リンゴ 品種

リンゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/13 03:39 UTC 版)

品種

世界中では約1万5000以上の品種が存在するとみられており、日本には約2000種類あるといわれている[29]。日本の農林水産省に登録されている品種は177種で、うち品種登録が維持されているものは85種[41]。多くの有名な品種は誕生年が古く、品種登録されていない。前述のとおり多くの品種があるものの、国内リンゴ品種は主に7つの起源品種(国光、デリシャス、ゴールデンデリシャス紅玉、ウースターペアメイン、印度およびコックスオレンジピピン)に由来している[42]。品種の特徴の記述に、早生、中生、晩生といった収穫時期による分類が使われることがある。例えば青森県ではそれぞれ、8月20日頃までを極早生、9月20日頃までを早生、10月20日頃までを中生、それ以降を晩生としている[43]

「ふじ」

ふじ」は1962年に青森県藤崎町で誕生し、日本で最も一般的に栽培され、世界において最も生産高の高い品種である。日本国外にも盛んに輸出され、名前も日本語の発音と同じ「Fuji」の名で親しまれている。中国・韓国・北アメリカ・オーストラリアなどでの栽培も多く、世界的にも最も生産量の多い[注 1]品種であることが2001年に米国人学者達による調査によって確認された。無袋で日光を十分に浴びさせて栽培したものは「サンふじ」の名で出荷される(「サンふじ」はJA全農長野の登録商標)[44]。早い時期に市場に出回る早生(わせ)ふじは同じ糖度の果実であっても甘みや酸味にばらつきがある。見た目は赤く色づいていても「ふじ」らしい食味がないことがある。ふじを品種改良をしたものは、小玉のふじ「姫ふじ(ひめふじ)」のほか「千秋」「こうこう」「シナノスイート」「北斗」「こうたろう」「ハックナイン」など多数である。

クラブリンゴ類

クラブリンゴ類ロシア語版(クラブ・アップル:Crab apple)とは果実の小さいリンゴ属植物の総称。日本では小玉リンゴ姫リンゴといった総称で知られる。

特徴として一般的なリンゴに比べて果実が小さく、直径は 2, 3 cmから大きくても約5 cm程度、重さはわずか数グラムのものから大きくても約150 gほどにしかならない。果実の食味は一般的な林檎に比べて劣っていることから、縁日で売られるりんご飴や果実酒など主に加工用として用いられている。樹勢が小振りなため、街路樹や庭木や鉢植えでの観賞用としても用いられる。加工用として用いられる代表的な品種には「アルプス乙女」「姫小町」「あおもり乙女(ミニふじ)」「彦根りんご」「ワリンゴ」「ドルゴクラブ」などがある。観賞用として用いられる代表的な品種には「エゾノコリンゴ」「ズミ」などがあり、「ヒメリンゴ」の別名を持つ「イヌリンゴ」も観賞用に用いられている。

また「フラワーリング・クラブ・アップル」(Flowering crab apple) という種類は、花の観賞用として品種改良されたクラブリンゴ類である。リンゴ属であるためリンゴに似た 1, 2 cmくらいの赤い小さな実をつけることもあるが、結実しないことも多く、食用には不向き。代表的な品種として「ハナカイドウ」「長崎りんご(ミカイドウ)」「ウケザキカイドウ」「ノカイドウ」などのカイドウ類が知られており、これらは別名「ハナリンゴ」とも称されている。

主要品種と特徴

品種名 登録年
育成地(機関)
元となる品種 収穫時期 特徴 備考
ふじ 1939年
農研機構[注 2]
国光
×
デリシャス
(Red Delicious)
10月中旬 - 日本国内の栽培が最も多く、世界的にも最も多く生産される品種。農林省の新津宏らが戦前に青森県で始めた育種の努力が実を結び、1958年に「東北七号」と仮称命名され、1962年に「ふじ」と命名された。品種名の由来は、育成地である青森県藤崎町(ふじさき)に因み、「富士山」にもかけているほか、育種者の一人が山本富士子のファンだったことも由来の一つ[45]。甘みが強く歯ごたえも良く、日持ちもする。袋がけをしないで日光に当てて栽培したものは「サンふじ」の名で出荷される。 [5]
レッド
デリシャス

