岡田奈々 岡田奈々の概要

岡田奈々

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/17 14:00 UTC 版)

岡田 奈々
出生名 矢井 弘子
生誕 (1959-02-12) 1959年2月12日(65歳)
出身地 日本岐阜県岐阜市[1]
学歴 鶯谷女子高等学校 転出
堀越学園高等学校 卒業
戸板女子短期大学 中退[1]
ジャンル アイドル歌謡
職業 歌手、女優
活動期間 1975年 - 1980年 (歌手)
1975年 - (女優)
レーベル NAVレコード
(1975年 - 1980年)
キャニオン・レコード
(1986年)
ポニーキャニオン
(1989年 - )
事務所 ボンド企画[2]
小林事務所
アイティ企画
共同作業者 松本隆森田公一佐藤健

人物・来歴

1959年(昭和34年)2月12日岐阜県岐阜市鏡島に生まれる[2][5]。生家は稲葉郡鏡島村(1955年岐阜市に編入)で、代々絹織物業(岐阜縮緬など)を営んでいた旧家であった[5]

1974年6月、岐阜市の鶯谷女子高等学校高校1年在学時に、岐阜市の繁華街・柳ヶ瀬を歩いていた時にレコード店にキャンペーンで来ていたある歌手のスタッフにスカウトされたのがデビューのきっかけ[6]。同年、オーディション番組『あなたをスターに!』の第2回チャンピオンとなり、翌1975年5月10日、16歳でシングル『ひとりごと』がNAVレコードより発売され歌手としてデビューした。占いによると本名は「芸能界に向かないばかりか全体的に字画が悪い」[3]ということで芸名を付けることになり、芸名は父が養蜂業であることから[7]菜の花の優しく可憐なイメージから所属事務所社長が命名[7]。最初は「菜々」にしようと思ったが、姓名判断で字画を考えた上で「奈々」に変更した[3]。「岡田」はやはり占いで、四角張った字がいいということから決定した[3]

デビュー後、すぐにお茶の間で人気が爆発し[8]松竹と年間3本の映画出演契約を交わす[8]ライオン油脂エメロンシャンプー」や[8]ポッキーの初代CMガール(1975年 - 1980年)や、『俺たちの旅』での田中健演ずる中谷隆夫の妹・中谷真弓役、1976年のシングル『青春の坂道』のヒットなど[9]、清純・正統派アイドルとして活躍[1]

1977年3月、堀越高等学校を卒業、同年4月、戸板女子短期大学に進学した。

1977年7月15日午前2時ごろ、自宅にて一人でいたところ、ベランダから覆面の男が押し入る事件が起きた[10]。この時、岡田は犯人の持つ果物ナイフによって右手親指の付け根と左手の掌に30針の重傷を負い、ネクタイで拘束された[10]。犯人は怪我をした岡田に簡単な応急手当てを行った後、「(犯行の)覚悟はできている。あんたのファンでどうにも気持ちが抑えられない。許してくれ。朝には帰る」などと一人でしゃべりまくり、朝7時には岡田の拘束を解いて玄関から出て行ったという[10]。その後、通報を受けた警察の捜査を経て所属事務所は記者会見を開き、岡田は両手を包帯につつまれつつ「犯人は意外と親切だったが、生きた心地がしなかった」と事件の顛末を説明した[10][11]。当時、岡田はテレビドラマ『俺たちの朝』にレギュラー出演中でもあったが、事件の2日後には仕事を開始したという[12]。この折の犯人は以降も逮捕されぬまま[11]時効成立した[1]

20歳となった1979年からは女優業に本格転向し、短期大学中退した。その後は、『戦国自衛隊』(1979年)や『里見八犬伝』(1983年)といった全盛期の角川映画や、『不良少女とよばれて』(1984年4月 - 1984年9月)や『スクール☆ウォーズ』(1984年10月 - 1985年4月)、『ポニーテールはふり向かない』(1985年10月 - 1986年3月)などの大映ドラマで活躍した[1]。作家の安部譲二は岡田の熱烈なファンで、自身原作の映画作品に出演依頼をしてこれを実現させたのが、1987年の『塀の中のプレイ・ボール』であった。

