P2Pシステムとしての分類
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/20 14:18 UTC 版)
「分散ハッシュテーブル」の記事における「P2Pシステムとしての分類」の解説
DHTはしばしば、旧来のGnutellaのようなPure P2Pネットワークと対比される。しかし、本質的には全く異なるものである。旧来のGnutellaのようなPure P2Pは基本的にはメッセージフラッディングによる資源探索システムであり、例えばファイル共有システムのように、ネットワーク上に流布する多くのコピーのうちの一つのありかがわかれば目的を達成できる場合がほとんどである。 一方、DHTの研究はおおきくわけて二つのルーツに分かれている。一つはTapestryからはじまる、DOLR(Decentralized Object Location and Routing)と呼ばれる、分散オブジェクト管理のためのオブジェクト間のメッセージルーティングの方式である。同じ方式によりハッシュテーブルを構成することができるので、Tapestryは広義にDHTに分類される。もう一つの研究は分散ファイルシステムの研究であり、Chordは元々はChord/DHash Projectとして分散ファイルシステムを多ノード間でスケーラブルに取り扱うための研究から生まれている。また、DHTの研究の源流として、コンシステントハッシュ法を挙げる場合もある。いずれにせよ、DHTの原理は、putするノードとgetするノードが、キーにより論理空間上の同じ場所を探索するための分散アルゴリズムであり、あるキーに対応するファイルは高々1種類(実装によってさまざまな拡張が存在するが)である。 一般に、オーバーレイネットワークとしての分類により、前者を「非構造オーバーレイネットワーク(非構造化オーバーレイネットワークとも)」、後者を「構造化オーバーレイネットワーク」と呼ぶ。
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