ベクレル【becquerel】
読み方:べくれる
放射性物質が放射線を出す能力を表す単位。国際単位系(SI)の放射能の単位で、1個の放射性核種が1秒間に1回崩壊して放射線を放出する場合、1ベクレルとなる。その量は放射線のエネルギーや人体への危険度とは異なる。名称は放射能の発見者であるフランスの物理学者アンリ=ベクレルに由来する。記号Bq。
[補説] 放射線被曝(ひばく)の人体への影響を表す単位シーベルトに換算するには、放射性核種の種類、または経口や吸入などの摂取の違いに対応する実効線量係数を、ベクレルの値に乗じて求める。一般に、放射性物質が混入した食品や土壌の放射能の強さは、単位重量当たりの値で表され、具体的には、放射性セシウムによる放射能の基準値は、一般食品1キログラム当たり100ベクレルなどと定められている。
ベクレル
Becquerel
ベクレル
(becquerel から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 07:02 UTC 版)
ベクレル(英語:becquerel、記号: Bq[1])とは、放射能の強さを表す単位であり、それは1秒間に崩壊する原子核の数で表される[2]。
注釈
- ^ 370 ÷ 8 s = 46.25 s−1 = 46.25 Bq
- ^ 一分間あたりに放射性崩壊(壊変)する原子の個数は壊変毎分(decays per minute/ disintegrations per minute : dpm)と呼ばれる。1 Bq = 60 壊変毎分、1 壊変毎分 = 1/60 Bq = 約 0.0167 Bq となる。
- ^ 時間の逆数の次元(T−1)を持つが、放射能の計量以外には使用できない。同じ T−1 の次元を持つ単位にはヘルツ(Hz)や毎秒(s−1)がある。
- ^ 単位としてのベクレルをフルスペルで英字表記する場合は常に小文字で「becquerel」と書かねばならず、単位記号では「Bq」と頭文字だけを大文字にすると国際単位系のルールで規定されている。
- ^ ただし、その当初のキュリー Ci の定義においても 1 g のラジウムの放射能 Bq は変更する可能性のある旨が記載されていたと言われる。実際、現在のラジウム 1 g の放射能の正確な値は3.61×1010 Bqである。(Murray 1955, p. 23)
- ^ ガンマ線自体指数関数的減衰であるからどちらにせよゼロにはできない
- ^ 特に人体の影響を計算する時も人体の大半が水であると計算することからもわかるように、ガンマ線は人体も貫通する。
- ^ 放射性物質はその定義から放射能をもつため放射性崩壊をする。放射性崩壊をした原子核は放射線(ガンマ線、ベータ線、アルファ線など)を放出する。
- ^ このような表現であるのは、放射線が物体に対してエネルギーを与える現象は一つではないからである。右図参照。
- ^ 物質の種類に関係なく放射線の照射によって単位質量あたりに吸収されるエネルギー量 J/kg を吸収線量(absorbed dose)と呼び、単位としてJ/kgの代わりにグレイ(Gray)(単位記号:Gy) が用いられる。
- ^ たとえば、内部被曝の算定などではベクレルから線量を換算することもある。
- ^ 例えば1万ベクレルの(出入りのない)放射性物質があり、半減期が経過すれば5000ベクレルに減衰するというわけである。1ベクレルの場合半減期が経過すれば0.5ベクレルと減衰していく。指数関数的減衰のためゼロにはならないが、原子数は有限であり原子数が少なくなればポアソン過程で表現されるうえ、最終的にはゼロまたは化学分析や放射線測定が困難なレベルにまで減衰する。太陽系創世時の半減期の短い(とはいえ短いというのは、地球の年齢46億年に対してだが)、核種の放射能はこのような運命を辿ったとされている。
- ^ 例えば、高木仁三郎は大学教員時代、超微量の放射能測定器を開発していたが、核実験フォールアウトによる遮蔽材として使われる鉄の汚染が問題となっていた。
- ^ これら測定技術は素粒子物理学や超ウラン元素の実験的研究、宇宙線の観測等でとくに重要となる。粒子検出器も参照せよ。
出典
- ^ 1992年(平成4年)11月30日通商産業省令第80号「計量単位規則」
- ^ 1992年(平成4年)11月18日政令第357号「計量単位令」。SI組立単位の1つである。(原子力百科事典ATOMICA)
- ^ 滋賀県放射線技師会 放射線雑学[リンク切れ]
- ^ 産業技術総合研究所 飲用水の自然環境と放射能汚染[リンク切れ]
- ^ a b 原子力百科事典ATOMICA.
- ^ 国立天文台 編 『理科年表』(平成25年版)、2012年。 p.476
- ^ Murray 1955, p. 23.
- ^ “CJK Compatibility”. Unicode inc. (2015年). 2016年2月21日閲覧。
- ^ “The Unicode Standard, Version 8.0.0”. Mountain View, CA: The Unicode Consortium (2015年). 2016年2月21日閲覧。
- 1 ベクレルとは
- 2 ベクレルの概要
- 3 ベクレル(放射能)の測定
- 4 脚注
- becquerelのページへのリンク