スズライト
スズライトは、鈴木自動車(当時)のすずとライトを合わせた造語。スズキ初の4輪車として、スズキの未来を照らす光となってほしいという願いを込めた。初代は1955年10月にデビューした。
開発の参考となるクルマとして購入した、ドイツのロイトLP400の影響を受けたといわれている。2ドアで2ボックス、4人乗り。エンジンは強制空冷2ストローク2気筒・359.66ccで最高出力15.1ps/3800rpmを発生した。タイヤは4.00-16という、このクルマには不釣合いな大径だったが、当時、これが入手可能なもっとも小さいタイヤだったという。日本初の、本格的軽乗用車だった。ちなみに、寸法は全長2990mm、全幅1295mm、全高1400mm、ホイールベース2000mm。ミッションは前進3段。
乗用車のほかライトバンとピックアップがあり、乗用車はSS(スズライト・セダン)と呼んで区分した。FFであることが、時代に先駆けていた。当初は浜松近辺に限定して販売した。ユーザーの意見をすばやく吸収するためと、万が一のトラブルに対応するためで、直売方式、価格は42万円。同時発売のライトバンが39万円、ピックアップが37万円たった。
サスペンションは凝ったもので、ロワアームはV字型、これに2本のコイルスプリングを配し、アッパーアームはlビームとしたが、耐久性に欠けることがわかり、57年型からは横置きリーフスプリングの独立に改めた。タイヤも4.50-14と、見合ったタイプに変わった。
55年後半には、最高出力は16ps/4000rpmに向上、56年4月以降は360ccちょうどとして8ps/4200rpmにアップした。最大トルクは3.2kg-m/3200rpm。最高速80km/hをマークした。58年1月にライトバンSFに販売を集中するとして、セダンは生産を停止した。そのあと、62年3月発売のスズライト・フロンテへとバトンタッチした。
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