NACAカウル
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/12 16:54 UTC 版)
NACAカウルは国家航空宇宙諮問委員会 (NACA) によって1927年に開発され、星型エンジンを搭載した航空機で使用されたカウルの一種である。空気抵抗の低減に伴う燃費向上により、開発や導入にかかる費用に対してより多くの利益がもたらされた。NACAカウルが開発される以前から、当時主流であったロータリーエンジンに流体力学等のカウルが取り付けられることがあった。ロータリーエンジンではカウル内でシリンダーが回転するため問題とはならなかったものの、それらは流体力学等の科学的根拠のないものであった。。1920年代に入るとシリンダーが固定された星形エンジンが普及して冷却の問題が浮上し、冷却性能と空気抵抗の低減を両立した実用的なカウルの開発が求められた。実験機のカーチス・ホーク複葉機はライト R-790星形エンジンを搭載しており、NACAカウルを装着しない場合の対気速度が118マイル毎時 (190 km/h)であるのに対して、カウルを装着することで137マイル毎時 (220 km/h)に達した。NACAカウルが、最も高温になる部品、すなわちシリンダーやさらに重要なシリンダーヘッドを通るように冷気をエンジンに導き、冷却後の空気の乱流が大幅に減少するという結果を受け、1932年以降のほぼすべての星型エンジン搭載機に装着されることとなった。
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