(Red Delicious)
1870年
アメリカ
アイオワ州
偶発実生 9月中旬
- 10月上旬
年間生産量約930万t。日本では単に「デリシャス」と呼ばれることもある。1913年に岡山県「花房省吾」が導入したとされるが、1911年カリフォルニア州より北海道大学が導入[46]との説もある。
似た名前にゴールデンデリシャスがあるが、系統的には無関係。
ゴールデン
デリシャス
1914年
アメリカ
ウェストバージニア州
グライムス
ゴールデン

×
GoldenReinette
9月中旬
- 10月上旬
年間生産量約880万t。1923年日本に導入された。
王林
(おうりん)
1952年
福島県
伊達郡
桑折町
大槻只之助
ゴールデン
デリシャス
×
印度
10月中旬 - 緑色の果皮に斑点のついた外見が特徴の晩生品種で、果肉はやわらかくて果汁が多く、香りと甘みが強い。
貯蔵性が非常に優れており、春先まで出荷される。緑や黄色の状態で流通するのが一般的だが、果実が赤く色づくこともある。
[47]
紅玉
(こうぎょく)
英名:Jonathan
(ジョナサン)
1800年頃
アメリカ
ニューヨーク州
リック農園
偶発実生 9月下旬
- 10月中旬
アメリカ原産の古くからある品種。1871年に開拓使によって導入され、1900年に邦名を紅玉と命名された。
その名の通り艶やかな深紅のリンゴで、やや小玉で酸味が強く、果肉のきめは細かく芳香もある。
戦前は美味しいリンゴの代名詞として、国光とともに一世を風靡。戦後は酸味の強さから後継品種に追われるが、煮崩れしにくいうえに酸味ゆえに加糖調理でも風味を失わない特性があり、アップルパイなど焼き菓子には最適な品種のため、製菓用として根強い需要がある。
[5]
陸奥
(むつ)
英名:Crispin
(Mutsu)
1930年
青森県
ゴールデン
デリシャス
×
印度
大きさは、比較的大振り。贈答用の「文字入りりんご」としても用いられる青森県で育成された品種で、命名の由来は、同名の旧地名より。
香りが強くて果汁が多く、さっぱりした味わいがある。緑や黄色の状態で流通するのが一般的だが、果実が赤く色づくこともある。
[47]
国光
(こっこう)
アメリカ
バージニア州
原産
不明 10月下旬 - 1871年日本に導入。戦前から1950年代にかけては「紅玉」と並ぶ日本では最もポピュラーな品種であった。
原名はRall's Janet.
果皮は黒ずんだ赤色で、果肉はかたく、甘みは少なく比較的さっぱりした味わい。
「ふじ」などの交配親として利用された。現在[いつ?]黒石市でネット販売のみである。
つがる 1930年
青森県
りんご試験場
1975年
種苗登録
ゴールデン
デリシャス
×
紅玉
8月下旬
- 9月中旬
果皮は淡いピンク色。果汁が多く、甘みが強いが果肉は比較的柔らかい。
1970年に「青り2号」と仮称命名され、1973年に「つがる」と命名された。日本国内では「ふじ」に次ぐ生産高で、9月中旬から下旬にを迎える。袋がけしないで日光に当てて栽培したものは「サンつがる」の名で出荷される。
[5]
千秋
(せんしゅう)
1966年
秋田県
果樹試験場
1980年
種苗登録
東光
×
ふじ
9月中旬
- 10月中旬
250グラムと小ぶりで、歯ごたえがあり果汁が多い深紅のリンゴ。千秋公園の名から品種名がとられた。 [48][47]
アルプス乙女
(アルプスおとめ)
1964年
長野県
松本市
波多腰邦男
ふじ
×
紅玉
偶発実生
9月下旬
- 11月中旬
ヒメリンゴの一種で、最小級の大きさのミニりんご。実の重さは35 gほどである。 [47]
姫小町
(ひめこまち)
1988年
長野県
上伊那郡
中川村
(有)小町園
(民間育種)
アルプス乙女
実生
7月下旬
- 8月上旬
ヒメリンゴの一種で鮮紅色、実の重さ約80g - 100gの大きさのミニりんご。アルプス乙女に比して1か月以上早く、初夏に実をつける。観賞・生食兼用種で、実生時期と適度な実の大きさから縁日りんご飴に好んで用いられる。 [49]
世界一
(せかいいち)
(Sekai Ichi)
1930年
青森県
りんご試験場
デリシャス
×
ゴールデン
デリシャス
9月中旬
- 10月上旬
最大級の大きさ(500 - 1000 gほど)の品種で、その大きさが名前の由来になっている。果肉はややかため。 [47]
印度
いんど
1875年
弘前市
不明 9月中旬 - 水分が少なく歯ごたえに欠けるが、甘味が強くて酸味はほとんどない。
戦後、高級リンゴとして出回ったが、他品種が広がると共に一時姿を消す。
2002年頃より再び出荷されるようになった。料理用として焼きリンゴに向く。品種名の由来はインドではなくインディアナから。
[50]

(あさひ)
英名:McIntosh
マッキントッシュ
1870年
カナダ
アラン・マッキントッシュ
農園
偶発実生 10月中旬 北米ではポピュラーな品種。早生で強い芳香があるが、日持ちがしない。
日本では、ほとんど生産がされないが、積雪に強いことから北海道でわずかの農家で栽培されている。
[注 3]
ジョナゴールド
(Jonagold)
1943年
アメリカ
ニューヨーク州
農業試験場
ゴールデン
デリシャス
×
紅玉
9月中旬
- 10月上旬
果皮にわずかに縞が入る。1970年に秋田県果樹試験場によって日本に導入された。
シャリシャリ感がある果肉で酸味と甘みのバランスが良く(比較的酸味が勝る)、生食の他、酸味があるため、ジュースや菓子、料理に向く。
[47]

(いわい)
アメリカ 7月中旬
- 8月上旬
早生の小玉リンゴ。8月下旬に熟するが、8月上旬に未熟な状態で収穫される。
青リンゴ・供物用のりんごとして売られている。
フラワー オブ ケント
Flower of Kent
俗称、ニュートンのリンゴ。落ちる実を見て、ニュートンが万有引力の法則についてヒントを得たという逸話(後述)で知られる。
落果しやすい性質を持ち、生食用ではなく、料理用として使われる。味は渋みと酸味が強いが追熟させると甘く、酸の利いた味になるという。
[51]
シナノスイート 1978年
長野県果樹試験場
1996年
品種登録
ふじ
×
つがる
10月中旬 酸味がほとんどなく、果汁が多くて甘さも強く、香りも良い。「つがる」と「ふじ」の間を埋める品種として開発された。 [52][47]
シナノゴールド 長野県果樹試験場
1999年
品種登録
ゴールデン
デリシャス
×
千秋
10月中旬
- 11月中旬
果皮が黄色く色付き、360グラム前後とやや大きめ。果肉は固く糖度は高めで果汁が多く、甘さと酸味のバランスが良く、濃厚な味わいが楽しめる。
蜜が入らないことから貯蔵性に非常に優れる。日本国内よりヨーロッパでの評価が高く、2007年12月27日SKズードチロルへの栽培許諾の契約がなされた。
[53][47]
秋映
(あきばえ)
1993年
品種登録
長野県中野市小田切健男
千秋
×
つがる
9月下旬
- 10月上旬
甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが楽しめる。果皮の色は濃厚な赤色。
リンゴの産地でも比較的温暖で低標高な地帯でも栽培に適す。つがるの特性を引き継いで、果肉がしっかりしていることと、食味が優れている。
[54][47]
ぐんま名月
(ぐんまめいげつ)
1971年
群馬県
1991年
品種登録
あかぎ
×
ふじ
9月下旬
- 10月下旬
群馬県の育成品種。ピンクがかった黄色の果皮で、果肉がやわらかくて果汁が多く蜜入り、糖度は15度程度で食味も良好[55] [56][57][47]
陽光
(ようこう)
群馬県
1981年
品種登録
10月中旬
- 10月下旬
大玉で甘さと酸味のバランスがよく、濃厚な味わいが楽しめる。
大玉な上に日持ちがよいため、贈答品としても使われる。歯ざわりが良く、食味が優れている。
[58]
紅の夢
(くれないのゆめ)
青森県
2010年
品種登録
紅玉
×
赤肉系の無名品種
果肉まで赤い品種。赤肉品種でありがちな渋味がなく、生食にも向く。弘前大が育成した。果実に光を当てずに育てると、皮は白くて果肉が赤い「逆転リンゴ」となる。着色料を使用せずに赤いリンゴ加工食品が作れるので、ジュースやジャムなどへの利用が試みられている[59]。2010年に品種登録された。品種改良の作業中に、「紅玉」に予定していた花粉とは別の花粉が付いたことにより偶然に得られた。花粉の出所になったリンゴの木は「エターズゴールド」だとされていた品種であったが、その後の調査でその木は「エターズゴールド」ではなく、品種不明のリンゴであることが明らかとなった。コルクスポットという斑点が出やすいという欠点もある。 [60][61]