10代のころに石井輝男監督の東映最後の作品『暴力戦士』(1979年)に出演した縁で、石井の劇場用映画への復帰作『ゲンセンカン主人』(1993年)、続けて『無頼平野』(1995年)に出演、ヒロインを演じた。石井は「彼女のような顔が、好み」だという[13]。プライベートは独身だが、映画『ラブ&ポップ』(1998年)やテレビドラマ『ストロベリー・オンザ・ショートケーキ』(2001年)では主人公の母親役を演じている。

近年では清純派を脱皮する演技力を見せている[1]

同姓同名で元AKB48の岡田奈々の認知度が高くなって以降は、「昭和の岡田奈々」とも呼ばれている[14]

ディスコグラフィ

シングル

# 発売日 A/B面 タイトル 作詞 作曲 編曲 規格品番
NAVレコード
1 1975年
5月10日
A面 ひとりごと 松本隆 都倉俊一 NA-19
B面 ひとりぼっちの幸福
2 1975年
8月25日
A面 女学生 NA-25
B面 放課後 都倉俊一 高田弘
3 1975年
12月10日
A面 くちづけ 森田公一 竜崎孝路 NA-28
B面 青いめまい
4 1976年
3月10日
A面 青春の坂道 瀬尾一三 NA-32
B面 恋はかくれんぼ 竜崎孝路
5 1976年
6月10日
A面 若い季節 佐藤健 瀬尾一三 N-2
B面 雨のテレフォン 瀬尾一三
6 1976年
9月10日
A面 手編みのプレゼント 佐藤健 瀬尾一三 N-6
B面 地図のない旅 瀬尾一三
7 1976年
12月21日
A面 かざらない青春 佐藤健 瀬尾一三 N-10
B面 プリーズ・プリーズ 瀬尾一三
8 1977年
4月10日
A面 そよ風と私 藤公之介 森田公一 高田弘 N-13
B面 二人乗りのしのび逢い
9 1977年
7月10日
A面 らぶ・すてっぷ・じゃんぷ 有馬三恵子 萩田光雄 N-18
B面 海のシンフォニー
10 1977年
9月25日
A面 求愛専科 船山基紀 N-21
B面 さよならは知らない
11 1978年
2月10日
A面 バイバイ・ララバイ 竜真知子 佐藤健 萩田光雄 N-24
B面 愛って何ですか
12 1978年
4月25日
A面 だめですか たかたかし 馬飼野康二 J.Fibby N-27
B面 オー・ビューティフル・ラヴ 羽根田武邦 大浜和史
13 1978年
9月21日
A面 湘南海岸通り 馬飼野康二 戸塚修 N-33
B面 フラッシュ・バック 三浦徳子 和泉常寛
14 1979年
3月21日
A面 賭け 山川啓介 佐藤健 N-39
B面 バク
キャニオン・レコード
15 1980年
10月21日
A面 静舞 三浦徳子 佐藤健 7A-0024
B面 不意打ち
キングレコード
16 1986年
2月5日
A面 イッツ・フォー・ユー 小比類巻かほる 竹澤好隆 渡辺博也 T07S-1076
B面 長い夜 椎名恵 渡辺博也

アルバム

オリジナル・アルバム

ベスト・アルバム

  • 岡田奈々 オリジナル・ベスト・コレクション(1976年11月)
  • 岡田奈々 ベスト24(1977年12月)

ライブ・アルバム

  • セブンティーン! 岡田奈々バースデイコンサート(1976年5月10日)[15]

