コッカリル 90mm低圧砲
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/03/03 06:47 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動コッカリル 90mm低圧砲 | |
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種類 | 戦車砲 |
原開発国 |
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開発史 | |
製造業者 | CMI |
諸元 | |
銃身長 | 36-48.5口径長 |
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口径 | 90mm |
初速 | 700から1,345m/s (2,300から4,410ft/s) |
来歴
1974年、CMI社は、装甲戦闘車両向けの90mm砲の開発に着手した。このとき、主力戦車の主砲は既にロイヤル・オードナンス L7を代表とする105mm砲にシフトしていたことから、この新しい90mm砲は低反動の低圧砲として、主力戦車よりも小型・軽量の車両での運用に重点をおいて開発された。
高低圧理論を応用した低圧砲であり、使用する砲弾はMECAR、ロイヤル・オードナンス、GIAT社などによって供給された。Mk.1に続いて開発されたMk.2では、後座長を300mmから500mmに増加させ、改良型の駐退復座機が採用された。また、Mk.3では、さらに閉鎖機にリコッキング機能が付与されているほか、反動も13,000kgから8,500kgに軽減されている。
Mk.1-3砲の砲身は、いずれも特殊なエレクトロスラグ再溶解法(ESR)によって精錬されている。通常は3段式の砲口制退器が採用されているが、1986年に登場したMk.3 MA1では、APFSDS弾の運用に対応して、単段式とされた。
Mk.3
コッカリル Mk.3 90mm砲は、7トン前後の装甲戦闘車両への搭載を狙って設計されており、当初はCM90砲塔システムに搭載されてのセールスが行われていたが、後にCM90を改良したCSE90に移行した。合計で約2,300門のMk.3 90mm砲が生産されている。
- CM90
- 2名用砲塔。Mk.3 90mm砲と、同軸に配された7.62mm機銃、OIP射撃統制システム、キャデラック・ゲージ・テキストロンの二軸式安定化システムを備えており、防弾能力はSTANAG 4569規格レベル1を基本として、顧客の要求に応じてレベル4まで強化することができる。
- CSE90
- CM90をベースに、ナイトビジョンの搭載など、ベトロニクスを強化した改良型。
Mk.3 90mm砲は、下記のような車両への適合性が実証されている。
Mk.8
コッカリル Mk.8 90mm砲は、10トンないし20トン級装甲戦闘車両への搭載を狙って設計されており、LCTS90砲塔システムに搭載されてのセールスが行われている。1992年-1993年にかけて最初の試作砲が完成し、1996年にクウェート軍が採用したのを皮切りに、現在までに4ヶ国が採用している。
Mk.8 90mm砲は、Mk.3よりも砲腔内圧を高め、砲身長も延長することにより、高初速を確保している。これにより、従来の105mmに匹敵する対戦車能力を獲得した。
LCTS90は、安定化された昼間用/熱線暗視サイトと弾道計算コンピュータを備えている。また、砲手用サイトとは独立して、車長用にも全周捜索可能なサイトが設けられている。砲弾の搭載弾数は37発である。また、自己防護用として、66mm、76mmないし80mmの発煙弾発射機を砲塔側面に搭載しているほか、オプションとして、レーザー光線警戒装置を搭載して発煙弾発射機と連接することで、レーザー照射を受けた場合に、その方向に自動的に煙幕を展開できる。
採用国
- モワク ピラーニャ(8×8)
- LAV-AG(Light Armoured Vehicle-Assault Guns)
- AIV(Armoured Infantry Vehicle: モワク ピラーニャIIIC; 8×8)
- 1 コッカリル 90mm低圧砲とは
- 2 コッカリル 90mm低圧砲の概要
- 3 諸元表
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