はす歯傘歯車
交差する軸の間に回転力を伝達する円錐形をした歯車で、その歯筋は円錐の母線に対し、ある角度(ねじれ角)をもっており、一般にすぐ歯傘歯車に比較してより円滑な動力伝達を行うことができる。交差軸角度は90度のものが多いが、ほかの角度でも用いられている。歯車の設計は歯切り盤メーカー(グリーソン、エリコン、クリンゲルンベルクなど)により標準化されている。駆動システムとしては耐久性、騒音遮断性のほか、個々の歯車セットが円滑に噛み合うように組立て位置の調整が行える機構を備えることが要求される。応用例は終減速機、4WDトランスファー、エンジンオイルポンプなどである。
参照 すぐ歯傘歯車、ハイポイドギヤ曲がり歯傘歯車
歯筋(歯幅)方向にねじれ角をつけた、傘形状の歯車のこと。すぐ歯よりも曲がり歯にすることで噛み合い率が上がり、歯車騒音や耐久性が向上する。終減速機の歯車として使用され、ハイポイドギヤに比べると歯筋方向の滑りがないので噛み合い損失が少なく伝達効率が高いこと、オイル温度も低速高負荷で低くできることなどの利点がある。劣る点は噛み合い率と強度がハイポイドより低いこと、また小歯車を大歯車より下へオフセットできないので、プロペラシャフトが高い位置となる。最近の低燃費指向により、トラックでは一部、ハイポイドギヤから曲がり歯傘歯車への移行がみられる。
まがりばかさ歯車
(spiral bevel gear から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/05 01:22 UTC 版)
まがりばかさ歯車(まがりばかさはぐるま、曲がり歯傘歯車、spiral bevel gear)は、かさ歯車の一種で、歯先が曲線を描いているもの(曲がり歯)である。一般には噛み合う歯車の2軸は直角を含む180°以外の角度を持って交わっているもの(交差軸歯車)を指し、交わっていないもの(食い違い軸歯車)はその商品名からハイポイド・ギアと呼ばれる。傘歯車は自動車のディファレンシャル・ギアなど、回転軸の方向を90°変換するためなどに用いられるが、歯を曲がり歯にすることで平歯車やすぐ歯のはす歯傘歯車に比べて振動と騒音の発生を抑えることができる。必要に応じて高回転側の小さな歯車はピニオン歯車、低回転側は冠(クラウン)歯車またはギア歯車と呼ばれる。
- ^ 株式会社ニッセイ 標準歯車カタログ p. 242 Archived 2016年3月4日, at the Wayback Machine.
- ^ 島根大学 総合理工学部 機械・電気電子工学科 機械設計研究室 スライド4枚目
- ^ ピッチ角が90°より小さい場合は円錐面の外側に歯が切られ、大きな場合は円錐の内面側に切られる。
- ^ YouTube 内歯傘歯車の動作の様子
- ^ Gear Nomenclature, Definition of Terms with Symbols. American Gear Manufacturers Association. ISBN 1-55589-846-7. OCLC 65562739. ANSI/AGMA 1012-G05
- ^ 平岡, 幸三「鉄道模型技術散策〈10〉1/16・89mmゲージ ギアードロコ・クライマックス」『鉄道模型趣味』、機芸出版社、2009年4月。
- 1 まがりばかさ歯車とは
- 2 まがりばかさ歯車の概要
- 3 脚注
「spiral bevel gear」の例文・使い方・用例・文例
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