CD

  • 岡田奈々 スーパーベスト (1986年11月5日発売、廃盤)
  • 岡田奈々 (1989年8月21日発売、廃盤)
  • お元気ですか?岡田奈々with Love (1990年11月21日発売、廃盤)
  • 憧憬 (1990年11月21日発売、廃盤)
  • MYこれ!クション 岡田奈々 BEST (2001年10月17日発売)
  • ぼくらのベスト アルバム復刻シリーズ 岡田奈々1 (2004年4月21日発売)
『奈々のひとりごと』『憧憬 (あこがれ)』『セブンティーン! 岡田奈々バースディコンサート』『握手しようよ』
  • ぼくらのベスト アルバム復刻シリーズ 岡田奈々2 (2004年5月19日発売)
『'77新しい日記帳』『クリーム・ソーダ』『バイバイ・ララバイ/愛のフィナーレ』『Mr.アレンジャー』
  • 「岡田奈々」SINGLESコンプリート (2007年7月18日発売)
  • 憧憬+シングルコレクション (2008年7月16日発売)
  • ザ・プレミアムベスト 岡田奈々(2012年11月21日)
  • ゴールデン☆アイドル 岡田奈々(2015年11月18日)
  • Myこれ!Lite 岡田奈々(2016年5月18日)

CD & DVDコンプリートボックス

  • 岡田奈々“my gratitude”(2019年5月22日発売)[16]

タイアップ曲

楽曲 タイアップ
1976年 青春の坂道 日本テレビ系テレビドラマ「俺たちの旅(第22話)」挿入歌
松竹映画「青春の構図」挿入歌
1980年 静舞 テレビ朝日系テレビドラマ「江戸川乱歩の美女シリーズ(第13作)」主題歌
1985年 イッツ・フォー・ユー TBS系テレビドラマ「ポニーテールはふり向かない」挿入歌

  1. ^ a b c d e f 別冊宝島2551『日本の女優 100人』p.99.
  2. ^ a b 「決定!保存版 '76 ALLスタアLIST 岡田奈々」『スタア』1976年2月号、平凡出版、89頁。 
  3. ^ a b c d 週刊テレビ番組(東京ポスト)1983年4月1日号「芸名由来記」64頁
  4. ^ “ホープです キャニオン 岡田奈々 『回り道してやっと歌手に…”. サンケイスポーツ (産業経済新聞社): p. 11. (1975年6月2日) 
  5. ^ a b 明星』1976年3月号
  6. ^ 岡田奈々、デビュー45周年 伝説の美少女はいま”. THE PAGE (2019年3月7日). 2019年3月8日閲覧。
  7. ^ a b 「スターの芸名はどうして作られたの 芸名をつけたエピソード」『近代映画』1976年10月号、近代映画社、168頁。 
  8. ^ a b c “岡田奈々 茶の間からジャンプ 松竹 早乙女愛 浅田美代子と共演 映画にも進出 詩集も刊行 さわやかな16歳”. デイリースポーツ (神戸新聞社): p. 5. (1975年11月13日) 
  9. ^ 週刊アサヒ芸能 2012年6月28日特大号 俺たちが愛した美少女選抜BEST30 第1弾・70年代編
  10. ^ a b c d 週刊平凡 1977年7月28日号「岡田奈々、強盗に刺される! 深夜マンションで恐怖の5時間」
  11. ^ a b 夕刊フジ「美女図鑑」2005年12月6日の記事にも掲載。
  12. ^ 日本テレビオシャレ30・30』(1989年2月28日放送)出演時の本人コメントが、夕刊フジ「美女図鑑」2005年12月6日掲載の記事に引用されている。
  13. ^ 石井輝男福間健二『石井輝男 映画魂』(ワイズ出版、1991年12月 ISBN 4948735086)の記述を参照。
  14. ^ 芸能界に「なな」ブーム 清野菜名、小松菜奈、岡田奈々も”. NEWSポストセブン. 小学館 (2018年6月29日). 2023年11月16日閲覧。
  15. ^ 2004年にCD化。
  16. ^ 岡田奈々、感謝の33年ぶり新曲!45周年記念CD&DVDボックス発売へ - サンスポ 2019年2月18日
  17. ^ WEBザテレビジョン|第6話


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