SPRMと受容体結合部位との相互作用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/18 05:15 UTC 版)
「選択的プロゲステロン受容体修飾薬」の記事における「SPRMと受容体結合部位との相互作用」の解説
.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{display:flex;flex-direction:column}.mw-parser-output .tmulti .trow{display:flex;flex-direction:row;clear:left;flex-wrap:wrap;width:100%;box-sizing:border-box}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{margin:1px;float:left}.mw-parser-output .tmulti .theader{clear:both;font-weight:bold;text-align:center;align-self:center;background-color:transparent;width:100%}.mw-parser-output .tmulti .thumbcaption{background-color:transparent}.mw-parser-output .tmulti .text-align-left{text-align:left}.mw-parser-output .tmulti .text-align-right{text-align:right}.mw-parser-output .tmulti .text-align-center{text-align:center}@media all and (max-width:720px){.mw-parser-output .tmulti .thumbinner{width:100%!important;box-sizing:border-box;max-width:none!important;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow{justify-content:center}.mw-parser-output .tmulti .tsingle{float:none!important;max-width:100%!important;box-sizing:border-box;align-items:center}.mw-parser-output .tmulti .trow>.thumbcaption{text-align:center}} プロゲステロン受容体のヘリックス-3はヘリックス-12を安定化させる アソプリスニル(英語版)の作動薬型相互作用によるヘリックス-12の安定化亢進 ミフェプリストンのPRへの遮断薬型結合によるヘリックス-12とヘリックス-3の相互作用の不安定化 リガンドとプロゲステロン受容体(PR)の相互作用 リガンドとPRの間には、リガンドの結合に重要な特定の相互作用があることが記載されている。受容体に結合したプロゲステロンの結晶学的研究により、プロゲステロンの電子吸引性3-ケト基と、構造的水分子によって位置が保持されているヘリックス-3のGln-725およびヘリックス-5のArg-766残基との間に、重要な水素結合相互作用があることが明らかになった。この相互作用は、他の様々なリガンド、例えばミフェプリストン、タナプロゲト(英語版)、アソプリスニル(英語版)等との相互作用にも存在する事が示されており、作動薬と遮断薬の両方の機能に不可欠な相互作用であると考えられる。更に、プロゲステロンとタナプロゲトは、ヘリックス-3のAsn-719と水素結合する事が判っており、より高い選択性と親和性が得られる可能性があるが、SPRMのアソプリスニルはこの残基とは相互作用しない事が判明している。極性残基Thr-894は、プロゲステロンのC20-カルボニル基に近接しているにも拘わらず、これらの化学基の間には水素結合が形成されていない。Thr-894が他のリガンドと相互作用する事が判っている点は重要である。 様々な研究により、17αポケットと呼ばれる疎水性ポケットの存在が報告されている。このポケットは、Leu-715、Leu-718、Phe-794、Leu-797、Met-801、Tyr-890から構成されており、作動薬、遮断薬を問わず、リガンドを拡張する余地があると考えられている。17αポケット、ヘリックス-5のMet-756、Met-759、Met-909は、様々なリガンドに対応する驚くべき柔軟性を示しており、プロゲステロン受容体は結合に関して非常に適応的である。作動作用と遮断作用に寄与するヘリックス-12の構造変化を比較した研究では、ヘリックス-3のGlu-723残基との重要な水素相互作用が示された。不活性状態では、Glu-723はMet-908およびMet-909の主鎖アミンと水素結合を形成し、ヘリックス-12の立体配座を安定化させる。アソプリスニルのオキシム基が作動薬結合ポケットと相互作用する等、リガンドが作動効果を発揮すると、前述したヘリックス-12の残基とヘリックス-3の残基の間の水素結合の相互作用が強まり、ドッキングして補助活性化因子が引き寄せられる。しかし、ミフェプリストンなどの遮断薬がこの水素結合システムと相互作用すると、そのジメチルアミン基がMet-909に衝突してヘリックス-12を不安定にし、構造変化を引き起こし、補助抑制因子を引き寄せる結果となる。
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