転列車が基本的には1時間に3本運転されており、朝夕時間帯に全線運転列車が毎時4本(正確には最大13.3分間隔)運転されるほか、東山駅 - 生駒駅間の区間運転がある。全列車が各駅に停車し、通過駅を伴う列車の運行はない。

2004年3月18日から全列車でワンマン運転を実施している(20m車両4両編成によるワンマン運転は近鉄初、かつ唯一である)。過去には車庫があった南生駒駅発着の列車もあったが、1987年9月のダイヤ変更で萩の台駅発着となり、1993年の東山駅の移設後に実施したダイヤ変更(1994年3月)以後は東山駅発着となった。

運転本数に関しては2020年3月14日変更のダイヤでは、王寺駅 - 生駒駅間の全線運転列車は平日ダイヤで1日70往復、土休ダイヤで1日68往復、東山駅 - 生駒駅間の区間運転列車は平日ダイヤの朝方に6往復、夕方から夜間に3往復、土休ダイヤの朝方、夕方から夜間にそれぞれ2往復運転されている。東山駅 - 王寺駅間の単線区間では平群駅で一部列車を除き列車交換が行われる「ネットダイヤ」を形成している。

2017年10月23日の台風21号による勢野北口駅 - 竜田川駅間の土砂災害以降、同区間の一部で徐行運転が行われていた。この区間は単線であり、従来約15分間隔、1時間に4本を基本とするダイヤで運転されていた。2017年10月25日に運転は再開されたが、被害による徐行のため遅延が常態化し、15分間隔の運行が維持できなくなった。このことから、同年11月6日より、東山駅 - 王寺駅間は約20分間隔、1時間に3本運転(一部時間帯は4本)を基本とする臨時ダイヤに変更された。また、このダイヤ変更でそれまでは運行されていなかった平日夕方や土休日朝夕にも、東山駅発着の区間運転列車が設定された。2018年3月17日のダイヤ変更でもこの運行形態が継承されている。臨時ダイヤの詳細は「1988年からの近畿日本鉄道ダイヤ変更#2017年(未実施)」を参照。

2020年3月14日のダイヤ変更から、勢野北口駅 - 竜田川駅間の一部での徐行運転を終了し、朝夕時間帯の生駒駅 - 王寺駅間の列車を毎時4本運転としている[2]

大晦日から元旦にかけての終夜運転は、2000年代以降は生駒駅 - 王寺駅間に普通を60分間隔で運転しているが、2009年12月31日から2010年1月1日にかけての終夜運転では、2010年が「寅年」で信貴山朝護孫子寺への初詣客が例年より多くなることが予想されたことから、例年よりやや多い10往復が運転された[3]

2022年5月16日には生駒線・旧東信貴鋼索線開業100周年を記念して王寺駅 - 大阪上本町駅間で臨時急行(生駒線内は各駅停車)が1往復運転された[4]


  1. ^ a b 寺田裕一『改訂新版 データブック日本の私鉄』 - ネコ・パブリッシング
  2. ^ 2020年のダイヤ変更について (PDF) - 近畿日本鉄道 2020年1月21日
  3. ^ 年末年始ダイヤのご案内(大阪) (PDF) - 近畿日本鉄道 2009年11月10日
  4. ^ a b 生駒線・旧東信貴鋼索線開業100周年記念イベントを実施します (PDF) - 近畿日本鉄道 2022年04月28日
  5. ^ 近鉄生駒線に8810系が入線 - 鉄道ファン・railf.jp 鉄道ニュース、2018年5月10日掲載
  6. ^ a b c d 日本鉄道旅行地図帳 p. 25
  7. ^ 和久田康雄『私鉄史ハンドブック』(電気車研究会 1993年)では「新生駒」となっていたが、正誤表 では「生駒」と訂正。
  8. ^ “近鉄生駒線生駒-菜畑間 あす複線運転開始”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1994年2月9日) 
  9. ^ Jスルーカードの利用終了について (PDF) - 近畿日本鉄道 2008年12月2日
  10. ^ 台風第21号による被害状況等について(第3報) (2017/10/23 12:00現在) (PDF) - 国土交通省
  11. ^ 台風第21号による被害状況等について(第4報) (2017/10/24 7:00現在) (PDF) - 国土交通省
  12. ^ 一部運休の近鉄生駒線が全線で運転再開 線路流入土砂の「撤去完了」 - 産経新聞、2017年10月25日
  13. ^ “近鉄生駒線と東信貴鋼索線が開業100周年で式典”. 奈良新聞 (奈良新聞社). https://www.nara-np.co.jp/news/20220517212644.html 2022年5月17日閲覧。 
  14. ^ 駅別乗降人員 生駒線 田原本線 信貴線 けいはんな線 - 近畿日本鉄道


「近鉄生駒線」の続きの解説一覧




固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「近鉄生駒線」の関連用語

近鉄生駒線のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



近鉄生駒線のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの近鉄生駒線 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2024 GRAS Group, Inc.RSS