流体分析
【英】: fluid analysis
坑井から採取された油、ガス、水の性状分析を流体分析と呼び、地表で坑口から出てきたものを採取した試料を対象とする一般分析と坑底で採取した試料を対象とする PVT 分析とに大別している。(1) 一般分析:油、ガス、水を地表状態で分析することで主要分析項目は以下のとおりである。(i) 油:比重、粘度、固形分の含有率、組成、分留試験など。(ii) ガス:比重(対空気の)、組成、発熱量など。(iii) 水:比重、含有イオン濃度、pH など。(2) PVT 試験(pressure-volume-temperature analysis):坑底試料(bottomhole sample)または地表のセパレーターで採取した油・ガスを適正比率で再混合した試料(recombined sample)を用いて、油層内流体の圧力-体積-温度の関係(相挙動:phase behavior)などを試験室で測定することで、主要測定項目は次のとおりである。(i) 油・ガス層温度における沸点圧・露点圧。(ii) 油層温度下での溶解ガス・油比および油容積係数の圧力に対する変化。(iii) 地表温度における圧力-体積の関係。圧力はセパレーター条件を想定する。(iv) 油層温度下での油の粘度の圧力に対する変化。(v) 坑底試料または再混合試料、およびそれらをある条件で分離したときの油・ガスの組成分析。また最近では、ガス圧入時の油層挙動を予測するためにスウェリング・テスト(swelling test)やスリム・チューブ・テスト(slim tube test)などの特殊流体分析も行われる場合がある。前者は、油層温度下で圧入ガス量を段階的に増やしながら、各段階における油・ガスの体積変化を圧力の関数として測定し、ガスを溶かし込んだ油の体積膨張の状況を求めるものである。後者は、小口径のステンレス・パイプを使い、ガスの圧入圧力と油の回収率の関係を測定するもので、ミシブル条件が作りだされる最小ミシビリティ圧力(minimum miscibility pressure, MMP)の決定に使われる。 |

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