扁桃炎
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/09 14:56 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動扁桃炎 | |
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膿栓と腫大・発赤した扁桃が認められる | |
分類および外部参照情報 | |
診療科・ 学術分野 | 家庭医療, 感染症内科学, 耳鼻咽喉科学 |
ICD-10 | J03, J35.0 |
ICD-9-CM | 463 |
DiseasesDB | 13165 |
Patient UK | 扁桃炎 |
MeSH | D014069 |
扁桃炎が起こる原因
扁桃には免疫細胞が多く[1]、鼻や口から気管や肺へ侵入する病原体やウイルス、細菌に対しての防御機能を果たす。一方で[1]、表面に腺窩が多いため細菌の巣になりやすく、感染源となってしまうこともある。扁桃が病原体に感染し、炎症が起きた状態が扁桃炎(急性扁桃炎)である。扁桃を腫らし始めるのは2-3歳ごろからで、6-9歳でピークを迎える。扁桃は口の奥にあり、ここが炎症を起こすと赤くなり、白い膿栓が付くこともある[1]。
口蓋扁桃は4歳から8歳の時期に最も活発になり、大きさも最大になるが、その後、徐々に小さくなり。大人ではほとんどわからなくなる。大人になっても扁桃が小さくならずに炎症が続き、ある程度の大きさを保っているのを、慢性扁桃炎と呼ぶ。この場合、扁桃に病原菌が常在していると、抵抗力が弱った時や、新たに細菌の侵入を受けた時などに、扁桃にある病原菌の力が体の抵抗力を上回るため、扁桃炎が起きる。
症状
主な症状としては38度以上の発熱、咽頭の痛み、悪寒戦慄、 倦怠感、頭痛、関節痛に加え[1]、顎の下や頚部のリンパ節の腫れなどで、痛みが耳や側頭部に広がることもある[2]。高熱を出すため、高熱に特徴的な症状が多い[1]。扁桃炎は鼻かぜから起こることもあり、また、扁桃炎がもとで鼻や喉頭、気管などに炎症が起こって、結果的に風邪の症状となるため、扁桃を腫らす傾向のある人は風邪をひきやすい、あるいは、風邪をひくとすぐ咽頭が腫れるとみなされがちである。また関節痛が出ることもある。風邪に続いて起こることが多い。また膿栓が広がって、扁桃の表面にある陰窩を白色の膜で覆うようになる。これを陰窩性扁桃炎という。原因となるのは溶連菌、ブドウ球菌、肺炎球菌等があげられる。しかし事前に風邪を引いている段階で抗生物質が用いられると、原因が特定できない場合も多い[2]。
急性扁桃炎で、さらに奥にある扁桃に炎症が及ぶと扁桃周囲炎となる。扁桃周囲炎は、急性扁桃炎が治りかけたころに手当てを怠り、悪化した結果の症状で、高熱と激しい咽頭の痛みがある。片側の口蓋扁桃の上に膿瘍ができ、赤く腫れて化膿するため口臭が強くなる[2]。
扁桃炎を起こすウイルス
扁桃炎を起こす細菌
溶連菌感染の場合の合併症として、下記の3つがあげられる。
[1];。。。
慢性扁桃炎
慢性扁桃炎は、年に何回も扁桃炎を繰り返して高熱を出す。扁桃のくぼみに細菌が蓄積され、これが原因で全身感染を起こすこともある。また、扁桃腺周囲炎の状態で膿がたまると扁桃腺周囲膿瘍になる。このような症状は溶連菌感染によるものが多いとされるが、他に黄色ぶどう球菌や肺炎球菌、およびウイルスによるものがある。暴飲暴食や過労、咽頭の乾燥などが主な原因で、血液検査をすると、白血球数の増加とCRP値(炎症の程度を示す検査値)の上昇が認められる。また、細菌検査をすれば発生原因となる菌が検出される。他にワンサン・アンギーナ、単核細胞性アンギーナ、無顆粒細胞性アンギーナがあり、単核細胞性アンギーナは、骨髄の病気である伝染性単核症によって引き起こされる[2]。
急性扁桃炎が慢性化したのが慢性扁桃炎である。慢性扁桃炎には突然急性化する場合があり、急性の症状を、1年に3回から5回にわたり繰り返す場合を特に習慣性扁桃炎と呼ぶ。習慣性扁桃炎では、病巣感染といって関節や腎臓、皮膚など、ほかの部位にも病気が起こることがある。
慢性扁桃炎の種類
慢性扁桃炎は「習慣性扁桃炎」、「慢性単純性扁桃炎」、そして「扁桃病巣感染症」の3種類に分けられる。
習慣性扁桃炎
子供に多い。3歳頃から発症が始まり、6歳位がピークとなる。通常成人するまでには納まるが、大人になってから発症することもある。
<症状>
- 咽頭痛
- 高熱
- 嚥下痛
- 耳放散痛
- 倦怠感
ただし、安定期に症状が出ることはない。
慢性単純性扁桃炎
ほとんどの場合、大人が感染する。原因は飲酒・喫煙などで、急性扁桃炎からそのまま移行することもある。
<症状>
- 咽頭の痛み
- 微熱
- 乾燥
- 刺激物をとるとしみる
- 喉に異物感
扁桃病巣感染症
腎臓、皮膚、関節などの病気を併発する。
<症状>
- ^ 元々は「扁桃腺」とよばれていたが、分泌腺ではないので「扁桃」が正式名称である。扁桃には、口蓋扁桃(こうがいへんとう)、舌扁桃(ぜつへんとう)、咽頭扁桃(いんとうへんとう=アデノイド)、耳管扁桃(じかんへんとう)などの種類があるが、一般に扁桃と云えば口蓋扁桃のことである。
扁桃炎と同じ種類の言葉
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