T荷重とL荷重
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 18:51 UTC 版)
A活荷重・B活荷重ともに、その載荷方法として、「T荷重」および「L荷重」がそれぞれ規定されている。 T荷重は、車両総重量25t(250kN)の大型トラックにおける後輪荷重をモデル化したものである。前後輪の荷重比率を1:4とし、後輪は軸重で200kN、輪荷重で100kNと規定している。右図上段は、小規模支間の橋桁に軸重(200kN)を載荷した例であるが、支間Lが大きくなった場合、実際には後輪のみならず前輪の荷重も作用する。したがって、以下の式により支間Lに応じた割増係数kを求め、発生断面力の補正を行うこととしている。 k = 1.0 (L ≦ 4m) k = L / 32 + 7 / 8 (4m < L ) ただし、k ≦ 1.5 この割増係数の規程はB活荷重のみに適用され、大型車通行量の少ないA活荷重に対しては割増しを行わない。 一般に、T荷重は床版の設計に用いられることが多く、この場合、右図下段のように1.75mの間隔をもって100kNの輪荷重(載荷面積-幅500mm×長さ200mm)を載荷する。また、橋の幅員が広い場合には、幅方向に複数組の輪荷重群を載荷することとしている。 一方のL荷重は交通荷重群をモデル化したものである。すなわち、T荷重が大型トラック単体を想定しているのに対し、L荷重は多数の自動車からなる荷重をモデル化したもので、主桁や主構など橋全体の設計に用いられる。多数の自動車を個々にモデル化するのは煩雑であることから、L荷重は単位面積あたり一様な荷重を載荷する等分布荷重として定められている。 橋の長手方向には3.5kN/m2(1m2あたり約350kgf)を全面に載荷し、さらにもっとも不利となる区間10m(A活荷重にあっては6m)に10kN/m2(1m2あたり約1tf)を載荷するのが、L荷重の基本である。前者は比較的軽量の自動車が多数連なっている状態をモデル化したものであり、後者はそれに加えて重量の大きい大型車が混載することを想定したものである。また、幅員が広い場合には、幅方向に5.5mをこれらの荷重を載荷し、他の部分にはその二分の一を載荷することとしている。
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