と畜場法 と畜場法の概要

と畜場法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 00:01 UTC 版)

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と畜場法

日本の法令
通称・略称 屠場法
法令番号 昭和28年8月1日法律第114号
種類 経済法
効力 現行法
公布 1953年8月1日
所管 厚生労働省
主な内容 と畜場について
関連法令 食品衛生法
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1906年(明治39年)に制定された「屠場法」に代わって制定された。

この記事において、と畜場法の条文は単に「第〇条」と表す。

概要

「と畜場法」の「と」は、漢字では「屠」であるが、「屠」は当用漢字でなかったため、ひらがなで表記された(漢字制限)。

規制の対象となる獣畜は、牛、馬、豚、めん羊及び山羊である(第3条)。この法律により、と畜場以外の場所での獣畜のと殺・解体は規制される(第13条)。これは、獣畜からの感染症の蔓延を防止するための規制であり、例えば、自らの所有地でかつ自ら所有する牛であっても、許可なく食用のためにと殺・解体することは禁じられている。

と畜場の種類

  • 「一般と畜場」- 通例として、牛・馬(生後一年以上)または一日に十頭を超える獣畜をと殺・解体する規模のもの。なお、「通例として」というのは平均ではなく、通常の場合においてという意味とされる[1]
  • 「簡易と畜場」- 一般と畜場以外のもの(一日に十頭以下の獣畜をと殺・解体する規模もの)。豚・羊を専用にと殺・解体すると畜場である。

なお、「簡易と畜場」は、従前「羊豚専用簡易屠場」として許可[2]されていたものを、本法の制定により法的に明確にされたものである。

設置の許可

と畜場の設置には、都道府県知事の許可が必要である(第4条)。このとき、人家の密集している場所や飲料水が汚染される場所など公衆衛生上の危害を生ずるおそれがある場合、許可は与えられない(第5条第1項)。なお、と畜場の規模に応じて、一日当たりの処理頭数の上限が決められる(第5条第2項)。

また、都道府県知事は、法律に違反した場合などには、許可を取り消すことができる(第18条)。

と畜場の使用

と畜場は、正当な理由なく、農場からの獣畜の搬入を拒むことはできない。また、正当な理由なく、と殺・解体の依頼を断ることもできない(第11条)。また、と畜場が生産者に対して求める代金である、と畜場使用料やと殺解体手数料については、都道府県知事の認可が必要である(第12条)。

これらは、と畜場が単なる営業の施設ではなく、公共の必要性があって設置される施設であるため、設けられた規定である。

衛生管理責任者

と畜場は、食肉を生産する食品工場であり、衛生的な管理が求められる(第6条)。そのため、と畜場における衛生管理の責任者として、と畜場ごとに、衛生管理責任者を置かなければならない(第7条)。この資格には、獣医師、または畜産学科を卒業した者でなければならない。


  1. ^ 日本獣医師会雑誌(1953),阿曽村千春
  2. ^ 昭和6年9月10日発衛第99号厚生省衛生局長通知


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