交響曲第1番 (ペンデレツキ)とは? わかりやすく解説

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交響曲第1番 (ペンデレツキ)

(Symphony No. 1 (Penderecki) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/02/16 00:48 UTC 版)

交響曲第1番は、クシシュトフ・ペンデレツキパーキンス・エンジン工業の依頼で1972年から1973年にかけて作曲した交響曲

概要

交響曲作曲の意志は、この曲を作曲する以前から込められており、それを示すかのように、『デ・ナトゥーラ・ソノリス』と『ハープシコードと管弦楽のためのパルティータ』という大規模な作品が作曲されている。楽曲構成は幾度も変更されており、当初は第3楽章にパッサカリアを入れた全5楽章形式になる筈だった。初演は1973年7月19日ピーターバラにて第5回パーキンス工業主催の5回目の演奏会において、作曲者指揮ロンドン交響楽団の演奏により行われた。

楽器編成

ピッコロ(1または2)、フルート3、オーボエ3、イングリッシュホルン3、クラリネット3、クラリネット(Es管)、バスクラリネットファゴット3、コントラファゴット3、ホルン5、トランペット3、トロンボーン4、チューバティンパニヴィブラフォン、マリンバフォン、フルスタクラベスグイロラットルヴィブラスラップ拍子木ウッドブロック5、びんざさら5、トライアングル2、クロタル5、シンバル4、カウベル4、タムタム2、銅鑼レールグロッケンシュピールベルボンゴ2、コンガ2、トムトム6、大太鼓チェレスタハープハーモニウムピアノヴァイオリン24、ヴィオラ8、チェロ8、コントラバス8

演奏時間

約29分。

楽曲構成

Arche I、Dynamis I、Dynamis II、Arche IIという名称がつけられたアーチ型の4楽章構成であり、それぞれの楽章は連続して演奏される。

第1楽章 Arche I 

冒頭のフルスタで呈示されるパルスと、チェロとコントラバスによるハ音のオスティナートは、全楽章を通して使用される重要な素材である。ピッツィカートによるクラスターの後、管楽器が顔を出す。全楽器が揃うと弦楽器は影を潜め、管主体の部分に移行し、やがて総休止となる。その後弦のみのクラスターに入り、 Arche Iは幕を閉じるものの、ホルンのイ音だけはDynamis Iにそのまま流れ込む。

第2楽章 Dynamis I

前楽章を発展させた4つの部で構成されている。第1部は第1楽章から橋渡しされたホルンに、微分音の動機がヴァイオリンに現れる。これはやがて弦全体に膨らんでいき、管楽器により反復される。第2部と第3部は全楽器のクラスターからなり、第2部においてはトリルやトレモロのクラスターが使われている。第4部は第1部の動機を発展させたもので、コーダには第1楽章で使われたオスティナートが変イ音になって登場する。

第3楽章 Dynamis II

前楽章と同じく4つの部分よりなり、奇数の部と偶数の部は対になっている。第1部は金管の動機の後、第1楽章のオスティナートを発展させた弦楽器の和音が呈示された後、弦により微分音のトリルが奏される。これらは交互に現れて全楽器に移行する。第2部は金管のクラスターと木管の動機が交互に奏され、間もなく弦と打楽器の和音が入る。弦のピッツィカートに始まる第3部は第1部を発展させたもので、これはティンパニに橋渡しされると同時に、第1楽章のフルスタのパルスが再現される。第4部は第2部の再現部に当たり、コーダに登場するホルンの旋律は、この楽章と第4楽章を繋いでいる。

第4楽章 Arche II

ArcheIを拡大、発展させた弦楽器主体の楽章で、ハ音と変イ音のオスティナートはこの楽章の大部分に出現し、これに管楽器が度々度々顔をのぞかせる。中間部の微分音の動機はは第2楽章の引用であり、この旋律はグリッサンドのクラスターに発展する。コーダではハ音のオスティナートが現れる内に全曲が締め括られる。

参考文献




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