Pierre Louis Maupertuisとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > Pierre Louis Maupertuisの意味・解説 

ピエール・ルイ・モーペルテュイ

(Pierre Louis Maupertuis から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/05 05:23 UTC 版)

Pierre Louis Maupertuis

ピエール=ルイ・モロー・ド・モーペルテュイ(Pierre-Louis Moreau de Maupertuis、1698年9月28日1759年7月27日)は、フランス数学者、著述家である。物理学の基礎原理である最小作用の原理の提唱者であり、地球の形状を調査するラップランド観測隊を指揮し極地に赴いた経験を持つ。またダーウィン以前に生物進化について論じた人物でもある。

Lettres

生涯

ブルターニュ地方の港湾都市サン・マロの豪商の家に生まれる。家庭教師によって基礎教育を受けた後、フランス軍に入り騎兵将校に任官される。軍務の傍ら数学の分野で優れた才能を示し、1723年科学アカデミーの会員になった。

1728年にはロンドンに渡り王立協会の会員にもなり[1]万有引力を代表とするニュートン力学の理論をフランスに普及するのに貢献した。この過程でモーペルテュイは地球の形を巡って行われていた論争に大きく関わることになる。

当時地球の形は完全なではなく回転楕円体に近いということまでは分かっていたが、ニュートンの理論から導かれる南北に扁平な楕円体形状(扁球)であるのか、それまでのジャック・カッシーニの理論から導かれる南北に長い形状(長球)であるのかが論争されていた。その問題に決着をつけるために、1736年に赤道近くのペルーと極に近いラップランドに子午線弧長の測量のための観測隊が派遣され、モーペルテュイはラップランド隊の隊長を務めた。帰国後の1738年La figure de la terre(『地球の形状』[1])を発表した。

この業績などにより評価され、1740年プロイセン国王フリードリヒ2世ベルリンに招かれた。直後始まったオーストリア継承戦争では一軍人としてプロイセン軍に加わり翌1741年モルヴィッツの戦いオーストリア軍の捕虜となったが釈放された。

1742年にはパリに戻り科学アカデミーの会長になり、翌年アカデミー・フランセーズの会員に選ばれた。

1744年に再びベルリンに招かれ、1746年プロイセン科学アカデミーの会長になった。1756年に始まった七年戦争でプロイセンと祖国フランスが戦争になったことはモーペルテュイの立場を都合の悪いものにしたが、表立って彼の地位が脅かされることはついになかった。1757年に科学アカデミー会長を引退、翌1758年バーゼルに移り翌1759年病没。

功績

最小作用の原理は1741年の論文"Loi du repos des corps"や1744年の論文"Accord de plusieurs lois naturelles qui avaient paru jusqu’ici incompatibles"に発表された。1751年にザムエル・ケーニッヒが最小作用の原理はすでにゴットフリート・ライプニッツによって1707年に発見されていたという異議を述べて論争になったが、モーペルテュイにプライオリティが認められた。

また生物の進化に関して1752年の著書"Venus physique"や1754年の著書"Systeme de la Nature"で、進化論の先駆けとなる概念を述べたことが記録に残っている。

出典

  1. ^ "Maupertuis; Pierre Louis Moreau de (1698 - 1759)". Record (英語). The Royal Society. 2011年12月25日閲覧

関連項目


前任
シャルル=イレネー・カステル・ド・サン=ピエール
アカデミー・フランセーズ
席次8

第6代:1743年 - 1759年
後任
ジャン=ジャック・ルフラン

「Pierre Louis Maupertuis」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「Pierre Louis Maupertuis」の関連用語

Pierre Louis Maupertuisのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



Pierre Louis Maupertuisのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのピエール・ルイ・モーペルテュイ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS