バンド理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/22 18:15 UTC 版)
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量子力学によると、束縛状態の電子が取りうるエネルギー準位は、特定の準位のみに限定され飛び飛びに(離散的に)なる。しかし、固体中の外殻電子は、隣接する原子の電子との相互作用によって、電子の取りうるエネルギー準位の幅が広がって連続的(バンド構造)になる。
一方で、電子が取りえないエネルギー準位も依然として存在し、バンドとバンドの間の空隙(ギャップ)となる。これをエネルギーバンドギャップという。
ブロッホの定理によると、結晶中の電子の波動関数(結晶中の電子の電子状態)は、波数と呼ばれる量子数によって指定される。このことが、エネルギーと波数の関係式が原理的に書き下せることを保障している。
エネルギーバンドの特徴は、絶縁体と金属の違いを説明することができる。絶縁体や半導体では、フェルミ準位は価電子帯と伝導帯の間のギャップの中に存在するため、自由電子が存在しない。一方、金属はエネルギーバンドの中にフェルミ準位が存在するため、バンドギャップを超えることなく電子がエネルギーを得ることができる、すなわち、わずかなエネルギーで電子を動かすことができる(電流が流れる)。このような絶縁体、金属の分類の描像は20世紀の半ばには確立されていた。しかし単純なバンド理論では説明できない絶縁状態(モット絶縁体)も存在し、強相関電子系と呼ばれる分野で研究されている。
方法
- ほとんど自由な電子(NFE)
- 自由電子
- 擬ポテンシャル
- 直交化された平面波(OPW)
- 強結合近似(TB近似)
- マフィンティンポテンシャル
- 密度汎関数理論
- グリーン関数法
- グリーン-久保公式
- モット絶縁体
- クローニッヒ・ペニーのモデル
- ハバードモデル
参考文献
- J.N.シャイヴ『半導体工学』神山 雅英, 小林 秋男, 青木 昌治, 川路 紳治(共訳)、岩波書店、1961年。
- 久保 脩治『トランジスタ・集積回路の技術史』オーム社、1989年。
関連項目
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- 1 バンド理論とは
- 2 バンド理論の概要
バンド理論と同じ種類の言葉
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