アディダス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/29 07:03 UTC 版)
ヘルツォーゲンアウラッハのアディダス工場 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | |
本社所在地 |
ドイツ バイエルン州 ミッテルフランケン ヘルツォーゲンアウラハ |
設立 | 1949年8月18日 |
業種 | その他製品 |
事業内容 | スポーツ用品の製造販売 |
代表者 | カスパー・ローステッド(CEO) |
売上高 | 212億3400万(ユーロ)(2021年)[1] |
営業利益 | 19億8600万ユーロ(2021年)[1] |
純利益 | 14億9200万ユーロ(2021年)[1] |
総資産 | 221億3700万ユーロ(2021年)[1] |
従業員数 | 61,401人 (2021年)[1] |
外部リンク |
adidas-group |
沿革
- 1900年 - アディダスの創始者であるアドルフ・ダスラーがドイツのニュルンベルク近郊のヘルツォーゲンアウラハで、靴職人の息子として誕生。
- 1920年 - ニュルンベルク近郊のヘルツォーゲンアウラッハで、兄ルドルフ・弟アドルフのダスラー兄弟が靴製造の会社「ダスラー兄弟商会」を設立、主にルドルフが販売、アドルフが生産を担当した[2]。
- 1933年 - ダスラー兄弟がナチス党に加入し国家社会主義自動車軍団のメンバーとなる[3]。アドルフはヒトラーユーゲント「スポーツ課」にも所属した[4]。ダスラー兄弟商会はドイツ国防軍調達の靴会社で最大手になった[注釈 1]。
- 1943年 - 靴工場が対戦車砲工場として使用されるようになった[5]。
- 1945年 - 戦後、米軍が兵器製造に使用された靴工場を解体しかけたが、アドルフの妻の嘆願により解体を免れた[6]。
- 1948年 - 兄弟の意見対立により「ダスラー兄弟商会」を解消、アドルフはアディダス社を設立した[2]。社名の「アディダス」はアドルフの愛称「アディ」と「ダスラー」をつなげたもの[2]。なお、兄ルドルフはアウラハ川の対岸にRUDA社を設立。これが翌年、プーマ社となった。川を挟んで両社は地域を含めた競争に発展、親がどちらに勤めているかで入学する小学校が決まり、サッカーの試合ではそれぞれの靴を履いて対戦した[2]。
- 1951年 - フィンランドのスポーツブランドカルフより3本線(スリーストライプ)の登録商標の権利譲渡を受ける。
- 1965年 - テニスシューズ「ハイレット」を発表。これが後の「スタンスミス」となった。
- 1970年 - オールレザーのバスケットシューズ、「スーパースター」発表。
- 1970年以降、アドルフの息子であるホルスト・ダスラーが実権を握り始める。ホルストはスポーツ広告代理店インターナショナル・スポーツ・アンド・レジャー(ISL)を電通と共同で設立し、フアン・アントニオ・サマランチ(第7代IOC会長)やジョアン・アヴェランジェ(第7代FIFA会長)、プリモ・ネビオロ(第4代IAAF会長)らといったスポーツ界の大物達と太い人脈を持ったことなどから、後の近代オリンピックやFIFAワールドカップといった大規模なスポーツイベントの商業化に大きな影響を与えたとされる[7]。また、これによりスポーツ界全般においても大きな力を持つようになった。この時期、アディダスは売上高で世界一のスポーツ用品メーカーであった。
- 1978年 9月7日 - アドルフ・ダスラーがエルランゲンで死去。78歳[8]。
- 1987年 4月10日 - ホルスト・ダスラーが51歳で病死した。アドルフの娘たちとホルストの息子たちとの間での経営権争いもあり、アディダスの経営は迷走を始めた。
- 1990年 - フランス人実業家ベルナール・タピが株式の過半を取得、経営権を握る。これによりダスラー家とアディダスとの資本関係はほぼ消滅した。この頃、アディダスはナイキ、リーボックに次ぐ業界3番手に転落していた。
- 1993年 - 銀行団主導でフランス人実業家の「ロベール・ルイ・ドレフュス」が経営権を握る。ドレフュスのもとでアディダスは黒字化、復活を果たした。
- 1995年 - フランクフルト証券取引所に上場。
- 1997年 - ウインタースポーツ用品メーカーのサロモンを買収。世界ナンバー2のスポーツ用品メーカー、アディダス−サロモングループになる。これによりテーラーメイドゴルフを傘下とする。
- 1998年 - 2月、日本法人が設立し、ノーマン・フォスター設計の矢来町のビルに入居(旺文社と入れ替わり)。
- 2005年 - リーボック株を取得し、リーボックをグループに加える。10月25日、フィンランドのスポーツ用品メーカー、アメアスポーツコーポレーションにサロモン部門を売却。
- 2015年 - ラッパーのカニエ・ウェストとのコラボレーションライン「YEEZY」をスタートさせる[9]。(現在販売は終了。以下のレーベルを参照。)
