日本の元首 概要

日本の元首

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/18 04:50 UTC 版)

概要

元首とは首長、または国際法で対外的に一国を代表する機関であり、君主国では君主共和国では大統領などである[1][2]。君主とは、伝統的には国家における唯一の主権者であり[3]君主制語源は「ただ一人の支配」(ギリシア語の「モナルケス monarches」)を意味する[4]

『百科事典マイペディア』によれば、元首は国内的には統治権(少なくとも行政権)と、条約締結、外交使節の任免・接受、軍隊統帥外交特権(外国滞留中)を持つ[5]

日本大百科全書』によると、現憲法〔日本国憲法〕では元首を定める規定がないためさまざまな見解が主張されている[6]政治学者の河合秀和が言うには、象徴天皇を元首とする説、実質的機能を鑑みて内閣ないしその首長たる内閣総理大臣を元首とする説、元首は不在とする説などがある[7]田中浩芦部信喜によると学説の多数は、内閣または内閣総理大臣が元首であるとしている[6][8]

法学書『基本法コンメンタール 憲法(第五版)』には、次の解説がある[9]

明治憲法4条にいう「元首」は、国家有機体説に由来する概念をもって、唯一絶対にして統治権を総攬する君主を「元首」と定めたのである(明憲1・4・13など)。日本国憲法の天皇が、このような意味での「元首」でないことは、いうまでもない[9]

前掲書によると、「元首(:the head of state, :Staatsoberhaupt)」という概念は君主制末期に、国家有機体説と結びついて発明された[10]。そこでは君主は国家の諸活動の源泉とされ、人間の諸活動の源泉である頭脳になぞらえて、「元首」と表現された[9]。「元首」という概念は、かつて生成期には「君主」と密接不可分であったが、そこから離れて共和制の「大統領」をも「元首」と考えるようになった[9]。そして徐々に、行政権の担い手としての性格が希薄化していき、「国家を対外的に代表する資格(具体的には、条約締結権を含む外交問題処理の権能)」を有することが「元首」の基準として用いられるようになった[9]。したがって、対外的代表権を判断基準にするならば「象徴天皇は『元首』に当たらない」と考えられている[9]







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