早生ふじりんご、トキりんご、シナノスイート、王林りんごが店頭で売られている様子
  • 茜(あかね)- 皮は、赤色。大きさは、比較的小振りで酸味が強い。
  • 北上(きたがみ・きたかみ)- 皮は、赤色。大きさは、比較的小振り。命名の由来は、同名の地名より。
  • 金星(きんせい)- 青森県弘前市で育成された「デリシャス」系統の品種。袋がけ栽培では、果皮は黄色系クリーム色になる。大きさは、比較的大振り。さわやかな香りと酸味がある。命名の由来は、同名の惑星より[47]
  • 昂林(こうりん)- 皮は、赤色。大きさは、比較的小振り。「ふじ」の自然交配から生まれた品種。
  • スターキング デリシャス - 下が細くなる長楕円形の果実が特徴。果皮は黒味の強い赤色。大きさは、比較的小振りで酸味もあるが甘味が強い。完熟すると蜜入りのものもあるが、貯蔵性が低い[47]
  • 北斗(ほくと)- 「陸奥」と「ふじ」の交配種で、青森県で育成された品種。皮は、斑模様の赤色。大きさは、比較的大振りで甘味と酸味のバランスが良く甘い。袋がけせずに日光に当てたものは「サン北斗」の名で出荷される[47]
  • 黄王(きおう)- 「王林」と「千秋」の交配種。果皮が黄色く、その姿から「黄色い王様」→「黄王」と名付けられる。黄白色の果肉でやや硬め。香りが良く、果汁が多くて控えめな酸味が特徴で、甘みにも富んだ味わいとサクサクとした歯ごたえ[47]
  • シナノレッド -「つがる」に「ビスタベラ」を交配育成した品種。長円形の中玉で、甘みと酸味のバランスがよい。
  • 紅ロマン - 岩手県の江刺リンゴというブランドの新しい品種。程よい酸味があり、真っ赤なのが特徴。
  • 星の金貨(ほしのきんか、品種名:あおり15) -「ふじ」と「あおり3号」の交配種で、正式な品種名を「あおり15」という。「星の金貨」は登録商標で、2005年に青森県で名称登録された[62]。黄色の薄い皮が特徴。「ふじ」より甘みがある。
  • トキ -「王林」に「紅月」を交配育成したとされ、2004年に品種登録された、遺伝子型解析から「王林」と「ふじ」の交配であれば矛盾なく説明できることが分かった品種。400グラム前後あり比較的大きく、やや円錐形で、果皮が黄色い。果汁が多く、甘みと酸味のバランスがよい。10月上旬から収穫できる[47]
  • さんさ - ニュージーランド国立科学産業研究所において1969年(昭和44年)に農研機構(旧農林省園芸試験場盛岡支場)から送られた「あかね」の花粉を「ガラ」と交配させ生まれた実生。翌年盛岡支場に送られた実生を育成し、「盛岡42号」の系統名で系統適応性検定を受け、1986年(昭和61年)年に農林水産省育成農作物新品種。
  • レッドゴールド - 早生種・10月中旬収穫。蜜が入り、甘味が強く、食味が良い。実は硬めで多汁、250 g前後の円形果。濃い紅色の品種。種子親「ゴールデンデリシャス」×花粉親「リチャードデリシャス」
  • 姫神(ひめかみ)- 種子親「ふじ」x花粉親「紅玉」甘味と酸味のバランスが良く生食にも料理用にもできる。色は濃い赤で蜜が入りやすい。農研機構(旧果樹試験場盛岡支場)が育成。名前の由来は名峰「姫神山」から。
  • ハックナイン - 中生種・10月中旬収穫。甘酸適和で食味良好だが比較的柔らかく多汁。大きさは350 - 400 g程で長円形。果皮は赤色の縞状に着色。種子親「ふじ」×花粉親「つがる」1986年に種苗登録。北海道産りんご品種の第一号。
