version I のあらすじ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 06:16 UTC 版)
「デヒティネ」の記事における「version I のあらすじ」の解説
ボイン川 エウィン・ワハ アルスターの首都であるエウィン・ワハとボイン川の位置 ある日、鳥の大群がエウィン(アルスターの首都)の平原に下りてきて、あらゆる植物を根元まで食い尽くしてしまう。コンホヴァルとその妹デヒティネ(原文では娘)が率いるアルスターの男たちが戦車を出して、鳥の群れを追い払う。追い払いつつ移動するうちに、一行ははるばるボイン川まで来てしまう。日が暮れると共に雪が降りだす。 野中の一軒屋を見つけて駆け込んだ一行は、その家の主人に篤くもてなされる。アルスターの男たちは、その家で一晩心ゆくまで酒を飲んで過ごす。家の主人は、じつは妻が物置部屋で出産するところなのだと語る。デヒティネが行って、出産を手伝う。それと同時に、この家の表扉のところで牝馬が二頭の子馬を出産する。夜が明けると家とその主人が消え失せている。デヒティネとアルスターの男たちは、生まれたばかりの赤ん坊と二頭の子馬を連れて、エウィンへと帰る。 彼らが育てた甲斐あって、赤ん坊はやがて少年にまで成長するが、病を得て死んでしまう。デヒティネは悲しみに打ちひしがれる。少年の死を嘆く彼女が帰宅して飲み物を所望する。一杯の飲み物が差し出され、彼女がその杯に口をつけた瞬間、ちっぽけな生き物が飲み物の中へするりと入る。その晩遅く、夢の中で彼女はルグ・マク・エスレンと名乗る男の訪問を受け、その男の子供を宿すこと、ボイン川の近くまで誘い出したのがその男であったこと、彼女が育てた男の子が彼の子供であったこと、その子供が再び自分の子宮に宿ったことを知る。そして、男の子をシェーダンタ(セタンタ)と名付け、二頭の子馬とともに育てねばならぬことも知らされる。 デヒティネのお腹は大きくなるが、父親が誰かわからないので彼女は皆にあざけられる。戦士たちがボイン川近くの一軒屋に泊まった晩、酔っ払ったコンホヴァルがデヒティネに子種を仕込んだのではないか、という陰口さえ聞かれるようになる。コンホヴァルはフェルグスの兄弟であるスアルティウ・マク・ロイヒに話をつけて、デヒティネを彼と結婚させる。彼女は妊娠中に夫と共寝するのは恥であると考え、たいそう心を痛めたので、赤ん坊を流産してしまう。しかし、彼女は奇跡的に再び処女となり、スアルティウとの間に男の子を授かる。そして子供は、シェーダンタと名付けられた。
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