コンピューティング コンピューティングの歴史

コンピューティング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/16 04:40 UTC 版)

コンピューティングの歴史

コンピューティングの歴史英語版を参照のこと。

コンピューティングの歴史は計算機の歴史より長く、現代的なコンピュータが登場する前に遡れば、機械式計算機、紙とペン、石版とチョーク、パピルスと葦ペン、粘土板と葦ペン、砂と指と石などを使った時代があった。

コンピューティングはの表現方法と密接に関連している。[注釈 1]

現在知られている歴史上最も古い計算道具はアバカスであり、これは紀元前2700年-紀元前2300年ころにバビロニアシュメールで発明されたと考えられている。シュメールのアバカスは砂の上にカラム状の線を引き石を置いて計算するもので、シュメール式の60進法に基づいたものだった[3]。これが最初の計算道具であり、ギリシアのアルキメデスの2000年以上も先を行っていた最先端の計算システムであった。バビロニア人は60進法の計算を、粘土板楔形文字を使って行うこともできた。

古代エジプト人は彼らの数システムを使って物を数え、また数の問題たとえば掛け算分数の問題を解くということも行っていたという証拠がパピルスに残されている。彼らは独特の分数システムを持っており、たとえば現代で「3/4」と書くところを古代エジプトでは(現代風に書くと)「1/2 + 1/4」に相当するような、分割した書き方をし[4]、それを使い分数計算を行った。その計算能力をたとえばピラミッド建設では設計図の作成、必要な石材の数の算出、労働者らへ支給すべき食料の量や給与の額の計算などに活かした。

紀元前3世紀、古代ギリシアのアルキメデスは『方法』を著し、同書で梃子のメカニカルな原理も説明し、そのような原理を数学問題を計算するために使った人物であり、再帰的な手法も用いて数学問題も解き、たとえば「宇宙に存在する砂粒の数」なども計算した。

アンティキラ島付近の沈没船から発見された古代ギリシアのアンティキティラ島の機械紀元前2世紀ころのものだと推定されており、現在確認できる最古の歯車式計算機である。これは天球上の天体の位置を計算するために使われていたと考えられている。


注釈

  1. ^ なお、コンピューティングに必要な数的概念は、命数法が登場する以前からあった。
  2. ^ 1960年代1970年代などまでは
  3. ^ 他にも、MISMRPデータウェアハウスSEM商品ライフサイクルマネジメント、* 地理情報システムEDP、会計・経理処理(会計ソフト)なども含み、広義にはCADCAMなども含む。
  4. ^ アメリカでは多くの大学で「Buisiness Computing」という名称の学科や履修コースが開設されており、このようなコンピュータシステムについて学びたい学生が通う。
  5. ^ 人間に理解できるような仮説を生成し、それを人間に提示し、人間の判断の材料として提供すること
  6. ^ タンジブルな世界ともいう。タンジブル(: tangible)とは、人が手で触れて感じたり、手で動かしたりできるような実体があること。
  7. ^ そのようなコンピュータは英語ではヴィンテージ・コンピュータ(en:vintage computer)という。
  8. ^ 例えば、サーバ等と呼ばれるプログラムは終了せず動き続けるのが基本であるが、そういったものは理論的には「計算可能」に含まれない。

出典

  1. ^ a b The Joint Task Force for Computing Curricula 2005. Computing Curricula 2005: The Overview Report (pdf)
  2. ^ Computing As a Discipline (pdf)
  3. ^ Ifrah, Georges (2001). The Universal History of Computing: From the Abacus to the Quantum Computer. New York, NY: John Wiley & Sons, Inc. ISBN 978-0-471-39671-0.
  4. ^ [2]
  5. ^ [3]
  6. ^ HPE公式サイト
  7. ^ IBM公式サイト、、スーパーコンピューティング
  8. ^ Webio, what is cognitive computing?
  9. ^ NVIDIAのサイト
  10. ^ AWS公式サイト、what is quantum computing?
  11. ^ Denning, Peter J.; Comer, D. E.; Gries, David; Mulder, Michael C.; Tucker, Allen; Turner, A. Joe; Young, Paul R. (1989). “Computing as a discipline”. Communications of the ACM 32 (1): 9–23. doi:10.1145/63238.63239. ISSN 00010782.  "Computer science and engineering is the systematic study of algorithmic processes-their theory, analysis, design, efficiency, implementation, and application-that describe and transform information."
  12. ^ Wegner, P. (13–15 October 1976). "Research paradigms in computer science". Proceedings of the 2nd international Conference on Software Engineering. San Francisco, California, United States: IEEE Computer Society Press, Los Alamitos, CA. Computer science is the study of information structures


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