light music
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/19 17:35 UTC 版)
古くはモーリーの『実際の音楽への簡明平易な手引』(1597年)に"Madrigals, Canzonets, and such like light musicke"という一節があるように、気軽に聴ける音楽という意味合いが light music にはあった。 現在でいうlight musicは、イギリスに源流を持つ。19世紀末頃から20世紀初頭にかけて、海辺のリゾート地で保養客を相手に演奏を披露するシーサイド・オーケストラというものがあった。シーサイド・オーケストラはポピュラーな歌謡曲をオーケストラ向けに編曲したものや軽いクラシック音楽を幅広く演奏して人気を博し、有名なクラシック音楽の作曲家エドワード・エルガーなどもこうした演奏向けの作品を残している。この演奏スタイルを1930年代にBBCがとりあげたのが、light musicが放送向きのジャンルとして確立するきっかけになった。 旋律を重視する点に音楽的な特徴があり、マントヴァーニ楽団(Mantovani orchestra)のシンボルともなったロナルド・ビンジ(英語版)のcascading strings(弦を多くのプルトにわけ、わずかな時間差で同じ旋律を演奏すると、リバーブのような、滝の流れるような独特の効果が得られる)やロバート・ファーノン(英語版)のクローズハーモニー(各声部が近い音程をもって和声を構成する方法)が代表的な手法である。 このジャンルはイージーリスニング、ムード音楽、ラウンジ・ミュージックとして現在も生き延びている。
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