rifampicinとは? わかりやすく解説

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アール‐エフ‐ピー【RFP】

読み方:あーるえふぴー

《rifampicin》⇒リファンピシン


リファンピシン【rifampicin】


リファンピシン

分子式C43H58N4O12
その他の名称リファンピン、リファンピシン、L-5103レペチット、RifampinBa 41166/E、NSC-113926、Rifampicin、L-5103 Lepetit、3-[[(4-Methyl-1-piperazinyl)imino]methyl]rifamycin、リマクタン、Rifadin、Rimactane、3-[(4-Methyl-1-piperazinylimino)methyl]rifamycin、RFPRFP【リファンピシン】、RFPリファンピン】、リファジン【Rifadin】、リモベロン、Rimoveron、アプテシン、Aptecin、RFP【Rifampicin】、RFPRifampin
体系名:3-[[(4-メチルピペラジン-1-イル)イミノ]メチル]リファマイシン、3-[(4-メチル-1-ピペラジニルイミノ)メチル]リファマイシン、3-[[(4-メチル-1-ピペラジニル)イミノ]メチル]リファマイシン


リファンピシン

Rifampicin, Rifampin

【概要】 リファマイシン系の抗結核薬一般名略号RFP経口薬アメリカではリファンピン日本商品名はアプテシン、リファジン、リマクタン、セオピシン、リブリオン、リモベロン、リマクタン、リファジンで、1カプセルが150mg。1日3カプセルを朝1回服用。 

【効果】 細菌DNA依存性RNAポリメラーゼ作用しRNA合成阻害することにより抗菌作用を示す。  

【副作用】肝障害腹痛吐き気下痢、めまい、協調障害混迷集中力低下など。 

相互作用】 リファンピシンはチトクロームP450(CYP 3A4)を強力に誘導するので、これで代謝される多く薬物濃度下げる。特にプロテアーゼ阻害剤との併用禁忌であり、リファブチン代用すべきである

《参照》 結核非定型抗酸菌症チトクロームP450リファブチン


リファンピシン [Rifampicin]

 放線菌Streptomyces mediterraneiが産生するアンサマイシン抗生物質であるリファマイシン SV誘導体である。リファマイシン結核菌グラム陽性菌に有効であるが、リファンピシンはグラム陰性菌にも強い抗菌性があり、臨床的に広く使用されている。その作用細菌核酸RNA生合成阻害することである。リファンピシン耐性菌もあるが、これは細菌遺伝子突然変異原因することが明らかにされている。

リファンピシン

(rifampicin から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/20 10:25 UTC 版)

リファンピシン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
  • AU: C
法的規制
投与方法 経口
薬物動態データ
生物学的利用能90 - 95%
代謝肝臓と腸壁
半減期6 - 7 時間
排泄15 - 30% 腎臓
60%
識別
CAS番号
13292-46-1
ATCコード J04AB02 (WHO)
PubChem CID: 5360416
DrugBank APRD00207
KEGG D00211
化学的データ
化学式C43H58N4O12
分子量822.94 g/mol
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リファンピシン (rifampicin) は、抗菌薬の一種。

分子式C43H58N4O12分子量822.95の有機化合物リファンピン (rifampin) ともいう。製品名はリファジン®カプセル150mg(第一三共製造販売)。

放線菌の一種 Streptomyces mediterranei が生産するリファマイシンから半合成される。

作用機序

細菌RNAポリメラーゼに直接作用してRNA合成の開始反応を阻害することにより抗菌力を発揮する。

薬物相互作用

リファンピシンは薬物代謝酵素であるCYP3A4の誘導を行うため、この薬物相互作用に対して注意を要する(この酵素によって代謝される薬物の血中濃度を低下させるため、この酵素で代謝される薬が効きにくくなる)。

効能・効果

適応菌種

適応症

臨床応用

結核ハンセン病の治療に用いられる。副作用としては肝機能障害などが挙げられる。

多剤耐性緑膿菌多剤耐性アシネトバクター・バウマニの感染症に対してコリスチンとの併用療法に用いられることがある(この場合、保険適用外使用となるため自由診療となる)。コリスチンとリファンピシンの併用療法はin vitro及びin vivoで相乗効果があることが確認されている[1][2][3]

CYP3A4で代謝される薬は薬物相互作用に気をつけなければならない。特にHIVプロテアーゼ阻害薬、デラルビシン、ボリコナゾールプラジカンテルは併用禁忌となっている。

日本では第一製薬(現第一三共)、科研製薬日本チバガイギー(現ノバルティス)などから販売されており、1996年に厚生大臣より希少疾病用医薬品の指定を受けた[4]

分子生物学での利用

リファンピシンは他の抗生物質に比べ自然耐性をもたれやすい。そのため、大腸菌の可逆的リファンピシン耐性変異株を利用することで、in vivoにおけるRNA合成を開始段階で同調させることができる。また、RNAの伸長反応は阻害しないので、オペロンの構造分析にも利用できる。

認知症への応用

大阪市立大学の富山貴美研究教授がリファンピシンに、アルツハイマー病の原因となるタンパク質であるアミロイドβ(ベータ)・オリゴマーの蓄積を抑える作用があると発表[5]

研究のきっかけとなったのは、1992年に報告された、日本のハンセン病患者に関する論文。ハンセン病患者の人たちは高齢になっても認知症を発症する頻度が極めて低かった。ハンセン病患者は当時の国の政策によって長期にわたって外界から隔絶され、しかも、同じ薬を投与され続けてきた。

主な薬はダプソンクロファジミン、そしてリファンピシン。これらの薬を入手して「アミロイドβ」の凝集を防げるか調べたところ、最も顕著に効果が現れたのがリファンピシンだった。

その後、原因タンパク質の小さな集合体であるオリゴマーの形成を抑えることができるかを調べると、ここでもリファンピシンが優れた結果をもたらした。さらに研究を重ね、リファンピシンはアミロイドβだけでなく、タウやαシヌクレインといった、様々な原因タンパク質のオリゴマー形成も抑制することが判明。

これにより、リファンピシンがアルツハイマー病だけでなく、脳の神経細胞が徐々に失われることで発症する、他のタイプの認知症にも効く可能性が示された。

参考文献

脚注

  1. ^ Giamarellos-Bourboulis EJ, Sambatakou H, Galani I, Giamarellou H. (2003). "In vitro interaction of colistin and rifampin on multidrug-resistant Pseudomonas aeruginosa". J Chemother 15: 235–38.
  2. ^ Hogg GM, Barr JG, Webb CH. (1998). "In-vitro activity of the combination of colistin and rifampicin against multidrug-resistant strains of Acinetobacter baumannii". J Antimicrob Chemother 41: 494–95.
  3. ^ Petrosillo N, Chinello P, Proietti MF, et al. (2005). "Combined colistin and rifampicin therapy for carbapenem-resistant Acinetobacter baumannii infections: clinical outcome and adverse events". Clin Microbiol Infect 11: 682–83.
  4. ^ 希少疾病用医薬品及び希少疾病用医療用具の厚生大臣指定(96年3月)
  5. ^ Umeda T, and others. Rifampicin is a candidate preventive medicine against amyloid β and tau oligomers. Brain 139, 1568-1586, 2016.


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