- 2017年 - テーラーメイドゴルフを含むゴルフ部門(アパレル及びシューズ事業を除く)を投資会社に売却[10]。
- 2023年1月1日、カスパー・ローステッドCEOの後任として、プーマのビョルン・グルデンがCEOに就任[11]。 なおグルデンの就任まではハーム・オルマイヤーCFOが同社を率いる予定[11]。
ロゴの種類
3本線はアディダスの登録商標であるため[12]、ロゴ扱いとなり2000年代のある時期からテニスの4大大会などにおいて、ウェアの3本線の大きさ(長さ)の制限がなされている[13][14]。この3本線は、1951年にフィンランドのスポーツブランドカルフから約1600ユーロとウィスキー2本で使用権を買ったもの。
- ワールドマーク
- 地球の形をしたロゴマークで、1960年代に使用されていた。
- トレフォイルロゴ
- パフォーマンスロゴ
- グローブロゴ
- 2002年に初登場。円に斜めの3本線が入ったマーク。「adidas NEO(後のadidas neo)」や「adidas SLVR」といった10代・20代向けのラインにも当初は採用されていた。
- リニアロゴ(「adidas」や「adidas neo」など、“文字のみ”のロゴ)
- ^ a b c d e “FINANCIAL HIGHLIGHTS 2021 (IFRS)”. Adidas. 2023年2月22日閲覧。
- ^ a b c d フジテレビトリビア普及委員会『トリビアの泉〜へぇの本〜 1』講談社、2003年。
- ^ Smit, Barbara (2007). Pitch Invasion: Adidas, Puma and the Making of Modern Sport. Penguin. ISBN 978-0-14-102368-7
- ^ Karlsch, Rainer; Kleinschmidt, Christian; Lesczenski, Jörg & Sudrow, Anne (2018) (ドイツ語). Unternehmen Sport: Die Geschichte von adidas. Siedler Verlag. p. 41. ISBN 978-3-641237035
- ^ Karlsch, Rainer; Kleinschmidt, Christian; Lesczenski, Jörg & Sudrow, Anne (2018). Unternehmen Sport: Die Geschichte von adidas. Siedler Verlag. p. 65. ISBN 978-3-641237035
- ^ “Shoes and Nazi Bazookas: The Prehistory of Adidas and Puma”. Der Spiegel (2009年3月4日). 2012年8月5日閲覧。
- ^ 「特集 SPORTS&MONEY 稼いで悪いか!」 Sportiva 2003年8月号
- ^ 訃報欄『朝日新聞』1978年(昭和53年)9月9日朝刊、13版、23面
- ^ 「【総力特集】 ADIDAS YEEZY BOOST の全貌に迫る」『SNKRS TOKYO』、2018年10月30日。2018年10月30日閲覧。
- ^ テーラーメイドを485億円で米投資会社に売却 アディダスが発表 - GDO・2017年5月11日
- ^ a b RIVER, CREEK & (2022年11月9日). “アディダス、新たなCEOとしてプーマのCEOを任命”. WWDJAPAN. 2022年11月9日閲覧。
- ^ 連邦国際専利商標事務所
- ^ アディダス、ロゴへの規定で4大大会を訴える - tennis365.net、2006年4月26日
- ^ 「JTA公式国内大会でのアディダス三本線の件」
- ^ “カニエ・ウェストさんのSNSアカウント凍結 反ユダヤ投稿受け”. ライブドアニュース. 2022年10月10日
- ^ “反ユダヤ発言のカニエ、アディダスが関係解消 資産2200億円失う”. フォーブス・ジャパン. 2022年10月26日
- ^ アディダス フットウェアラボ(2017年12月19日閲覧)
- ^ 「アディダスジャパンに立ち入り=人気運動靴の価格拘束容疑-公取委」 時事通信2011年4月12日付
- ^ アディダスジャパンに排除命令…靴の価格拘束で 読売新聞 2012年3月2日
- ^ アディダスジャパン、契約選手の情報流出を謝罪 社員がTwitterに書き込み 毎日新聞 2011年5月20日付
- ^ “アディダス、 PARLEY FOR THE OCEANS とともに国連の気候変動イベントにてサステナビリティ・イノベーションを発表” (PDF) (2015年6月29日). 2016年2月24日閲覧。
固有名詞の分類
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