R360クーペ
R360のRはリヤエンジンのRで、360はいうまでもなくエンジン排気量を表していた。初代で終わり、キャロルにそのポジションを譲ったが、東洋工業(現・マツダ)が初めてつくった記念碑的存在のクルマである。その開発は、通産省(現・経済産業省)私案による国民車構想がきっかけとなった。1960年4月発表、5月から発売。エンジンは強制空冷4ストローク2気筒356ccで16ps、4速MTまたは2速ATにより後輪を駆動した。このATは、岡村製作所の協力により完成した。また、アメリカのAL-FIN社と技術提携を結んだアルフィン型油圧ドラムブレーキの採用も注目点だった。サスペンションはトレーリングアームとトーションラバーによる4輪独立で、乗り心地はよかった。定員は法規上4名だが実際には2+2で、リヤシートは子供用というべきだった。発売時の価格は4速MT車が30万円、2速AT車が32万円だった。5月に発売を開始し、翌月1303台、7月には2212台を売った。
61年2月、ツートーンカラーのDXを追加。従来モデルのサイドスクリーンをスライド式から巻上げ式に改良、ワイパーも2ブレード連動式に変更した。
62年2月に初代キャロルがデビューしたが、R360も続けて生産、66年12月まで命運を保った。
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