  • ブレイバーン (Braeburn) - 甘みが強く歯ごたえも良く日持ちもする。甘味と酸味のバランスが良く甘い。皮は、赤色。大きさは、比較的小振り。グラニースミス (Granny Smith) × レディハミルトン (Lady Hamilton) の2種類のリンゴを交配したものと考えられている品種。
  • ピンクレディ (Pink Lady) - レディウィリアムズ('Lady Williams') × ゴールデンデリシャス ('Golden Delicious') の2種類のリンゴを交配した品種。
  • ロイヤルガラ (Royal Gala) - キッズオレンジレッド ('Kidd's Orange Red') × ゴールデンデリシャス ('Golden Delicious') の2種類のリンゴを交配した品種。
  • ジャズ (Jazz) - ブレイバーン ('Braeburn') × ガラ ('Gala') の2種類のリンゴを交配した品種。
  • レッドデリシャス (Red Delicious) - 赤林檎系の品種。日本では単に「デリシャス」と呼ばれることもある。
  • ゴールデンデリシャス (Golden Delicious) - 黄林檎系の品種。'Golden Reinette' × 'グライムスゴールデン' が偶然掛け合わさってできた品種だと考えられている。
  • グラニースミス (Granny Smith) - 青林檎系の品種。Malus domestica × M. sylvestrisが偶然掛け合わさってできた品種だと考えられている。アップルパイを作るのに向いている。
  • ジョナサンJonathan、和名:紅玉)- 偶発実生種。強い酸味と滑らかな舌触りを特徴とする中型種。
  • カメオ (Cameo) - レッドデリシャス ('Red Delicious') × ゴールデンデリシャス ('Golden Delicious') の2種類のリンゴを交配した品種。世界一 (Sekai Ichi) の姉妹品種。
  • ブレナムオレンジ Blenheim Orange
  • ジェイムスグリーブアップル James Grieve apple
  • ノビーラセット Knobby Russet
  • シナノリップ - 長野県果樹試験場が開発し、2018年2月に品種登録された品種。「千秋」と「シナノレッド」の交配種[63]。出荷時期が8月中下旬と早く、強い甘みと酸味、果汁の多さが特徴で、高温でも色づきが良く、赤くなる[64]
  • ブラムリー (Bramley) - イギリス産の品種。果皮は緑色で、甘味は少なく酸味が強い。「クッキングアップル」ともよばれる調理用リンゴで、アップルパイやジャムなどに使われる[47]
  • 大紅栄(だいこうえい) - 青森県弘前市で作られた品種。大きさは400 - 600グラムになる大玉。果皮が紅色になり、酸味が少なく果汁が多い[47]
  • シナノピッコロ - 長野県で作られた2006年(平成18年)登録の品種。大きさ縦5センチメートルほどの小玉のリンゴで、甘味と酸味のバランスが良い[47]
  • しおりの詩 - 青森県で育成された極早生種で、8月中旬に収穫される。果肉がやわらかく、食味はなめらかでさっぱりした酸味がある[47]
  • シナノドルチェ - 長野県特産の「ゴールデン・デリシャス」と「千秋」の交配種。甘酸っぱくて果汁が多い[47]

注釈

  1. ^ 1999年で五割のシェア。
  2. ^ 旧農林省園芸試験場東北支場。
  3. ^ AppleパソコンMacintosh」の名前の由来。

出典

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